最近、某タレント夫婦の離婚とその後が何かと話題になりますが、正直アンチなコメントが多くて嫌になるので、あまり見ないようにしています。変貌ぶりには驚きますけどね。あの方はセクシャリティを公表してはいなかったと思いますが、大抵の方はMTFだと想像するでしょうね。一般的に性自認と性指向がそれぞれ別だ、とういことがまだまだ理解されていない現状において、結婚して子供もいることや、離婚が批判の的になっていることも多いように見受けられます。無責任だと。
LGBTQについて情報が増えてきた現在でも、いわゆるMTFレズビアンという存在は少数派であり、当事者間でもなかなか受け入れてもらえていないように思います。
今回の件でそれが一気に可視化されてくるのか、それとも単なるイレギュラーな存在として認識されるだけに留まるのかはまだ分かりませんが、少なくとも私が自分の状況を説明すると、名前が出てくるようになりました。
情報が無く、自分自身を定義できずにいた昔の私は、自分の思いを隠しながら生きてきました。今でも続く社会的な差別はもちろんですが、ロールモデルの不在が根本にあったのかなと今では思います。誰にも説明できない。家族や他人はもちろん、自分自身にすら。
MTF、性指向は女性、そして既婚、子供在り。似たような方が居ない訳じゃない、ということも判っています。でも、そのうえで婚姻継続中となると、かなりのレアケース。そうなってくると、他人に説明しても、そうそうイメージできるものではないでしょうね。
パートナーの性別移行に伴って離婚するのか、それともそのまま婚姻関係を続けていくのか。周りが何を言ったとしても、結局は当事者間の関係性に行きつくのかなと思っています。
そもそも、お互いが出した結論について、他人が口を挟むべきではないでしょう。にもかかわらず、色々言う人は多いです。メディアで目にする表面的な情報から勝手に想像したり、お二人の関係性の変化を自分の物差しで測ったうえで、それを受け入れられない、受け入れたくないから、心無い言葉を投げかけているのかなと思います。他人なのにね。
これまでは超少数派だったため、批判の的にすらなっていなかった存在が、急に表面化してきたように感じます。先に書いた通り、SNSのコメント等はなるべく見ないようにしていますが、悪意のある批判はどうしても目についてしまいます。そしてそれを自分事の様に思ってしまい、疲弊してしまう私がいます。そして、どこかで私の事が晒されて非難されているのではないかと不安になることもあります。
この先もあの方たちは矢面に立たされていくのかなと思うと、いたたまれない気持ちになります。きっとそういうこともある程度は織り込み済みで公表しているんでしょう。当事者の私としては、頑張って欲しいなと思うばかりです。
私自身はこのブログを通して社会を変えたいとか、何かを発信しようと思っている訳ではありません。
「私はここに居るよ」
ただそれだけ。こんな人も居るんだなって思ってもらえたら、それだけで十分だと思っています。