NY市場サマリーのサマリー4/29():FRB据え置き受けドル上昇、利回り1カ月ぶり高水準、株まちまち

 

 

<為替>

FRBが政策金利の据え置きを決定したことを受け、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対し上昇した。円は対ドルで160円台に下落。過去に政府・日銀が円買い為替介入に踏み切った水準に再び近づき、警戒が高まっている。円は対ドルで0.49%安の160.40円、対ユーロで0.12%安の187.22円。日銀が28日の金融政策決定会合で金利据え置きを決定したものの、今後数カ月内の利上げの可能性が示唆されたにもかかわらず、円安が進行。市場関係者は、輸入エネルギー価格の上昇に対する日本の脆弱性が円安の一因になっていると指摘している。

 

ゴールドマン・サックスのアナリスト、カレン・フィッシュマン氏は「円相場は貿易加重ベースで1990年代初頭以来の低水準にあり、日本の財務省は米国との緊密な連携を強調するなど、円安に対するレトリックを強めている。こうした動きを受け、市場介入が差し迫っている可能性があると警戒感が高まっている」と。

 

FRBはFOMCで、FF金利誘導目標を3.503.75%に据え置くと決定。据え置きは3会合連続で、予想通りだった。ただ、決定は8対4。反対票を投じた4人のうち、ミラン理事が0.25%ポイントの利下げを主張したほか、クリーブランド地区連銀のハマック総裁、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁、ダラス地区連銀のローガン総裁は金利据え置き自体には賛成したものの、現時点で声明に緩和バイアスを盛り込むことは支持できないとして政策決定に反対した。

 

今回のFOMCで最も重要なのは、インフレを警戒すべきと考えている当局者が3人いることが明らかになった点だ。次期FRB議長に指名されているケビン・ウォーシュ氏はパウエル議長にかなり近い考えを持っており、ハト派になる可能性は低い。FRBは現在、景気刺激を検討している局面にはなく、むしろタカ派方向に傾いている。重要なのは、世界的に見て中央銀行の間でコンセンサスが欠けていることが結果としてドルの支援要因になっていることだ」と。

 

今週は日銀とFRBに続き、ECBとBOEが30日に政策決定会合を開く。加中銀はこの日に開いた会合で、政策金利を2.25%に据え置くと決定した。

 

ドル指数は0.35%高の98.93。ユーロ/ドルは0.35%安1.167ドル。英ポンド/ドルは0.36%安の1.347ドル。

 

<債券>

国債利回りが1カ月ぶりの高水準に上昇した。FRBがこの日まで開催したFOMCで、金利を据え置いたものの、インフレへの懸念の高まりを示唆したことが背景。また、原油価格の上昇も材料となった。FF金利先物市場では、今年中の利下げの可能性がほぼ排除された。また、2027年4月までに利上げが行われる可能性を約40%と見積もっている。政策発表前の約20%から上昇した。FRBの金利予想と連動して動く2年債利回りは8.4bp上昇し、3.928%となり、3月27日以来の高水準を付けた。10年債利回りは5.4bp上昇して4.408%となった。一時、これも3月27日以来の高水準となる4.432%に達した。2年債と10年債の利回り格差は約3bp平たん化し、47.5bpとなった。

 

米イラン交渉の停滞により、中東における長期的な供給途絶への懸念が深まり、原油価格が上昇したため、取引序盤から利回りは上昇していた。 物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、10年物が数年来の高水準となる2.489%に上昇した。

 

FRBは28─29日に開いたFOMCでFF金利誘導目標を3.50─3.75%に据え置くと決定した。ただ、決定は賛成8、反対4と、1992年10月6日以来、最も大きく意見が割れたほか、FOMC声明ではインフレへの懸念が強められた。ミラン理事以外にも3人の政策担当者が声明に反対意見を表明したことは、内部の意見対立が深まっていることを示している。

 

 

