昨日の記事が意外に「目からウロコです」的な反響をあちこち(ツイッターその他)で呼んでしまいました。

私が9路ででもこんなことを突っ込んで考えるようになった背景に、私自身の「目からウロコ」体験があるのです。


そういう体験が詰まっている本があって、それで数年前に文庫化・復刊の仕事をさせていただくことになったのですが、それが牛窪義高九段の「碁の戦術」「碁は戦略」という2冊です。


これは「碁は戦略」の中の テーマ2「厚みを生かす」。


ある程度、囲碁をやってられる方なら「厚みに近寄るな」という格言はご存知かと思います。

さて、下図の黒1~黒5の進行、どう思いますか。まぁ...「普通」ですよね??

$2000万人の囲碁

これに対して、牛窪九段は...黒も白も、黒▲の風速50Mのエネルギーをまったく意識していない! ということでした。白2はAに下ヅケするぐらいだし、黒3はこのエネルギーを全く生かしてないと。

(白2でAに下ヅケ...この時点でびっくりですよね。そんな手、あまり見たことない)


で、黒3はどう打つべきなのか。それが衝撃的で、それをみてから厚みの考え方がかなり変わりました。


その1つがこれ。

$2000万人の囲碁


たしかに....「厚みに近寄るな」だ...

ツケにはハネかヒキ...そんな常識をひっくり返すまで、厚みには鋭敏にならないといけないのか...

常識をひっくり返す...のところがピンとこない方は、先日書いたとっておきの秘伝 99%の四択という記事を読んでください。

まさにこれ、100回に1回、残りの1%というわけですよ




この本では、テーマ1の「戦う場所の問題」に書いてあった成り行きで戦ってはいけないという言葉も大きく私の囲碁の打ち方を変えてくれました。すなわち...

戦いには、ヨミも必要。手筋も大事。けれども一番大切なことは、戦う前の作戦、もっと具体的にいえば、どこで戦うか、その方針をはっきり決めることです。


ちょっと難しめの本(「碁の戦術」は上級~ 「碁は戦略」は有段~ ですかね??)ですが、囲碁についての考え方を根幹から変えてくれる可能性のある本です。何かのときにぜひ手にとってみてください。

碁の戦術

アタリに注意
ノゾキ
石の形
定石の運用
三線と四線
石の調子
手順
サバキ
軽く打つ
相手の石を重くする
利かした石
利き筋
利かし~そのタイミングと反発
取り方・取らせ方
先手と後手
手筋
応手を問う
手割り
スソあき
サガリとコスミツケ
肩ツキ

碁は戦略

テーマ1 戦う場所の問題
テーマ2 厚みを生かす
テーマ3 腰伸びをとがめる
テーマ4 攻めの要諦
テーマ5 攻即是守
テーマ6 息が切れる
テーマ7 一路の違い
テーマ8 大きな手とは?
テーマ9 切りかえ
テーマ10 部分と全体
テーマ11 タイミング
テーマ12 返し技
テーマ13 反発と気合い
テーマ14 打たずの戦術
テーマ15 相手を迷わせる
テーマ16 大模様の消し方
テーマ17 機略〈ハザマトビ〉
テーマ18 形勢判断
テーマ19 上達と勝利へのポイント


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