NY市場サマリーのサマリー 9/4():ドル下落、利回り低下、株まちまち

ダウ +38(+0.09%)、ナスダック総合 -52(-0.30%)、米10年債利回り 3.759%VIX 21.32

 

<為替>

ドルが主要通貨の大半に対して下落した。7月の米求人件数で労働市場の軟化が示唆され、FRBが50bpの大幅利下げに動く可能性があるという観測が高まった。

 

この日発表された7月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が237k件減の767万3000件と、3年半ぶりの低水準となった。

 

ドル指数は0.3%安の101.4。こうした中、米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、雇用に過度の悪影響を与える恐れがあるため、FRBは高金利をこれ以上長く維持すべきではないとの見解を示した。

 

世界の金融市場での高リスク資産を回避する動きから、ドルは対円で1%安の144.07円と、1週間ぶりの安値を付けた。

 

「株式市場の不安定化と米債利回りの低下を背景に、円は堅調に推移している」と。 ユーロは0.2%高の1.1070ドルと、序盤の小幅な下落から切り返した。

 

加ドルは米ドルに対して0.3%上昇。BOC(中銀)はこの日、政策金利を25bp引き下げ、4.25%とした。マックレム総裁は予想より弱い成長によりインフレ率が急速に低下する可能性があると懸念を表明した。

 

英ポンドは0.2%高の1.3138ドル。

 

<債券>

国債利回りが低下し、金利動向に敏感な2年債利回りは15カ月ぶりの水準を付けた。4日発表された7月の米雇用動態調査(JOLTS)で、求人件数が3年半ぶりの低水準となったことに反応した。

 

注目される2・10年債利回り格差は一時、8月5日以来初めてプラスに転じた。 市場では、FRBが9月の会合で25bp、もしくは50bpの利下げを決定する鍵を握る可能性があるとして、6日発表の米雇用統計が注目される。

 

「雇用統計は今やインフレよりも短期的な政策期待に対する最大のリスクとなっている」と。 JOLTSの求人件数は237k件減の767万3000件で、エコノミスト予想の810万件を下回った。

 

CMEのフェドウオッチによると、市場では9月の50bp利下げの確率が43%と、統計発表前の39%から上昇した。25bp利下げの確率は57%。

 

「経済がなお堅調に推移していることを考慮すると、市場はJOLTSに過剰反応した可能性がある」と。

 

2年債利回りは10.5bp低下の3.783%。一時、2023年5月以来の低水準となる3.772%を付けた。10年債利回りは6.6bp低下の3.778%。一時3.767%と、8月20日以来の低水準を付けた。 2・10年債利回り格差は一時0.60bpのプラスに転じた。その後はマイナス0.70bpとなった。

 

<株式>

不安定な取引の中、まちまちで引けた。この日発表された雇用動態調査(JOLTS)やFRB当局者の発言が材料となった。

7月のJOLTSは求人件数が3年半ぶりの低水準となり、労働市場の逼迫緩和が続いていることを示唆。FRBが今月下旬の次回会合で利下げを開始する可能性が高まった。

 

S&P500とナスダック総合は小幅安、ダウは小幅高で引けた。S&P主要11セクターでは6セクターが下落。エネルギーや情報技術の下げが目立った。公益事業や主要消費財は堅調だった。

前日に時価総額が2790億ドル減と大幅な落ち込みを記録した半導体大手エヌビディアはこの日は1.7%下落。取引終了直前に同社は、米司法省から召喚状を受け取ったという報道を否定した。

 

その他の大型グロース(成長)株も売られ、アップルは0.9%安、マイクロソフトは0.1%安。アルファベットは0.5%、アマゾンは1.7%それぞれ下落した。テスラは4.2%上昇した。

 

「公益事業株がきょう上昇したのは雇用データが軟調となり、FRBが約2週間後の会合で、少なくとも25bpの利下げを実施するとの見方が強まったことが背景にある」と。

 

フィラデルフィア半導体指数は0.25%上昇。前日の大幅安から反発した。

半導体大手AMDは3%近く上昇。エヌビディアの元幹部をグローバルAI(人工知能)市場担当上級副社長に起用した。

ディスカウント小売りのダラー・ツリーは22%の大幅安。通年の売上高・利益の見通しを下方修正したことが嫌気された。

 

<金先物>

米長期金利の低下や対ユーロでのドル安を背景に3営業日ぶりに反発した。前日比3.00ドル(0.12%)高の2526.00ドル。

 

<米原油先物>

世界的な需要懸念が強まる中、売り圧力が加速し、3営業日続落した。WTIは、前日比1.14ドル(1.62%)安の69.20ドル。2023年6月下旬以来、約1年2カ月ぶりの安値を付けた。

 

 

 

 

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