NY市場サマリーのサマリー 5/29():ドル上昇、利回り約1カ月ぶり高水準、株下落

ダウ -411(-1.06%)、米10年債利回り 4.619%VIX 14.28

 

<為替>

ドルが上昇した。週後半に発表される主要インフレ指標を前に、米国債利回りが上昇したことを受けた。対円でも上昇した。

ドル/円は0.3%高の157.665円。一時、157.715円と4月末から5月上旬の為替介入観測が広がった時期の水準に近づいた。

 

「日本円を除く大半の外国通貨は4月中旬以降、対米ドルで上昇している。この動きは終わったと考えている。今後はドルの反発を期待すべきだ」と。

 

主要通貨に対するドル指数は0.43%高の105.11。

市場では、FRBがインフレ指標として重視する31日発表の個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。

豪ドルは0.47%安の0.6618米ドル。豪統計局が発表した4月のCPI上昇率は前年比3.6%と3月の3.5%から予想外に加速し、5カ月ぶりの高水準となった。

 

ユーロはポンドに対して約2年ぶりの安値に下落し、1ユーロ=84.84ペンスを付けた。

ユーロ/ドルは0.49%安の1.0804ドル。

ポンドは2カ月ぶりの高値から一転し、1.2702ドルまで下落した。

 

<債券>

国債利回りが約4週間ぶりの水準に上昇した。FRB当局者から利下げ時期を巡る慎重な発言が相次いでいることに加え、前日の2年債と5年債の入札に続き、この日の7年債入札も低調だったことが利回り上昇につながった。

 

FRBの金融政策を巡っては、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が前日にCNBCのインタビューに対し、利下げを実施する前にインフレが著しく改善するのを待つべきとの考えを示した。

カシュカリ総裁のこうした発言は、ウォラー理事を含む他のFRB当局者に同調するもの。

 

「FRB当局者の一連の発言を受け、FRBは今後極めて慎重になっていくとの見方が強まった」と。

 

財務省が実施した440億ドルの7年債入札は、最高落札利回りが4.65%と、入札前取引を上回った。応札倍率は2.43倍。前月の入札の2.48倍のほか、平均の2.55倍を下回った。

 

「長短利回り逆転(逆イールド)の動きに関連したテクニカルなもの。入札は低調だったがそれほど重要なことではない」と。

 

終盤の取引で10年債利回りは7.2bp上昇の4.613%。一時は4.638%と、5月1日以来の高水準を付けた。

 

2年債利回りは2bp上昇の4.976%。一時は5%と、4週間ぶりの高水準を付けた。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス36.3bp。一時はマイナス35.8bpに縮小した。

 

<株式>

下落して取引を終えた。米国債利回りが一段と上昇し、FRBによる利下げの時期や規模が懸念された。

ダウは1%超下落して約1カ月ぶりの安値を記録。S&P500の主要セクターは全て下落し、金利に敏感な公益事業株などの下げがきつかった。

米債券市場では前日の2年債と5年債の入札に続き、この日の7年債入札も低調となり、国債利回りが約4週間ぶりの水準に上昇した。

 

根強いインフレやFRB当局者のタカ派的な発言を受けて年内の利下げ観測が後退しており、CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む利下げは11月か12月までに1回のみとなっている。年初時点では複数回だった。

FRBは29日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、経済活動は4月初旬から5月中旬にかけて拡大を続けたとの認識を示した。ただ、業界や地域によって状況はまちまちになっているとした。

今週はFRBが物価目標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数の4月データ(31日発表)が注目される。

マラソン・オイルは8.4%上昇。コノコ・フィリップスが同社を225億ドル規模の株式交換で買収すると発表した。コノコは3.1%下落。エネルギーセクターは1.8%安。

アメリカン航空は第2四半期の利益見通しを引き下げ、株価が13.5%の大幅安となった。他の航空株も売られた。

年間の売上高伸び率予想を引き上げたアパレル小売りのアバクロンビー・アンド・フィッチ

は24.3%急伸した。

 

<金先物>ドル高や米長期金利の上昇を背景に売りが優勢となり、反落した。前日比15.30ドル(0.65%)安の2341.20ドル。

相場は一時2330ドル台まで下落したが、下値では押し目買いが入り、あと下げ幅は縮小した。

 

<米原油先物>

米長期金利の上昇が投資家心理を冷やし、3営業日ぶりに反落した。WTIは、前日比0.60ドル(0.75%)安の79.23ドル。

 

 

 

 

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