NY市場サマリーのサマリー 6/8():ドル小幅安、利回りと株まちまち

ダウ -80(-0.16%)、ナスダック総合 +220(+0.86%)、米10年債利回り 4.568%VIX 18.92

<為替>

イランとイスラエルが相互の攻撃停止を表明したことを受け、ドルが小幅に下落したものの、約2カ月ぶりの高値圏で推移した。 イランとイスラエルは8日、トランプが両国に対し直ちに砲撃を停止するよう求めたことを受け、相互への攻撃を停止したと明らかにした。中東における緊張緩和の動きを受け、市場ではこの日、ドルから他の通貨に資金が戻る動きがみられた。これら通貨は、先週発表された堅調な米雇用統計を受けてFRBによる年内の利上げ観測が強まったことを背景に、下落していた。

 

市場はまた、FRBの今後の動きを探る手がかりとして、10日に発表される米CPIにも注目。

 

「今週の最大の注目イベントは、ECBの利上げと米CPIの発表」と。

 

ドル指数は0.07%安の100。円は対ドルで0.1%高の160.17円。中東紛争の急激なエスカレーションが市場を混乱させない限り、日銀は今月の金融政策決定会合で利上げを行う見通しだと関係筋がロイターに語った。

ユーロは対ドルで小幅高の1.153ドル。ただそれでも、約9週間ぶりの安値圏で推移している。 英ポンドは3週間ぶりの安値水準からやや持ち直し、1.339ドルとなった。

 

<債券>

国債利回りがまちまちの動きとなった。週内のインフレ指標に注目が集まる中、2年債利回りはFRBの年内利上げ観測を受けて5日に付けた15カ月ぶり高水準から小幅低下した一方、10年債利回りは上昇した。これまで、労働市場の軟化を巡る懸念が利上げの制約要因とみられていた中、先週5日発表の米雇用統計が市場予想を大きく上回る内容となったことを受け、FRBの利上げ観測が強まった。FF金利先物市場は現在、12月までにFRBが70%の確率で政策金利を引き上げるとの見方を織り込んでいる。

 

「国債利回り曲線の短期ゾーンには、既に利上げが織り込まれている。ただ、FRBがそこまで踏み切る段階に達していない」と。

 

ロイターがエコノミストを対象に実施した調査によると、10日発表の5月のCPIは、コア指数が前月比で4月の0.4%から0.3%に伸びが鈍化する一方、前年比では2.8%から2.9%に加速するとみられている。

 

「エネルギー価格の高騰が明らかな要因で、総合指標を押し上げ、目標から遠ざけているのは確かだが、エネルギー価格はいずれ急激に下落する局面が来ると思う」と。

 

金利動向に敏感な2年債利回りは0.9bp低下の4.153%。 10年債利回りは1.4bp上昇の4.55%。 2年債と10年債の利回り格差は39.4bpに拡大した。

 

 

<株式>

まちまちで取引を終えた。ナスダック総合や半導体株は上昇した。投資家が先週末の急落を受けて値ごろ感のある銘柄を物色したほか、イランとイスラエルが相互攻撃を停止したと表明したことで安心感が広がった。ダウは下落し、株式相場全体もこの日の高値から押し戻されて引けた。 S&P500の業種別では情報技術が1.5%高で上昇をけん引。フィラデルフィア半導体指数は5.6%急伸し、前週末の急落から反発した。半導体大手インテルは11.2%上昇。アルファベット傘下のグーグルがインテルに対し、AI処理に特化した半導体「TPU」を300万個超発注したと、ニュースサイトのジ・インフォメーションが報じたことが材料となった。

 

「きょうは投資家が大型ハイテク株の急落を受けて、やや値ごろ感を狙った買いを入れたようだ。そうした後に通常起きるのは、アナリストが出てきて買い推奨を改めて示すことだ。この市場はかなり長い間、完璧を前提とした価格付けがされてきたが、今は確かに完璧とは言えない状況だ。そうした環境では、ある程度の往来や、値動きが行き過ぎたのではないかという警戒感が出てくるだろう」と。

 

株式市場は最近一連の最高値を更新した後、前週末に急落した。半導体メーカー、ブロードコムのさえない決算を受け、半導体業界の成長が速すぎるとの懸念が高まったほか、予想を大きく上回った5月の雇用統計が一因となった。ブロードコムはこの日は2.8%反発した。アップル株は取引終盤に値がしぼみ、1.9%安で取引を終えた。同社はこの日、年次イベント「世界開発者会議(WWDC)」で、人工知能(AI)機能を組み込んだ新たな音声アシスタント「Siri AI」を発表した。

 

投資家は材料出尽くしによる売りで反応している可能性がある」と。

 

このほか、半導体メーカーのマーベル・テクノロジーが9.6%急伸。同社は6月22日の取引開始前にS&P500の構成銘柄に採用される。製薬大手イーライ・リリーは1.6%上昇。臨床試験結果で、次世代肥満症治療薬「レタトルチド」が減量効果や膝の痛みの緩和に加え、睡眠時無呼吸の重症度を抑制することが示された。

 

<金先物>

イスラエルとイランの即時停戦の可能性が浮上したことで、金相場は一時の安値から持ち直し、横ばいとなった。1オンス=4363.4ドル。

 

ドルは2カ月ぶり高値圏で推移し、他通貨建ての投資家にとって金の割高感が意識された。

 

シティは、中東情勢やエネルギー価格高止まりを背景に、FRBの年内利上げを見込んで、金の短期目標価格を1オンス=4000ドルに引き下げた。

 

 

<米原油先物>

取引序盤に5%超上昇したものの、その後上げ幅を縮め、北海ブレントが1ドル超高、米WTIが1ドル弱高で取引を終えた。北海ブレント先物が前営業日比1.16ドル(1.3%)高の94.25ドル。米WTI先物は0.76ドル(0.8%)高の91.30ドル。

 

イランとイスラエルは8日、トランプの呼びかけを受け、相互への攻撃を停止したと明らかにした。ただ、イランはイスラエルがレバノンで親イラン武装組織ヒズボラに対する攻撃を続ければ、攻撃を再開すると警告した。

 

原油先物は取引序盤、イスラエルによるイラン攻撃の再開とレバノンへの攻撃を受け、広範な戦争の早期収束への期待が後退し、5%超上昇していた。しかしその後、イランとイスラエルによる相互への攻撃停止の表明を受け、上げ幅を縮小した。