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ペア碁ワールドカップ2010

3月21、22日にペア碁の世界大会が中国で行われた。日本からは高尾紳路九段、梅沢由香里五段のペアと坂井秀至七段、石井茜初段のペアが出場した。優勝は中国の謝赫七段、宋容慧五段ペア。日本のペアは二組とも2回戦で敗退しベスト8どまりだった。トーナメント表はこちら


高尾九段梅沢五段石井初段 のブログには珍道中の模様がつづられている。高尾九段のブログに坂井七段が信じられないポカをしたと書いてあったので早速棋譜を確認してみた。



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坂井九段、石井初段ペアの白番。相手は韓国のペア。166手目まで打たれたところ。このまま何事もなく終局すると白が勝ちのようだ。


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そこで黒は1と二目を担ぎ出してきた。番号どおり黒9まで進み、ここが問題の場面。黒9でAにツグと即Bと切られて、下辺の黒は一眼しかないのでツブレ。



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坂井七段の打った手は白1のタケフ。これがおそらく問題の一手。Aと単につないでおけば、黒の二目のダメがつまるので右辺の一眼が確定し、右下の白が切り離されても単独で生きている。よって黒は△の数子と下辺の黒を同時に助けることができず白勝ち。
実戦は黒2と出られて困っているようだ。白は△の石たちを助け出されても負けなので、実戦進行はしかたないのだろう。黒10と打たれて右下の白がツブレ、やむなく投了となった。


たぶんこれであってると思うんですが、間違ってたら教えてください。


訂正:白9が決定的な大失着のようです。この手で右下を生きていれば△の数子を助けられても、白の勝ちはゆるがないようです。

小学生プロ棋士藤沢里菜

先日女流棋士特別採用試験で1位となり入段を決めた藤沢里菜新初段。小学5年生という若さでプロ試験を合格したため話題になった。僕も彼女を日本棋院で何度か見かけたことがあったので、このニュースを聞いたときはとても驚いた。数年前から有名で、いづれはプロになるのであろうと思っていたが、まさかこんなに早いとは思わなかった。


そんな藤沢里菜新初段のブログがすでに開設されていた。


「藤沢里菜の囲碁ブログ」 りなぽんワールド


ブログを見ると、かなりの数のメディアから取材を受けているようだ。小学生でありながら囲碁界に多大な貢献をしているといえる。また、文面からはいろいろな人に囲碁の楽しさを知ってもらいたいという思いが感じられる。


さまざまなプレッシャーはあるだろうが、それに負けずにがんばってほしい。将来は女流棋戦だけではなく、韓国の芮廼偉九段のように一般棋戦でも活躍できる棋士になることを期待したい。そして、彼女に憧れてプロ棋士を目指す子供が現れたり、趣味として囲碁をはじめようと思う人が増えるならば、それは大変喜ばしいことである。

詰め碁3

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黒先。3手目が重要。









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一見急所に見える黒1だが、白2以下が必然手順で万年コウ。これは失敗。



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黒1は正しいのだが、白2に対して黒3と打ってしまうと白4曲がられてコウ。これも失敗。



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白2に対しては黒3が盲点。白はオシツブシを回避するために4と打たなければならず、以下8までとなりセキで生きが正解。3と4の交換があるために、前図のように6手目で白7と曲がっても黒6とオサえて白は8の地点に入ることができない。