愛兎が3本足になるまで〜悪性繊維肉腫と断脚手術 | いぐのて【IGUNOTE】

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愛兎ロイさんの脚に腫瘍が見つかった際、

どうしても手術をしたくなくて

ネットで情報を探しまくりました。

 

でも、なかなか同じ症状の

うさぎさんが見つからず

手術をしていいものかどうか

判断するのがとても難しかったです。

 

同じような症状を抱えているうさぎさんと

飼い主さんの力になれればと思い、

腫瘍が見つかってから断脚手術に

踏み切るまで、

そして断脚後の様子をまとめたいと思います。

 

 

 

腫瘍を発見したのは10歳になる2ヶ月前

 

ロイさんは2022年の6月で12歳になります。

10歳になるまで

病院に行ったことがない、

それはそれは健康児でした。

 

10歳10ヶ月の4月、

切り株クッションの上で横になったロイさんの

右脚に、ちょっと赤いのを発見。

 

実は4ヶ月前の12月、

顎の下に膿が溜まって

初めての病院デビューをしていました。

 

 

それは中身を調べてもらいましたが、

後日病院から電話があり、

「悪性の可能性がありますが、手術するかは

飼い主さんに判断していただきます」

と言われました。

 

10歳で高齢だったこともあり、

悪性か良性かわからないものを取るために

慣れない病院に行きストレスを与え

全身麻酔で命をかけるという選択は

私にはできず、

手術はしない決断をしました。

 

顎の下が腫れていても

元気にたくさん食べているし、

他に問題がまったくなかったので

元気なのに死んでしまうリスクを取ることが

できませんでした。

 

幸い、顎の下の腫れは

処方された抗生剤を与えて1週間経つと

だんだん小さくなりました。

 

手術を選択しなくてよかったと

思いました。

 

 

それから4ヶ月経ち、

今度は右脚に腫瘍を発見したわけです。

 

顎下にできたものより硬かったです。

 

顎下は、ブヨブヨしていて

針を刺したら膿が出てくる感じが

想像できました。

(実際にはうさぎの膿はチーズのように硬いです)

 

でも右脚の腫瘍はもう少し弾力があり、

毛が抜けて皮膚が見えてしまっていました。

 

これが発見時の写真です。

 

 

正確には膝下という感じ。

1センチくらいの腫瘍でした。

 

ロイさんが気にしている様子もなく、

元気に過ごしていたので、

すぐに手術には踏み切りませんでした。

 

病院にも行きませんでした。

 

病院に行くことでストレスを

感じてほしくなく、

元気なうちはそのままでいようと思い、

ネットで調べた結果

腫瘍によさそうなサプリを見つけて

飲ませてみることにしました。

 

『姫マツタケ』という液体のサプリですが、

ロイさんは決まったものしか食べない性分で

まーーーーあ飲んでくれない……

 

シリンジで頑張って飲んでもらう毎日。

ケージ越しに与えますが、

20分くらい格闘するので

私の腰も壊れました。

 

 

実は腫瘍を発見する少し前から、

右脚を庇うように跳んでいるような気は

していましたが、

癖なのかと思っていました。

 

抱っこをさせないうさぎなので

そのときには発見できませんでした。

 

 

姫マツタケで大きくなるのを防げていた?

 

嫌なのに頑張って飲むロイさんと

腰が痛いのに頑張って与える私の頑張りで

腫瘍はある程度の大きさを保てていたと思います。

 

 

指で挟んでだいたいの大きさを測っていましたが、

結構長い間、大きくなるスピードは

遅かったように思います。

 

断脚手術を終えてから

なぜかいろいろなサプリを

すすんで飲んでくれるようになりましたが、

それまでは頑なに

慣れないものを口にしてくれなかったので、

粉にしてペレットにまぶしたり

おやつにふりかけたりしながら

頑張って1日のノルマを飲ませていたのですが、

おやつにふりかけて与えていたのが仇となり

10歳の秋にお腹にガスが溜まり、

食べず飲まず出さずに陥りました。

 

 

断脚のきっかけになった『鬱滞』

 

今まで同じような状態に陥っても

数時間で回復することを繰り返していたため

今回も同じかな、と思っていましたが、

どうも何時間経っても回復しません。

 

夜から食べなくなって、

ケージにも帰らなかったので

無理やり帰して眠り、

次の日の夕方になっても変わりませんでした。

 

この時点で12時間以上

飲まず食わず出さずでしたので、

そろそろまずいと思い、

顎下の膿でお世話になった病院へ

電話をしました。

 

すると、春から夜間診療を始めてくれていて、

「それは急いだ方がいいですね。

急患で夜間診療しますので

連れてきてください」

と言ってくれました。

 

急いでレンタカーをして、

3時間後には病院へ。

 

いつもより元気はないものの

先生に対する反抗心はあったようで

抱っこは嫌だと暴れていました。

 

「暴れる元気はあるんだね」

と言われつつ、

先生は触っただけでガスが溜まっているとわかり、

レントゲンを撮ると

体の右側半分がガスで真っ黒でした。

 

盲腸便も出ないくらい

腸の動きが止まっていて

全く動いていないとのこと。

 

異物が胃に詰まっているとかではなさそうなので

お腹を動かす皮下点滴を入れ、

痛み止めの注射をしてくれました。

 

お腹が動かないと食べられないので、

徐々に食べてくれるはずです、と言われ、

家へ帰りました。

 

お腹を動かす薬は飲み薬もあるので、

それを処方されて帰宅。

 

お腹を壊しているときに

あまりいろいろ飲ませるのもアレなので、

今まで飲んでいたサプリを一旦やめて

処方薬だけにしてみました。

 