<株式>

値動きの荒い展開の中、まちまちで取引を終えた。原油価格の急騰やFRBの金利決定、引け後に発表された大手ハイテク4社の決算をにらむ展開となった。FRBは2829日に開いたFOMCで、政策金利の据え置きを決定したものの、当局者の間で1992年以来最も大きく意見が分かれた。

 

これに加え、中東情勢の混乱に伴うエネルギー価格上昇を巡る不透明感から、主要3指数は振れの大きい展開となった。トランプがイランの港湾に対する長期的な封鎖に備えるよう側近に指示したとの報道をホワイトハウスが確認したことを受けて、原油先物は急伸した。

 

「イランを巡る紛争が長引き、エネルギー価格が高止まりし、世界的な不透明感が続けば、消費行動に何らかの影響が及ぶとの見方が広がるだろう。それは次回の企業決算で何らかの形で表面化する」と。

 

AI関連のマグニフィセント・セブンのうち、アマゾン、アルファベット、メタ、マイクロソフトの4社が引け後に四半期決算を発表した。

 

引け後の時間外取引でアルファベットは3%超上昇したが、アマゾンとマイクロソフトは3%超下落、メタは6%超値下がりした。

 

フィラデルフィア半導体株指数は2.4%上昇。今年に入ってからの上昇率は45.0%となった。 S&P500の主要11セクターのうち、原油価格急騰の恩恵を受けたエネルギーが上げを主導。一方、公益事業と素材が下落率上位となった。

 

シーゲート・テクノロジーが好調な第4四半期見通しを示したことを受けてデータストレージ関連は上昇した。シーゲートは11.1%高、サンディスクは6.2%高、ウエスタン・デジタルは5.6%高。コーヒーチェーン大手スターバックスは通期利益見通しを引き上げ、8.5%上昇。クレジットカード大手ビザも通期利益見通しを引き上げ、8.3%高。 NXPセミコンダクターズは25.5%急騰。第2四半期の業績見通しが市場予想を上回った。

 

 

<金先物>

FRBが市場の予想通り金利を据え置いたほか、中東紛争に伴うインフレ懸念から続落し、約1カ月ぶりの安値を付けた。前日比1%安の4561.50ドル。

 

FRBは金利を据え置いたが、政策声明でインフレへの懸念が高まっていると指摘。1992年以来最も意見が分かれた決定となり、利下げバイアスを声明から削除すべきだとする3人の反対票が出た。

 

「緩和バイアスの削除を求めた3人の反対が金相場に下押し圧力をかけている」と。

 

市場では決定を受け、FRBが年内および2027年に入ってもしばらくは利下げしないとの見方が維持された。

 

 

<米原油先物>

 

米国とイランの交渉が膠着し、中東からの供給の混乱が長期化するとの懸念が強まる中で急伸し、数週間ぶりの高値で清算された。米WTI先物は前日比6.95ドル(7%)高の106.88ドルと、4月7日以来の高水準となった。

 

北海ブレント先物は8営業日続伸し、6.77ドル(6.1%)高の118.03ドルと、3月31日以来の高値で清算。清算後の取引ではさらに上昇し、2022年6月以来初めて120ドルに達した。

 

米政府データで原油・燃料在庫が予想以上に減少したことも相場を押し上げた。米エネルギー情報局(EIA)によると、前週の原油在庫は600万バレル超減少し、アナリスト予想の約20万バレル減を大幅に上回った。ガソリンと留出油の在庫も予想以上に減少し、夏の最需要期入りを控え燃料不足への懸念が高まった。また、ホワイトハウス当局者によると、トランプが米石油会社に対し、米国によるイラン港湾の数カ月に及ぶ可能性のある封鎖の影響を軽減する方策について打診した。

 

一方、投資家はアラブ首長国連邦(UAE)のOPEC脱退決定の影響も見極めている。アナリストは短期的な大きな影響は見込んでいないが、調査会社ウッドマッケンジーは、UAEの脱退はOPEC史上最も重大な亀裂で、2027年から原油価格の下落を招く供給過剰のリスクを高めると指摘した。