NY市場サマリーのサマリー 5/31():ダウとS&P500上昇、ドル下落、利回りは低下

 ダウ +574(+1.51%)、ナスダック総合 -2(-0.01%)、米10年債利回り 4.502%VIX 12.92

 

<為替>

ドルが下落し、年初来初の月次での下落基調が示唆された。4月の個人消費支出(PCE)価格指数の伸びは横這いとなり、FRBによる利下げ時期についての不透明感を払拭するものではなかった。

米商務省が発表した4月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前月比で0.3%上昇し、ロイター調査によるエコノミスト予想と一致した。

 

主要通貨に対するドル指数は0.12%安の104.64。

FRBは2022年3月以来、インフレ抑制のために525bpの利上げを実施している。市場は当初、年内の利下げが3月に実施されるとの見方を織り込んでいたが、その後6月からさらに9月に後ずれしている。

一方、EU統計局が発表した5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率は前年比2.6%と、4月と3月の2.4%から加速した。これを受けて、ユーロは小幅上昇した。

 

ユーロは0.13%高の1.0847ドル。今週はフランス、ドイツ、スペイン各国のインフレ指標が発表されたが、ECBが来週の理事会で利下げを行うという市場の見方は変わっていない。

 

ドル/円は0.24%高の157.210円。財務省は、4月26日から5月29日までに総額9兆7885億円の為替介入を実施したことを発表した。

 

<債券>

国債利回りが低下した。4月のインフレ指標が予想通りに安定化したことで、FRBの年内利下げ計画に変わりはないとの見方が広がった。

コアPCEの伸びが加速しなかったのは正しい方向への一歩だ。ただ、これだけでは十分ではない」と。

 

他の経済指標では、5月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が35.4と、約4年ぶりの水準に低下。予想の41.0を大きく下回った。これを受け、米国債利回りは一段と低下した。

 

PCE価格指数とシカゴPMIの発表を受け、金利先物が織り込む9月利下げの確率は55.3%にやや上昇。 週初は50%をやや下回っていた。

終盤の取引で10年債利回りは4.6bp低下の4.508%。月間ベースでは17.6bp低下した。

2年債利回りは1.7bp低下の4.912%。月初からは15.9bp低下した。

月間ベースの低下幅は、2年債、10年債がそろって昨年12月以来の大きさとなる。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス37.9bp。前日はマイナス38.3bpだった。

 

<株式>

ダウとS&P500が上昇して引けた。月末特有の買いが入ったこともあり、ダウは1.51%上昇。昨年11月以来最大の上昇率となった。

週間ベースではS&Pとナスダック総合が共に6週間ぶりに下落。市場ではFRBが利下げに着手する時期を探る動きが続いている。

個別銘柄では、デル・テクノロジーズが17.9%安。前日発表の第2四半期(57月)の利益見通しは市場予想を下回った。

クラウドセキュリティーサービスのゼットスケーラーは8.5%上昇。第4四半期決算見通しが予想を上回った。

カジュアル衣料品大手ギャップは28.6%高。第1四半期決算が市場予想を上回ったことに加え、年間売上高見通しを上方修正したことで買われた。

トランプ前米大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは5.3%安。トランプ氏が不倫口止め料を不正に会計処理したとされる事件で、ニューヨーク州地裁の陪審員が前日、トランプ氏に有罪の評決を下したことが嫌気された。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.94対1の比率で上回った。ナスダックでも1.51対1で値上がり銘柄が多かった。

 

<金先物>

インフレ指標が予想の範囲内だったことを受けて一時買われたものの、その後は 利益確定売りに押され、反落した。前日比20.70ドル(0.87%)安の2345.80ドル。週間では0.48%高。月間では1.86%高となった。

 

<米原油先物>

OPEC加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の閣僚級会合を前にした警戒感から、3日続落した。WTIは前日比0.92ドル(1.18%)安の76.99ドルだった。OPECプラスは6月2日、オンライン形式で閣僚級会合を開く。現行の自主減産方針 が維持される公算が大きいものの、主要産油国の今後の生産方針を巡る協議を前にした警戒感から売りが優勢となった。

 

 

 

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