NY市場サマリーのサマリー 4/24(水):ドル一時155円台前半で介入警戒感、利回り上昇、株まちまち
<為替>
円が一時1ドル=155.37円と、1990年半ば以来の安値を付けた。市場では日本当局による介入の兆候への警戒感が強まっている。
ドル/円はその後、不安定な値動きとなる中、上げ幅を縮小し、終盤の取引では約0.3%高の155.26円。
「ドル/円の動きは幅広いドル再評価の動きと一致している。日銀の介入を巡る思惑が主導するものではなく、ファンダメンタルズに裏打ちされた広範なドル円の動き」と。
主要通貨に対するドル指数は0.2%高の105.84。23日発表された低調な米指標と好調なユーロ圏指標が引き続き材料視され、一時2週間ぶりの安値となる105.59を付ける場面もあった。
また、24日朝に発表された3月の米耐久財受注統計が企業の設備投資が第1四半期に鈍化した可能性が示唆したことを受け、ドルは上げ幅を縮小した。 もっと見る ユーロ/ドルは1.0697ドルでほぼ変わらず、ポンド/ドルは0.1%高の1.2460ドル。
豪ドル/米ドルは0.1%高の0.6497米ドル。第1四半期の豪CPIが予想以上に上昇し、年内利下げ観測が後退したことを受け、豪ドルは一時0.6530米ドルまで上昇した。
26日に発表される米個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。FRBは同指標を物価目標として重視している。CMEのフェドウオッチによると、FRBが9月までに利下げに踏み切る確率は70%とみられている。
<債券>
国債利回りが上昇した。トレーダーらはFRBの政策を巡りさらなる手掛かりを求め、25日の第1四半期米GDP速報値と26日発表の3月個人消費支出(PCE)価格指数を待つ姿勢を取っている。
指標となる10年債利回りは5bp上昇し4.646%となった。2年債利回りは3bp上昇し4.933%だった。2年債と10年債の利回り格差はマイナス29bpと、2bp縮小した。
FF金利先物市場が織り込む年内の利下げ幅は43bp。
財務省はこの日、過去最高額となる700億ドル規模の5年債入札を実施した。この入札は前日に行われた690億ドルの2年債入札に続き、強い需要があった。
財務省は25日にも440億ドルの7年債入札を実施する。
<株式>
不安定な地合いの中、まちまちで取引を終えた。米債利回りの上昇が重しとなる一方、ハイテク大手を中心とする好調な企業業績が期待されている。
この日行われた過去最高額となる700億ドル規模の米5年債入札は国債利回りを押し上げ、株価を圧迫した。10年債利回りは5bp上昇し、4.6459%となった。
S&P500はほぼ横ばい。ダウは反落し、ナスダック総合は上昇した。S&P500の11セクター中7セクターが上昇した。
メタは時間外取引で11%下落した。第1四半期の売上高は予想を上回ったが、2024年の設備投資が最大400億ドルに達するとの見通しを示したことが嫌気された。
マイクロソフトとアルファベットも今週決算を発表する。
テスラは12%上昇。前日発表した四半期決算は低調だったが、新モデルを前倒しして2025年の早い時期に投入すると発表したことに支援された。
ボーイングは2.8%安。第1四半期決算が7四半期ぶりの減収となったことに圧迫された。
テキサス・インスツルメンツは5.6%高。前日の決算発表時に示した第2四半期見通しが市場予想を上回った。
半導体株の大半が堅調となり、フィラデルフィア半導体指数も上昇して引けた。
<金先物>
主要な米経済指標発表を控えたポジション調整の売りに3日続落した。前日比3.70ドル(0.16%)安の2338.40ドル。
<米原油先物>
中東情勢悪化への過度な警戒感の後退を背景に反落した。WTIは前日比0.55ドル(0.66%)安の82.81ドルだった。
中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー供給不安を背景とした買いが一巡したことが相場を下押した。市場では、イスラエルとイランの対立激化の過程で、原油相場にかなりの「リスクプレミアム」が上乗せされたとみられており、両国の攻撃応酬がひとまず収まっていることで、こうしたプレミアム分が縮小しつつある。
ただ、中東情勢の先行きには依然として不透明感がくすぶっている。