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ヒロシとの屋上の一件以来、
俺達は毎日のようにつるんでいた。

たむろするのはもっぱら屋上だったな。

屋上といえば、
俺の大好きな漫画の一つに
クローズというのがあるけど、
まさにあんな感じだったよ。
読んだ事が無い人は読んで見るといいよ。
最近はどうなんだ?
当時は不良達の溜まり場だったんだよ。
と言っても
俺の代になってからは
俺達しか寄り付かなくなってたけどな。

ちなみに俺の代というのは
俺が中一の時からだ。
その辺のことはチキン で書いていくよ。

ヒロシは小説のドロップでも
漫画のドロップでも
お笑いキャラになってしまってる

けどよ…
実際のヒロシは
俺達とつるみ始めてから
大化けしていった。
それも追々書いていく。
書ける範囲でな(笑)
フィクションって事で読んでほしい。


それにしても今でも覚えてるよ。
ヒロシが俺の家に初めてきた時のことだ。
親父に律儀に挨拶したヒロシは
開口一番、
親父に向かって
『やくざ屋さんですか』
だよ。

たしかに見た目はその筋に見えるが(笑)
親父は
『ガハハハハ』
と笑うだけだった。
森木達も爆笑してたな。
ヒロシは誰に対しても
遠慮は無かった。
思った事を正直にぶつける男だ。
口が立つ。

口が災いを生むタイプと、
笑いを生むタイプがいる。
ヒロシは確実に後者だった。
災いを生む場合も多かったが、
あいつが口を開く時は俺達が笑う時だった。

俺達はいつも笑ってた気がする。
ヒロシが来て
さらに笑う事が増えていった。

俺達は眉間にシワを作って
睨みをきかせてるだけの不良ではなかったよ。
そんなのは喧嘩の時だけ。

幸せを生み出す口を持ってるヒロシ。
お笑いはあいつの天職だと俺は思っている。

続き