NY市場サマリーのサマリー 5/28():ドル上昇、利回り上昇、ナスダックが初の17000突破

ダウ -216(-0.55%)、米10年債利回り 4.557%VIX 12.92

 

<為替>

ドルが序盤の下げから切り返し上昇に転じた。米債入札が軟調な結果となり米債利回りが4週間ぶりの高水準を付けたことを受けた。米財務省が実施した2年債と5年債の入札は需要が低調となった。「軟調な入札結果を受けた米債利回りの上昇にドルが追随した」と。

 

また、コンファレンス・ボード(CB)が発表した5月の米消費者信頼感指数は102.0と、予想に反し4カ月ぶりに上昇。「消費者信頼感指数の改善は、より堅調な成長を示唆している」と。

 

米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は、FRBは利下げする前にインフレが著しく改善するのを待つべきとの考えを示し、インフレ率がさらに低下しなければ、FRBは利上げに踏み切る可能性もあると述べた。

 

市場では、31日発表の個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。

 

ドル指数は0.03%高。ユーロは0.01%高。ポンドは0.05%安。

 

29日発表のドイツCPI、31日発表のユーロ圏消費者物価指数(HICP)は、ECBによる利下げ時期を見極める手掛かりとして注視される。

 

ドル/円は0.18%高の157.15円。日銀が発表した4月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標は、前年同月比の伸び率が3指標そろって2%を下回った。

 

<債券>

国債利回りが上昇した。この日行われた2年債と5年債の入札が低調な結果となり、米国債の需要に対する疑念が高まった。

投資家はまた、FRBの緩和ペースと時期を巡る不確実性を示唆する経済指標を消化した。

この日は新発2年債690億ドルと5年債700億ドルの入札が行われ、市場は大量供給に直面した。この日、財務省が供給した債券は合計2970億ドルとなった。

 

今週の入札総額は6000億ドルを超える。

データによると、2年債券入札は不調に終わり、入札後の利回りは5月第1週以来の高水準を記録した。2年債入札の最高落札利回りは4.917%で、入札締め切りの時点で予想されていた水準を上回った。

 

5年債入札もほぼ同じく低調な結果となった。最高落札利回りは4.553%と予想より高かった。応札倍率は2.30倍と、前回の2.47倍を下回り、2022年9月以来の低水準となった。

 

午後の取引では、指標となる10年債利回りは6.5bp上昇し、4.538%となった。一時4.546%まで上昇し、5月3日以来の高水準を付けていた。

 

2年債利回りは1.9bp上昇の4.972%。一時、約4週間ぶりの高水準となる4.981%まで上昇した。2年債と10年債の利回り格差はマイナス43.8bpだった。

 

LSEGの金利確率アプリによると、この日発表された住宅価格指数と消費者信頼感指数を受けて、FF金利先物市場が織り込む利下げ回数は25bpが年内に1回となった。開始は11月とみられている。

 

<株式>

ナスダック総合が初めて1万7000を突破した。米半導体大手エヌビディアの上昇が寄与した。一方、米債利回りが上昇する中、S&P500は小幅高、ダウは小幅安となった。

エヌビディアは7%上昇。他の半導体株も連れ高となった。フィラデルフィア半導体指数は1.9%高。

米国債市場で入札がさえず利回りが上昇する中、米株市場は午後に下げ足を速めた。

「入札が低調な結果となり国債利回りが上昇し、株式市場がネガティブに反応した。市場は、利回りが上昇して経済を圧迫しFRBの利下げ見通しに影響を与えることを望んでいない」と。

 

今週はダラー・ゼネラル、アドバンス・オート・パーツ、ベストバイなど複数の小売り企業の決算発表も予定されており注目される。

アップルは4月の中国でのiPhone販売台数が前年同月比52%増加。これを受けて株価は一時上昇したが、終盤に上げ幅を縮小しほぼ横這いで引けた。

ゲーム販売のゲームストップは約25%急伸。同社は24日、4500万株を売却し9億3300万ドルを調達したと発表した。

石油大手ヘスは28日開催した株主総会で同業シェブロンよる530億ドルでの買収案が承認されたと発表。株価が0.4%上昇した。シェブロンは0.8%高。エクソンモービルも1.3%上昇した。

 

<金先物>

対ユーロでのドル安を背景に、5営業日ぶりに反発した。前週末比22.00ドル(0.94%)高の2356.50ドル。

この日の外国為替市場では、ドル安・ユーロ高が優勢。ドル建てで取引される金の割安感に着目した買いが入った。

 

<米原油先物>

対ユーロでのドル安や需給引き締まり観測などを背景に買われ、続伸した。WTIは前週末比2.11ドル(2.71%)高の79.83ドルだった。

 

外国為替市場ではドルが対ユーロで下落。ドル建てで取引される商品に割安感が生じ、買いが先行した。また、6月2日に予定されるOPEC加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の閣僚級会合で、現行の自主減産量が維持されるとの観測も相場の支援材料となった。

相場は前週に2.92%下落しており、安値を狙った買いや持ち高調整の買いも入りやすかったもようだ。

 

 

 

 

『イギリスの古いもの』は、無料 ダウンロード サービス中