NY市場サマリーのサマリー 11/15(金):ドル下落、株価続落、利回り上昇

<為替>
ドルがやや下落した。市場では、FRBの将来的な利下げを巡る予想のほか、トランプ次期米大統領の政策がインフレ高進につながるとの見方を見直す動きが出ている。

ドル指数は終盤の取引で0.19%安の106.68。今週は約1.65%上昇し、週間ベースでの上昇としては9月以来の大きさとなった。

トランプ次期政権が導入する可能性がある関税措置などがインフレ高進につながり、FRBの利下げ余地が狭まると見方から、ドル相場はこのところ上昇。パウエルFRB議長が前日、米経済は「極めて良好」で労働市場の状況は底堅いとし、FRBは利下げを急ぐ必要はないとの見解を示したことも、来月以降の積極的な利下げ予想の後退につながった。

ドル/円は1.4%安の154.14円。今週は7月以来初めて156円を上回っていた。

ユーロ/ドルは1.0540ドルに上昇。今週は一時、2023年10月以来の安値を付けていた。

商務省がこの日に発表した10月の小売売上高は前月比0.4%増。自動車や電化製品の堅調な売り上げが追い風となり、伸びは市場予想の0.3%を上回った。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.64%高の9万0545.00ドル。イーサリアムは2.17%安の3051.30ドル。

<債券>
国債利回りが上昇した。小売売上高や輸入物価指数などの経済指標を受け、FRBが来月の会合で利下げを見送る可能性があるとの観測が台頭した。

10月の小売売上高は前月比0.4%増。自動車や電化製品の堅調な売り上げが追い風となり、伸びは予想の0.3%を上回った。9月は当初の0.4%増から0.8%増に上方改定された。

10月の米輸入物価指数は前月比0.3%上昇した。予想は0.1%下落。予想外の上昇となり、インフレ抑制が進展していないことが改めて示唆された。

LSEGによると、12月の会合で0.25%ポイントの利下げが決定される確率は61%と、前日の63.2%から低下。一方、利下げが見送られる確率は39%と、37%から上昇した。

10年債利回りは4.429%。一時は4.505%と、5カ月半ぶりの高水準を付けた。週初からは10bp上昇した。

30年債利回りは2.7bp上昇の4.611%。

2年債利回りは4.305%にやや上昇。一時は4.379%と、7月終盤以来の高水準を付けた。週初からは4.9bp上昇。2年債と10年債の利回り格差は13.1bpに拡大した。

<株式>
続落して取引を終えた。S&P500とナスダック総合は、1日としてはここ2週間で最大の下げを記録した。FRBのパウエル議長が利下げペースの鈍化を示唆したほか、トランプ次期米大統領による閣僚人事に反応した。

パウエルFRB議長は14日、経済情勢は「極めて良好」で労働市場の状況は底堅いとし、FRBは利下げを急ぐ必要はないという見解を示した。

CMEのフェドウオッチによると、市場ではFRBが12月のFOMCで金利を据え置くとの見方が強まり、その確率は約42%。1カ月前時点では約14%だった。2025年の利下げ期待も後退した。

米商務省がこの日発表した10月の小売売上高が前月比0.4%増加したことも、この見方を強める材料となった。

週足ではS&Pが2.08%、ナスダックが3.15%、ダウが1.24%、それぞれ下落した。

ラッセル2000指数は1.4%安。4営業日続落となった。

情報技術は2.5%安。S&P500の11セクターの中で下げが一番きつかった。

半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズは9.2%安。第1四半期(2024年11月─25年1月)の売上高が市場予想に届かないとの見通しを示したことが売り材料視された。

フィラデルフィアSE半導体株指数は3.4%安となった。

製薬大手モデルナは7.3%、ファイザーは4.7%それぞれ下落。これが重しとなり、ヘルスケアは1.88%安となった。

トランプ氏は14日、新政権の厚生長官にワクチン懐疑派として知られるロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表した。

主要消費財も0.8%安。飲料メーカーのモンスター・ビバレッジが7%、北米最大のフライドポテトメーカー、ラム・ウェストンが6%、米大手飲料メーカー、キューリグ・ドクター・ペッパーが5%それぞれ下げた。

株式投資家の不安心理の度合いを示すCBOEのVIX指数は取引終盤で16.14。序盤には、5日の大統領選以来の高水準となる17.55を付けた。

<金先物>
堅調な米小売売上高などを受け、米利下げペースの鈍化に警戒感が強まったこと から売られ、6営業日続落した。前日比2.80ドル(0.11%)安の2570.10ドル。9月中旬以来、2カ月ぶりの安値水準。週間では4.63%安となった。

米商務省が15日発表した10月の小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想の0.3%増を上回った。堅調な消費動向を受けて、FRBによる利下げペースが鈍るとの見方が改めて広がり、金の上値を抑えた。 パウエルFRB議長は前日、米景気について「極めて好調で、世界の主要国の中でずばぬけて良い」と分析。今後の政策金利については「指標と経済見通し次第」と強調した一方で、利下げを急ぐ必要はないと明言した。発言は前日の清算値算出後に伝わり、この日の相場の圧迫要因となった。ただ、2カ月ぶりの安値水準で推移していることから安値拾いの買いも入り、下値は限定的となった。外国為替市場では対主要通貨でドル高基調が一服。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、金相場を支えた面もあった。

<米原油先物>
中国など世界の石油需要の先行きに懸念が広がり、4日ぶりに反落した。WTIは前日比1.68ドル(2.45%)安の67.02ドルと、9月上旬以来約2カ月ぶりの安値を付けた。週間では4.77%安。

中国国家統計局が15日発表した10月の鉱工業生産は前年同月比5.3%増と、伸びが前月(5.4%増)から減速したほか、市場予想(5.6%増)を下回った。10月の同国石油精製量も4.6%減と低調な内容となった。これを受け、エネルギー消費大国である中国の需要減退への警戒感が高まり、原油は売りが優勢となった。

世界的な石油需要懸念のほか、パウエル議長が前日に「利下げを急ぐ必要はない」と発言したことを背景に、FRBによる利下げペースが想定よりも緩やかになるとの見方も引き続き相場を圧迫した。

 

 

 

 

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