初めての方プロローグからどうぞ
学校も休み。
時間と大人の目の制約から解放された。
全ての制約が無くなった俺達は
空手の稽古が無い日は朝から晩までよく一緒にいた。
毎日が楽しくて
悪戯をする事への心の葛藤なんてものは
あっという間に麻痺していった。
自転車を盗んだのもこの夏休みが初めてだった。
俺達は移動に使える足を手に入れ、
行動範囲も少し広くなっていった。
相変わらずゲーセンではカチカチでただで遊んでいたわけだが、
店側から目をつけられ、
出入りするのが面倒になっていた。
そんな理由もあって
俺達は少し離れたゲーセンまで自転車をこいで行くようになった。
新しく発見した店でいつものようにカチカチをしてゲームをしていた。
すると自分達より背の高い男が5、6人入ってきた。
第5話ワン公(2) へつづく