男の知っているはずで知らないこと
妻が私に話してくれたことは、非常に当たり前で知っているはずなのに、知らない(考えが及んでない)ことでした。
非常に当たり前なのですが、
基本的に生理は1ヶ月に1回です。
だから、年12回です。
だから、妊娠の機会は年12回しかありません。
その年12回について妊娠可能なのは数時間です。
その数時間に精子が卵子に辿り着いたとしても受精するかはまた別の話です。
受精したとしても着床するかは、また別です。
さらには妊娠が継続出来るかもまた別です。
というような事を伝えられました。
何かどこか全体としてはわかっていた話なのですが、まず、妊娠出産がこんなにも天文学的な確率である事を理解出来ていませんでした。
それぞれの確率を掛け合わせていったら最終的にどんな確率なのかと驚きました。
学校の保健体育で先生が「貴方たちが生まれてきた確率は本当に数万分の1の奇跡」と言っていたような気がしますが、本当にそんな確率だったんだと、どこか遠い国のお話が急に自分の身に降り掛かるような、驚きでした。
その頃妻は結婚から2年目で32歳でした。
私は35歳でした。
また、統計として35歳以降は妊娠率がどんどん下がる、と。
避妊に関する教育が行き届きすぎていて(?)、避妊しなければすぐ妊娠するようなイメージがありましたし、芸能人がもっと高齢で出産するニュースが溢れていたので、自分のイメージと現実の科学的、統計的根拠の乖離が凄すぎて、高低差で耳がキーンとなる感じでした。
だから、1回1回全力で望みたい。
決して若く、確率も落ちてきているので、それぞれに問題がないか調べたい。
なるほど。
これは只事は無い。
まずはタイミング療法から始めました。
この段階でもまだ自身の検査には及び腰だったという事です。本気に情けない限りです。
どこかで、タイミングを合わせたら妊娠に至ると思っていた、いや、思おうとしていた気がします。
天文学的確率だと思ったはずなのに。
都合良いバイアスにかかり、祈りにも似た希望を抱いてしまっていました。
仕事ならそんな状態のものは、まず上手くいかない。
ただ、同時に、ズルズル時間が過ぎるのは良くないとも思ってもいました。
この時はようやく天文学的な数字は理解してはいたのです。
その為、タイミング療法は期間を定めて、それでダメならしっかり検査を受けることを約束しました。
結果、タイミング療法はダメでした。