NY市場サマリーのサマリー 8/22():利回り上昇、ドル回復、株反落、ジャクソンホール会議に注目

ダウ -177(-0.43%)、米10年債利回り 3.857%VIX 17.55

 

<為替>

このところのドル安は過度なものだったとの認識が広がる中、ドルが対ユーロなどで上昇した。市場ではパウエル議長が23日に行う講演が注目されている。米経済が弱含んでいるとの懸念が高まる中、利下げ観測を背景に、ドルはこのところ下落基調にあった。ただ、米経済がどの程度弱いのか、また、それに応じてFRBが9月の会合で通常より幅が大きい0.50%ポイントの利下げに踏み切るかは、現時点でも判断が分かれている。

 

「ドルはこのところ大きな圧力にさらされていたため、現在は過度に売られた状態になりつつある。欧州と英国でも利下げ観測が出ていることを踏まえると、ユーロや英ポンドに対するドルの下落は行き過ぎている可能性がある。FRBECBBOEの金融緩和サイクルは似たようなものになる」と。

 

CMEのフェドウオッチによると、FRBが来月の会合で決定すると予想される利下げの幅が0.25%ポイントになる確率は75%、0.50%ポイントになる確率は25%。 FRBの9月の利下げ幅のほか、その後の金融政策の行方を巡る手がかりを得ようと、市場ではパウエル議長が23日に経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で行う講演が注目されている。

 

ジャクソンホール会議に関連してこの日はFRB当局者の発言が相次ぎ、フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が、経済指標が予想通りなら9月の利下げを支持するとの見解を表明するなどした。

 

ドル指数は0.38%高の101.50。 ユーロ/ドルは0.36%安の1.111ドル。 英ポンド/ドルは0.02%高の1.3093ドル。 ドル/円は0.65%高の146.2円。

 

<債券>

国債利回りが前日の2週間ぶりの低水準から回復した。23日に予定される「ジャクソンホール会議」でのパウエル議長の講演を控え、買いに一服感が見られた。

 

22日に発表された新規失業保険申請件数や総合購買担当者景気指数(PMI)などの米指標は引き続き経済の減速を示唆し、FRBが来月から利下げを開始するとの見方を裏付けているものの、このところの経済データからはリセッション(景気後退)の兆候は示されていない。

 

フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁はこの日、経済指標が予想通りとなれば、9月の利下げを支持するという見解を示した。

 

終盤の取引で、指標となる10年債利回りは8.6bp上昇の3.861%となった。 2年債利回りは8.6bp上昇の4.009%。

朝方発表された8月のユーロ圏総合PMIが市場の悪化予想に反して上昇したことでユーロ圏利回りは小幅上昇。米債利回りもこれに追随する形となった。

 

財務省がこの日実施した80億ドルの30年物インフレ連動債(TIPS)入札は最高落札利回りが2.055%と、入札締め切りの時点で予想されていた2.045%を上回った。応札倍率は2.61倍。 既発30年物TIPS利回りは5.6bp上昇し2.019%となった。

 

<株式>

反落。ハイテク株が売られ、相場を圧迫した。世界の中銀当局者らが集うジャクソンホール会議に注目が集まっている。

超大型7銘柄「マグニフィセント・セブン」がハイテク株中心のナスダック総合を押し下げた。

「この売りを促している明確な材料はないようだ。来週のエヌビディア決算を控えたポジション調整や、ジャクソンホール会議での23日のパウエル講演を控えたリスク回避の動きかもしれない」と。

 

個別銘柄ではクラウド上でデータ管理・分析を手掛けるスノーフレークが14.7%急落。通期の製品売上高見通しを上方修正したものの、利益率見通しを据え置いたことが嫌気された。 ビデオ会議サービスの米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは13.0%急伸。通期の売上高見通しを引き上げた。

 

<金先物>

対ユーロでのドル高に伴う割高感から売りが台頭し、続落した。前日比30.80ドル(1.21%)安の2516.70ドル。

 

<米原油先物>

前日の下落を受けた安値拾いの買いが優勢となり、反発した。WTIは前日比1.08ドル(1.50%)高の73.01ドルだった。

 

 

 

 

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