NY市場サマリーのサマリー 5/2():ドル/円153円台、株価上昇、利回り低下

ダウ +322(+0.85%)、米10年債利回り 4.584%VIX 14.68

 

<為替>

円が153円台に上昇した。円は前日に急騰し、市場では日本当局による介入観測が広がった。一方、ドルは3日の米雇用統計発表を控え全般的に下落した。

日銀が日本時間2日に公表した7日の当座預金予想が民間予測から大きく乖離し、2日早朝のドル/円急落の背景に介入があったことを示唆。政府・日銀が同日に3兆円を超える規模の円買い介入を行ったと推計されている。

 

「介入のタイミングは実利的だった。取引量が少なく、流動性も薄く、このタイミングであれば影響を与えやすかった。日本当局が可能な限り大きな影響を与え、介入を効率的に行いたいと考えていることは明らかだ」と。

 

終盤のドル/円は0.9%安の153.09円。

神田真人財務官はロイターに対し、日本当局が市場介入したかどうかについてはノーコメントと述べた。

 

ドル指数は0.38%安の105.31。ユーロ/ドルは0.17%高の1.0728ドル。

ドル/スイスフランは0.59%安の0.91フラン。

 

<債券>

3日の米雇用統計発表を控え米債利回りが低下した。ただこの日に発表された労働市場に関するデータを受け、FRBが利下げを先送りするとの観測が強まり、序盤は利回りが上昇した。

午後の取引で、指標10年債利回りは一時4.567%と1週間超ぶりの低水準を付けた。終盤は1.4bp低下の4.576%。2年国債利回りは5.8bp低下の4.881%だった。

 

米労働省が2日発表した生産単位当たりの報酬を示す単位労働コストは前期比4.7%急上昇。これを受け、米債利回りは序盤に上昇した。

 

ただ3日発表の米4月雇用統計を前にこうした動きは午後に弱まった。

「労働市場とインフレデータはFRBに利下げをすぐに検討する必要性を与えていないだけでなく、利下げがそもそも必要なのかという疑問も生じさせている。その結果、投票権を持つFRB当局者は、ただ座って辛抱強く待つだけでいいと考えているようだ。しかし、今後を見据えると、パウエル議長は利下げを熱望しているが、データに導かれてそうする必要があるという印象を受ける」と。

 

2・10年債の利回り格差はマイナス30.8bp。前日終盤はマイナス33.6bpだった。

 

<株式>

主要株価3指数が軒並み上昇。前日のFOMCの結果を消化する動きが続いたほか、強弱入り混じる企業決算や経済指標が材料視された。

FRBは4月30日─5月1日に開いたFOMCで、金利据え置きを決定。パウエル議長は利下げ開始に必要な「より大きな自信」を得るには、これまで予想されていたよりも時間がかかる可能性が高いとの見方を示し、年内利下げ開始に不透明感が残った。

 

「重要な点はFRBのバイアスは引き続き金利据え置きか引き下げのいずれかということだ。FRBは利上げを実施する考えはなく、金利を維持し、経済が弱含むもしくはインフレ低下の兆候があれば、直ちに利下げに動くだろう」と。

 

2日発表された米経済指標では、失業保険申請件数は横ばい、人員削減は減少、第1四半期の非農業部門の労働生産性(速報値)は上昇と、総じて底堅い結果となった。3日に発表される4月の米雇用統計に注目が集まる。

 

第1四半期の米企業決算シーズンは終盤に差し掛かっている。S&P500採用企業でこれまでに決算を発表した373社中、77%が市場予想を上回った。

半導体大手クアルコムは約9.7%上昇し、ナスダック総合を押し上げた。第3四半期(46月)の売上高・利益見通しはいずれもアナリスト予想を超えた。一方、料理宅配アプリのドアダッシュは約10.2%急落。利益見通しが失望感を誘った。

 

<金先物>

3日発表の米雇用統計を控えたポジション調整の売りに、反落した。前日比1.40ドル(0.06%)安の2309.60ドル。

 

<米原油先物>

強弱まちまちの材料を眺めて売り買いが交錯し、ほぼ横ばいとなった。WTIは前日比0.05ドル(0.06%)安の 78.95ドルだった。

 

 

 

 

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