LE GAMIN AU VELO/THE KID WITH A BIKE | ignolife

LE GAMIN AU VELO/THE KID WITH A BIKE

―――  i g n o l i f e  ―――-1
「少年と自転車」★★★★★
(Belgiun/France/Italy, 2011, 87min/渋谷ル・シネマ)
Director&Writer:Jean-Pierre Dardenne、Luc Dardenne

「息子のまなざし」「ある子供」のダルデンヌ兄弟。
施設に預けられた少年が自分を捨てた父親を必死で探すなか、
一人の親切な女性に出会い心を開いていく、という物語。

こんな書き方をすると予定調和の臭みがプンプンする。
実際に物語の展開もだいたいご想像の通り。
しかし人物描写は唯一無二。
感情の抑制が利かなくなって暴れる少年の行動は『反抗』にもとれるが、
その全ての起因は誰かに対する『愛』。
ただ誰かを傷つけたり、興味本位で悪に手を染める、そんなどうでもいい挿話は一切なし。

愛されたことのない少年が、なぜこれほどまでに人を愛せるのか。
愛し方を知らない少年は見ていて痛々しくも愛おしい。
また里親役のサマンサが何とも気骨のある女性。
そのような描写は一切ないが、彼女が里親になる決意は強固なものだったとみてとれる。

“絆”や“愛”が云々の陳腐な台詞はない。
そんなもんは言語化した時点で嘘になるのかも。
最近読んだ「キッドナップ・ツアー」(著:角田光代)とシンクロした。

http://www.bitters.co.jp/jitensha/