NY市場サマリーのサマリー 5/10():S&Pとダウ上昇、ドル小幅高

ダウ +125(+0.32%)、ナスダック総合 -5(-0.03%)、米10年債利回り 4.502%VIX 12.55 

 

<為替>

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが小幅上昇した。

主要通貨に対するドル指数は0.09%高の105.31。ユーロ/ドルは0.08%安の1.0772ドルとなった。

市場では、来週発表される米CPIやPPI、小売売上高などの経済指標が注目されている。

「CPIで全般的な見方が変わるとは思わない。物価上昇圧力は高止まりしているものの、下落傾向が示され、前年比で見ると弱い内容になるだろう。重要なのは、数字ではなく方向性だ」と。

 

この日はダラス地区連銀のローガン総裁が、FRBの政策金利がインフレ率の2%目標回帰に向けて十分制約的であるかは不明で、利下げは時期尚早と発言。ドル支援要因になった。

 

一方、アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、利下げの時期と幅は不透明なものの、インフレ率の低下が緩やかであっても、FRBは年内に利下げする公算が大きいと指摘。シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、FRBの金融政策は「比較的引き締め的」との見方を示した。

 

CMEフェドウオッチによると、先週の予想を下回る米雇用統計のほか、FRBの政策発表を受け、市場では年内計約50bpの利下げが織り込まれており、9月に少なくとも25bpの利下げが行われる確率は62.2%となっている。

 

ドル/円は0.26%高の155.86円。週初からは約1.9%上昇した。前週は政府・日銀による介入と思われる動きを受け、ドルは対円で3.4%下落していた。

ポンド/ドルは0.02%高の1.2525ドル。10日発表の英国の第1四半期のGDPは前期比0.6%増と、2021年第4四半期以来の大きさとなり、2023年下半期の緩やかな景気後退から脱却したことが示された。

 

<債券>

国債利回りが上昇した。FRBの金融政策の行方を見極めようと、来週発表される4月のインフレ指標が注目されている。

先週は4月の雇用統計が予想を下回ったことを受け利下げ観測が再燃し、国債利回りは1カ月ぶりの低水準を記録。利下げ観測が一段と強まるには、インフレ率がFRBの目標とする2%に近づいていることが経済指標で確認される必要がある。

 

「インフレが一段と低下すれば、確実に利下げのきっかけになる」と。

来週は14日に4月のPPI、15日に4月のCPIと4月の小売売上高が発表される。4月のCPIについて、ロイターがまとめたエコノミスト予想は前月比0.3%上昇、前年比3.6%。

この日発表の経済指標では、ミシガン大学の5月の消費者信頼感指数(速報値)が67.4と、6カ月ぶりの水準に低下。期待インフレ率は、1年先と5年先が共に上昇した。

 

終盤の取引で10年債利回りは6bp上昇の4.504%。

2年債利回りは6bp上昇の4.868%。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス36bpと、ほぼ横這い。

 

<株式>

米国株式市場はS&P500とダウが小幅に上昇した一方、ナスダック総合はほぼ変わらずとなった。来週に重要なインフレ指標の発表を控える中、FRB当局者の発言を消化した。

週間では主要3株価指数全てが上昇。ダウの週間上昇率は昨年12月中旬以来の大きさとなった。

第1四半期の決算発表シーズンが終盤に近づいており、LSEGによると決算を発表したS&P500構成銘柄459社のうち77%が市場予想を上回る業績となった。

個別銘柄ではエヌビディアが1.3%上昇。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が4月の売上高が約60%増加したと発表したことを受けた。

米バイオ医薬品会社ノババックスは98.7%急騰。製薬大手仏サノフィと最大12億ドルのライセンス契約を締結したことを受けた。

音声AIプラットフォームサービスを提供するサウンドハウンドAIは7.2%高。第1・四半期の売上高が予想を上回った。

 

<金先物>

中東情勢の悪化をにらんだ安全資産としての金に注目が集まり、続伸した。前日比34.70ドル(1.48%)高の2375.00ドル。週間では2.88%高だった。

 

<米原油先物>

米利下げ期待の後退が重しとなり、3営業日ぶりに反落した。WTIは、前日比1.00ドル(1.26%)安の78.26ドル。

 

 

 

 

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