NY市場サマリーのサマリー 5/15():米国株最高値更新、ドル下落、利回り5週間ぶり低水準

 ダウ +349(+0.88%)、米10年債利回り 4.344%VIX 12.45 

 

<為替>

ドルが主要通貨に対して下落した。4月のCPI上昇率が鈍化し、第2四半期にインフレが再び低下傾向にあることを示唆したことで、FRBが早ければ9月に利下げに踏み切るとの期待が高まった。

また、4月の小売売上高が予想外に横ばいとなったことも、FRBによる利下げ開始が近づいているという楽観的な見方の追い風となった。

 

ドル指数は0.66%安の104.35。一時、104.30と1カ月ぶりの安値に沈んだ。

ドル/円は0.96%安の154.94円。

「米ドルの下落により政府・日銀による為替介入は控えられる可能性が高いものの、投機筋は再びドル高方向に持っていこうとするだろう」と。

 

<債券>

米金融・債券市場では国債利回りが約5週間ぶりの水準に低下した。4月のCPIの伸びが鈍化したことで、FRBは年内に2回の利下げを実施するとの観測が高まった。

 

労働省発表の4月のCPI上昇率は前年同月比で3.4%と、3月の3.5%から鈍化。前月比の伸びも0.3%と、2月および3月の0.4%から鈍化した。ロイターによるエコノミスト調査では前月比0.4%上昇、前年比3.4%上昇と予想されていた。

 

「インフレ率が常に予想を上振れることはないと市場に安心感が広がった。今回のCPI統計を受け、早くて9月に利下げが実施される可能性がある」と。

 

「FRBが年内に利下げに着手するには、インフレ指標が一段と、かつ一貫して軟化する必要がある」と。

金利先物市場では現在、FRBによる年内の利下げ幅は52bpになるとの見方が織り込まれている。前日は45bpだった。

 

<株式>

米国株式市場はS&P500とナスダック総合がともに1%超上昇し、終値ベースの過去最高値を更新して取引を終えた。米CPIの伸び鈍化を受け、FRBの利下げに対する期待が高まった。

ダウも終値ベースの最高値を更新し、節目の4万ドルに接近。ハイテク株が上げを主導し、主要3株価指数は取引時間中の最高値も更新した。

米労働省が発表した4月のCPI上昇率は、前年同月比で3.4%と3月の3.5%から鈍化した。3カ月にわたり予想上振れが続いていたが、インフレ率が再び低下傾向に転じたとの見方から、市場ではFRBが9月と12月に利下げするとの期待が高まった。

 

「市場はインフレ率の鈍化を好感し、小売売上高も軟調だった。景気の過熱が収まり、より持続可能なペースで推移している明らかな証拠だ」と。

 

米商務省が発表した4月の小売売上高は増加予想に反して横ばいとなった。ガソリン価格の高騰で他の商品への支出が減り、消費の勢いが鈍化していることが示唆された。

 

<金先物>

金先物相場は、インフレ圧力の鈍化を示す米物価統計を背景に、対ユーロでドル安が進み、続伸した。

米労働省が15日発表した4月のCPIは前年同月比3.4%上昇となり、前月から3カ月ぶりに鈍化した。インフレの沈静化が示唆されたことから、市場ではFRBが年内にも利下げを実施するとの期待が再燃した。高金利環境の長期化に対する警戒感が緩和し、長期金利が低下。利回りを生まない金相場の押し上げ要因となった。

外国為替市場では対ユーロでドル売りが優勢となり、ドル建てで取引される金の割安感が意識された。

 

<米原油先物>

原油先物相場は、米インフレ鈍化を示す経済指標などを受けて買われ、反発した。

米労働省が15日朝方に発表した4月のCPIが前年同月比3.4%上昇した。伸び率は市場予想と一致し、前月(3.5%上昇)から3カ月ぶりに鈍化した。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は3.6%上昇と、3年ぶりの低水準となった。さらに、4月の米小売売上高は前月比横ばいと、市場予想(ロイター調査)の0.4%増を大幅に下回った。米インフレや消費の鈍化の兆候が見られる中、FRBが早期に利下げに動くとの観測が再び強まり、原油が買われる展開となった。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比250万バレル減と、市場予想(50万バレル減=ロイター調査)を大幅に上回る取り崩し幅となったことも相場を支えた。

 

 

 

 

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