処方薬は美味しいらしく

ガブガブ飲んでくれるので救いです。

 

帰宅後、あんなに与えようとしても

食べてくれなかったチモシーを

2本、3本と自分で食べてくれ、

徐々に便通もよくなり、

1週間で状態は悪いですが

うんちが出るようになりました。

 

1週間後に病院、

次は2週間後に病院、と

胃腸の薬を続けながら通院していたので、

最初はサプリを数週間

飲ませない日々が続きました。

 

すると、

今まで大きくなるのが抑えられていた腫瘍が

みるみるうちに

大きくなりました。

 

 

食べず飲まず出さずになる頻度が増え、

その度に病院へ行くようになり、

気づけば腫瘍は7センチくらいに。

 

 

そしてとうとう

自分でかじって出血してしまいました。

 

 

この出血がなかなか止まらず、

このまま貧血で体調が悪いーと思いながら

過ごしてもらうより、

思い切って命をかけた手術をして

麻酔から醒めてくれればそれでいい。

 

病院を拒んでいる間に11歳になっていたロイさんです。

 

もしも麻酔から醒められなくても、

それがロイさんの寿命だったんだと割り切って

眠ったまま月に帰れるなら

苦しくなくていいよね、

と決断し、手術をお願いしました。

 

この頃になると、

腫瘍におしっこやうんちがついてしまい、

それがそのまま固まって

そこにまたおしっこやうんちがついて……

というのを繰り返していました。

 

 

それがロイさんも嫌だったようで、

おしっこがつかないように

逆立ちでおしっこをするようになり、

バランスを崩すとそのまま前転してしまうことが

増えました。

 

高齢なので骨折につながり、とても危険です。

 

膝側に見える赤い部分は腫瘍ですが、

後ろから見える黒い部分は全部うんちの塊です。

 

もう、人間の手で取ることは不可能でした。

 

ロイさんのQOLもかなり落ちていたので

手術の選択を。

 

 

2022年1月、ロイさんは3本足になった。

 

そして年が明けて

2022年1月、

ロイさんは3本足のうさぎとなりました。

 

image

 

あんなに汚かったお尻が

こんなに綺麗に。

 

尻尾とたまたまは残してくれて、

少しでも筋肉を残した方が

血流が良くなるからという理由で、

膝下のみを切断してくれました。

 

太ももを残すことで

血の巡りがよくなるとのこと。

 

太ももの筋肉が1番大きいのは

人間と同じなのでしょうか。

 

おしっこがつき続けていたお腹は

ただれて真っ赤でしたが、

退院後にはすっかり綺麗になっていました。

 

痛いとか痒いとかひりひりするとか

絶対にあったと思います。

 

気づけなくてごめんね、ロイさん。

 

 

 

術後の介護

 

術後、自分で立てない状態が

1週間は続いたので

その間は私と夫が夜中も2時間おきに起きて

チモシーをそばに置き、

お水をシリンジで与える介護をしていました。

 

2週間くらい経つと、

ロイさんは傷を気にするようになり、

埋め込まれた膝の部分をかじって

セルフ抜歯をしてしまいました……

 

それにより穴が開き、

どこからとれたのか肉片が……

 

 

穴から膿は出ていましたが

病院で洗ってくれて

粉のつけ薬も処方され、

今度は朝と夜に傷口の掃除と薬の塗布が

始まりました。

 

ロイさんは抱っこが嫌いですが

さすがにこのときは

大人しく抱っこされてくれたので

手当てもしやすかったです。

 

 

その穴から徐々に出てきたのは

膿だけではなく、

なんと『膝』

 

穴がどんどん開いていき、

埋めてあった膝がどんどん顔を出しました。

 

先生は、そこを閉じるのではなくて、

中から再生するのを待ちましょう

と言いました。

 

そんな治療法があるとは。

 

しばらく薬を塗る作業は続きましたが、

現在はとても綺麗に再生しました。

 

飛び出た膝はちょっと硬くなってしまって

その膝で蹴られると

それはそれは痛いです。

こっちが怪我しそうなほど。

 

硬い方がきっと

地面についたときに痛くないんだろうなと

思います。

タコ的な。

 

 

現在は膝も上手に使い、

ときには尻尾を足のように使い、

ケージと部屋の行き来も1人でやっています。

意地でも抱っこはさせないようです。

 

 

ツーブロックにされたところが

なぜか毛が伸びなくて

そのままになっているのが可愛いw

 

傷口らへんはちゃんと

毛が伸びて

縫いあとも見えなくなりました。

 

 

術後変わったこと

 

術後、変わったことといえば、

少し甘えん坊になったことと

サプリをすすんで飲むようになったこと、

そして

耳が温かい時間が格段に増えたこと。

 

そのおかげで

胃腸の調子もいいことが増えました。

 

が、

やっぱり薬をやめると

すぐに調子を崩してしまうので

胃腸が悪いのは年のせいなんだと思います。

 

 

断脚をした時点では

悪性か良性かわからなかった腫瘍は

悪性繊維肉腫という

超悪性腫瘍だったとのこと。

 

手術で全て取り切れたという結果が出て

手術に踏み切って本当によかったと思います。

 

痛みなんかで食欲がなくなることもなく

よく食べて術後に0.2キロ増えたことも

先生に褒められます。

 

うさぎの断脚について

というか

膝にできる腫瘍について

ネットではなかなか探せなかったので

書いておきました。

 

うさぎの腫瘍といえば

口周りや胸が多いようですが、

膝でも悪性のことはあります。

 

異変があったら早めの受診をおすすめします。