NY市場サマリーのサマリー 4/30():ドル対円で急落、利回り低下、主要3指数とも大幅高

 

<為替>

ドルが対円で急落した。政府・日銀が外国為替市場でドル売り/円買い介入を実施したとの報道を受けた。円が対ドルで2024年7月以来の安値を付けた後、当局が円買い介入を行ったと、事情に詳しい関係者2人がロイターに明らかにした。これを受け、ドルは対円で一時3%安の155.5円と、1日の下落幅としては2024年12月終盤以来の大きさとなった。直近では2.33%安の156.52円で推移している。これに先立ち、片山さつき財務相は、「いよいよ『断固たる措置』を取るタイミングが近づいてきた」と発言し、投機的な動きに「最後通告」を出していた。

 

 

「財務省が介入の可能性に言及していたことを踏まえれば、これはかなり明白だ。驚くべきことではないし、円はここ4週間ほど他の通貨とは全く異なる動きをしていた。介入に踏み切ったことは十分に理解できる」と。

 

ドル指数は0.80%安の98.06。2日続伸に終止符を打つ見込みとなった。ユーロは対ドルで0.51%高の1.173ドル。ECBはこの日の理事会で、予想通り金利を据え置きを決定した。ラガルド総裁は記者会見で、金利据え置きの最終決定は全会一致だったとした上で、利上げの可能性について政策当局者が「詳しく」議論したと明らかにした。

 

英ポンドは0.98%高の1.360ドル。BOEもこの日の会合で政策金利を据え置いた。イラン戦争が経済に与える影響に関するシナリオを提示した。

 

<債券>

国債利回りが低下した。市場では予想以上にタカ派的な姿勢が示されたFOMCの内容を消化する動きが続いている。FRBは前日まで2日間の日程で開いたFOMCで予想通りに金利据え置きを決定。ただ決定は賛成8、反対4と、1992年10月6日以来、最も大きく意見が割れたほか、FOMC声明ではインフレへの懸念が強められた。

 

この日発表の米経済指標では、第1四半期のGDP速報値が年率換算で前期比2.0%増加。伸びは予想を下回ったものの、2025年第4四半期の0.5%からは加速した。

 

このほか、3月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比3.5%上昇。伸びは2月の2.8%から加速し、2023年5月以来の大きさとなったことで、FRBは来年に入っても政策金利を据え置くとの見方が強まった。

 

「この日発表の米経済指標は強弱が入り交じる内容で、前回のFOMCと比べてややタカ派的な方向に傾いたFRBの姿勢が裏付けられた」と。

 

この日は原油価格が4年ぶりの高値に上昇した後、上げ幅を縮小。これに伴い、米国債利回りも水準を切り下げた。10年債利回りは2.8bp低下の4.388%。2年債利回り は4.9bp低下の3.883%。2年債と10年債の利回り格差は50bpと、約2bp拡大した。

 

<株式>

主要3指数がいずれも大幅高で取引を終えた。S&P500とナスダック総合は月間で数年ぶりの大幅な上昇率を記録した。企業決算が総じて堅調だったことが、市場を動揺させた石油供給ショックを相殺した。

 

この日は原油価格が下落したほか、経済指標が米国経済は引き続き健全なペースで成長していることを示したため、地政学的緊張がひとまず脇に置かれる形となった。取引が進むにつれ上昇に弾みがついた。

 

S&P500の月間上昇率は2020年11月以来、ナスダック総合は2020年4月以来、ダウは2024年11月以来の大きさとなった。

 

「経済指標の多くが投資家の不安を和らげた。それに加えて、多くの企業から非常に良好な決算が出ており、それが幅広い銘柄に広がっているのが今日の動きだ。市場の地合いと景気に変化が見られるまで、勢いは強気だ」と。

 

ダウが主要3指数の上げを主導した。一方、ナスダックは29日引け後に相次いで発表されたハイテク大手の決算を受け、上昇幅が抑制された。人工知能(AI)関連の超大型株マグニフィセント7のうちアルファベット、アマゾン、メタ、マイクロソフトの4社が29日引け後に決算を発表した。アルファベットはクラウド部門が四半期ベースで過去最高の成長率を記録し、株価は10.0%上昇。アマゾンは0.8%高となった。メタとマイクロソフトはAI関連支出への懸念を背景に、それぞれ8.7%、3.9%下落した。マグニフィセント7の一角、アップルもこの日の引け後に決算を発表した。

 

イーライリリーは、肥満症治療薬の需要が引き続き堅調なことを背景に通期利益見通しを上方修正し、株価は9.8%上昇した。キャタピラーは9.9%高となり、過去最高値を付けた。発電設備や建設機械の需要が好調で第1四半期決算が増益となったことが背景。

 

<金先物>

ドル安と原油価格の下落を背景に上昇した。前日比1.5%高の4629.60ドル。

「エネルギー価格の上昇が一服したことやドル安が金相場を支援しており、FRBの金利見通しに関心が集まっている」と。

 

この日は日本が約2年ぶりに円買い介入を実施したことを受けてドルが下落した。ドル安は、ドル以外の通貨保有者にとってドルで取引される金を割安にする。

 

シティのアナリストは、中東情勢の不透明感から短期的には金の売り圧力が続く可能性があるとしつつ、最終的には安全資産としての魅力を取り戻すと予想。今後3カ月の目標価格を4300ドル、6─12カ月の目標を5000ドルに据え置いた。

 

<米原油先物>

取引序盤に一時、1バレル=126ドルを超える4年ぶり高値を付けた後、上げ幅を縮小し、反落となった。米・イラン戦争が中東の供給途絶を長期化させ、世界経済に深刻な打撃を与える可能性があるとの懸念が意識された。北海ブレント先物が4.02ドル(3.41%)安の114.01ドル。一時126.41ドルと2022年3月9日以来の高値を付けた。米WTI先物は1.81ドル(1.69%)安の105.07ドル。一時110.93ドルと4月7日以来の高値を付けた。ただ、両指標はいずれも月間で4カ月連続の上昇となる見込みで、イラン紛争が今後数カ月にわたり世界の原油供給を圧迫しかねないとの懸念を映している。

 

トランプは、イランに対する軍事行動の可能性を巡る新たな計画について、30日に米中央軍のクーパー司令から説明を受ける予定だと、米当局者がロイターに語った。