NY市場サマリーのサマリー 8/5():円が急騰、利回り一時1年ぶり低水準、株は大幅続落

ダウ -1033(-%)、ナスダック総合 -576(-%)、米10年債利回り 3.798%VIX 38.57   

8/5(月) 日経平均株価 -4451(-12.4%)史上最大の下落幅を記録

 

<為替>

円が7カ月ぶりの高値に急騰した。一方、ドルは幅広く下落。先週発表された一連の経済指標により、米国の景気減速とFRBによる大幅利下げ観測が高まった。

ドル指数は、0.46%安の102.68。一時、1月12日以来の安値となる102.15まで下げた。

ドルは対円で2.04%安の143.5円と、年初来安値に迫った。

ユーロは0.37%高の1.095ドル。一時、1月2日以来の高値となる1.1009ドルまで上昇した。

予想を下回る米雇用統計や米テクノロジー大手の低調な業績見通しなどを背景に、ここ1週間で株式、原油、高利回り通貨の売りが世界的に広がっている。

「2日の雇用統計は世界経済に幾分の衝撃を与えた。市場は米国がもはや世界経済成長の牽引役を果たせないのではないかと懸念している」と。

フェドウォッチによると、FF金利先物市場では、FRBが9月の次回会合で50bpの利下げを実施する確率はほぼ100%と織り込んでいる。

キャリートレードの資金調達通貨として利用されやすいスイスフランは0.83%高の0.85フランと、7カ月ぶりの高値付近で取引された。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは、15.11%安の5万3094ドル。イーサは21.25%安の2374.70ドルと、いずれも数カ月ぶりの安値に急落した。

 

<債券>

序盤に国債利回りが一時1年ぶりの低水準を付けた。ただ、この日発表された指標で米国経済に対する楽観的な見方が広がり、利回りの急低下基調は一服した。

米供給管理協会(ISM)が5日に発表した7月の非製造業総合指数(PMI)が上昇したことを受け、市場は落ち着きを取り戻した。

米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁が、米雇用統計は予想より低調だったものの景気後退(リセッション)には陥っていないとの見解を示したことも利回り反転の材料となった。

FF金利先物市場では現在、FRBが次回9月のFOMCで50bpの利下げを実施する可能性を86%、25bpの利下げを実施する可能性を14%とみている。

CMEグループのフェドウォッチによると、50bpの利下げは5日の早い段階で完全に織り込まれており、75bpの利下げもあり得るとみる向きもある。9月以前の緊急利下げの可能性も視野に入れ始めていた。

金利に敏感な2年債利回りは、一時2023年4月以来の低水準となる3.654%まで低下した。終盤は1bp上昇し3.883%となった。

10年債利回りも一時2023年6月以来の低水準となる3.667%を記録した。終盤は2bp低下の3.777%となった。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス11bp。序盤の市場で一時1.50bpのプラスとなる場面があった。プラスに転じたのは2022年7月以来。

 

<株式>

大幅続落して取引を終えた。米国の景気後退懸念が世界市場を動揺させ、投資家がリスク資産から逃避した。

アップルが大幅安。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイがアップル株の保有規模を半減させたことが材料視された。

主要株価3指数はいずれも3営業日続落し、3日間の下落率は2022年6月以来の大きさとなった。ナスダック総合とS&P500は終値で5月上旬以来の安値を付けた。

雇用統計など先週発表された指標が軟調となり、米景気後退懸念からリスク回避の動きが世界的に強まっている。 アップルは4.8%安。エヌビディア、マイクロソフト、アルファベットも軒並み下落。S&P主要11セクターも情報技術主導で全てがマイナス圏で引けた。 投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX)は2020年10月28日以来の高水準を記録した。 シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は5日、雇用統計は予想より低調だったものの景気後退には陥っていないとの見解を示した。一方で、FRB当局者は環境の変化を認識し、政策金利が過度に制約的にならないようにする必要があるとした。

「FRBの政策を巡る懸念がきょうも続いて売りが出た。雇用統計を受け、FRBは労働市場の状況に対してより積極的に対応する必要があるという見方が強まった」と。

 

この日は7月の非製造業総合指数(PMI)が前月の4年ぶり低水準から改善したことを受け、午前終盤に主要指数は下げ幅を縮小した。

CMEのフェドウオッチによると、市場ではFRBが次回9月の会合で50bpの利下げを実施する確率が86%織り込まれている。25bpの利下げ確率は14%。 今年の主要指数の上昇を牽引してきた超大型7銘柄「マグニフィセント・セブン」がこのところ、大量の売りを浴びている。

 「プリングルズ」などを手がける菓子大手ケラノバは16.2%の大幅高となった。同業マースが買収を検討しているとロイターが報じた。

 

<金先物>

米景気減速懸念が市場を覆う中、利益確定の売りや換金売りなどに押され、続落した。前週末比25.40ドル(1.03%)安の2444.40ドルと、7月下旬以来約1週間ぶりの安値となった。

金相場は今年に入り、約15%超上昇しており、この日の激しい値動きには、調整的な売りも加わったとの指摘もあった。

 

<米原油先物>

米景気後退に伴うエネルギー需要の鈍化懸念を背景に3営業日続落した。WTIは前週末比0.58ドル (0.79%)安の72.94ドル。

 

 

 

 

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