NY市場サマリーのサマリー 4/30(火):円下落、利回り上昇、株1─2%下落

ダウ -570(-1.49%)、米10年債利回り 4.687%VIX 15.65

 

<為替>

日本当局による介入観測で前日に急騰していた日本円が対ドルで下落した。一方、米雇用コストの伸びが予想を上回ったことを受け、ドルが上昇した。

円は対ドルで0.88%安の157.73円となった。月間では4.04%安と2023年2月以降で最大の下げとなる見込み。

ドル指数は上昇。米労働省が30日に発表した2024年第1四半期の雇用コスト指数(ECI)は前期比1.2%上昇し、伸びは前四半期の0.9%上昇から加速した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は1.0%上昇だった。

 

「ドル/円はなお上昇傾向にある。トレンド転換には、1)政策の方向性の違いがやや収束し米債市場により持続可能な買いが入り、ドル/円が約2週間ぶりの安値を付ける、2)日銀当局者の発言に何かしらの変化が出る──のいずれかを確認する必要がある。おそらく後者になるはずだ」と。

 

日銀が30日に公表した1日の当座預金予想が民間予測から大きく乖離し、29日のドル/円の乱高下の背景に5兆円規模の円買い介入があったことが示唆された。

 

ドル指数は0.52%高の106.24。ユーロ/ドルは0.42%安の1.0674ドル。ポンド/ドルは0.49%安の1.2499ドル。

 

ドル指数は月間で1.7%高と、今年1月以降で最大の上昇となる見込み。一方、ユーロは同1.11%安、ポンドは同1.02%安と昨年9月以降で最大となる見通し。

 

バンク・オブ・アメリカは「ドル高が基本シナリオとし、第2四半期の一段高を見込んでドルの押し目買いを依然として推奨する」とした。

 

<債券>

国債利回りが上昇した。朝方発表された第1四半期の米雇用コストが予想以上に上昇し、FRBの利下げが後ずれするという見方を支えた。

2024年序盤にインフレが加速した可能性を裏付ける内容となった。

 

終盤の取引で、10年債利回りは7.8bp上昇し4.69%。月間では49.6bp上昇と、2022年9月以来の高い伸びを記録した。

2年債利回りは、一時昨年11月以来の高水準となる5.045%を付けた後、6.8bp上昇の5.0413%。月間では42.1bp上昇し、2023年6月以来の高い伸びを記録した。

30日―5月1日のFOMCの行方が注目される。政策金利の変更は予想されていないものの、会合後のパウエルFRB議長の記者会見での発言が注視されている。また、バランスシート縮小ペースの減速について何らかの発表があるかも注目されている。

「FRBは板挟みの状況にある。財政が一段の圧力にさらされるため、利上げに向けたハードルが非常に高い半面、インフレは異常な状況で、FRBは現在の水準を維持したいという考えだろう。しかし、行動しなければ市場をいら立たせることになる」と。

 

30日発表された他の米指標は強弱まちまちの内容となった。

CMEのフェドウオッチによると、金融市場が織り込む12月の利下げ確率は77%と、1週間前の90%から低下した。

 

<株式>

1─2%下落して終了した。FOMCの結果発表を翌日に控え、この日発表の経済指標で示された雇用コスト上昇や消費者信頼感の低下が意識された。

 

1─3月期の米雇用コスト指数は前期比1.2%上昇と、予想以上の上昇率となり、賃金上昇圧力が高まっていることが示された。また、4月の消費者信頼感も低下し、約1年半ぶり低水準となった。

5月1日まで2日間の日程で開かれるFOMCでは、金利据え置き決定が予想されている。

テスラ、アルファベット、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾンなど、巨大テック7社「マグニフィセント・セブン」の大半が下落した。

このほかの個別銘柄では、GEヘルスケアが下落。同社の第1四半期収益はアナリスト予想を下回った。一方、3Mは四半期利益が予想を上回り上昇した。

製薬大手イーライリリーは通期利益予想を上方修正したことに支援され上昇した。ペイパルも通期調整後利益予想を上方修正し上昇した。

LSEGのデータによると、米S&P総合500種指数採用企業でこれまでに第1四半期決算を発表した265社中、79.2%でアナリスト予想を上回った。長期平均は67%。

 

<金先物>

対ユーロでのドル高を背景に、4営業日ぶりに反落した。前日比54.80ドル(2.32%)安の1オンス=2302.90ドル。

 

<米原油先物>

イスラエルとイスラム組織ハマス間の戦闘休止の交渉の行方に注目が集まる中、供給不安がひとまず和らぎ、続落した。WTIは前日比0.70ドル(0.85%)安の81.93ドルとなった。月間では1.49%安。

 

 

 

 

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