NY市場サマリーのサマリー 4/18():ドル上昇、利回り上昇、株ほぼ横這い

ダウ +22 (+0.06%)、米10年債利回り 4.631%、VIX 18.00

 

<為替>

ドルが上昇した。18日に発表された一連の米経済指標は強弱入り混じる内容となったものの、経済がなお堅調を維持し、FRBの初回の利下げが今年後半にずれ込む公算が大きいことを示唆した。FRB当局者の利下げに関する発言も材料視された。

 

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、米経済が好調なことを踏まえると、利下げを実施する差し迫った理由は現時点では見当たらないと述べた。アトランタ地区連銀のボスティック総裁も、忍耐強く対応することを快適に感じているとし、「景気は年内に十分に減速する見通しだが、年末まで利下げに着手できる状況にはならないだろう」という見解を示した。

 

金融市場が見込む年内の利下げ幅は計約38bp。これは0.25%ポイントの利下げが約1.5回実施されることを意味し、年初の6回から大きく後退した。

 

「足元ドル高と戦うのは極めて難しい。米国のデータは引き続き、FRBが近く利下げに着手しないことを示唆している。米国とG10諸国間の政策の乖離が一段と顕著になりつつある」と。

 

フィラデルフィア地区連銀が発表した4月の製造業業況指数は15.5と3月の3.2から大きく改善し、市場予想の中央値2.3を上回った。2年ぶりの高水準となった。

その他の米指標では、13日までの1週間の新規失業保険申請件数が21.2万件と横這いで、前週と変わらず低水準となり、労働市場が引き続き堅調であることが示唆された。

 

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.2%高の106.15と、今週付けた5カ月半ぶりの高値である106.51に迫った。

ドル/円は0.1%高の154.580円。こちらも16日に付けた34年ぶり高値の154.79円からさほど遠くない水準にある。

市場参加者は現時点で、日本当局が介入に踏み切る可能性のある新たなラインを1ドル=155円とみている。

日銀の植田和男総裁は18日、円安を受け、無視できない大きさの影響が発生した場合には金融政策の変更もあり得るという認識を示した。

 

ユーロ/ドルは0.3%安、ポンド/ドルも0.1%安。

市場では来週発表される第1四半期の米国内総生産(GDP)が注目されている。

 

<債券>

国債利回りが上昇し、11月以来の高水準付近で推移した。労働市場の堅調さを示すデータや、インフレ率の低下が足踏みしているとのFRB当局者の警告が材料となった。

CMEのフェドウォッチによると、FF金利先物市場が織り込む年内の利下げ幅は合計42bp。1月時点の予想160bp超から縮小している。

 

米労働省が18日発表した4月13日までの1週間の新規失業保険申請件数は21.2万件と横這いだった。前週と変わらず低水準となり、労働市場が引き続き堅調であることが示唆された。

 

FRB幹部は、インフレの再加速を避けるために利下げを延期する理由として、労働市場の堅調さを指摘している。

 

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は18日、米インフレが多くの予想よりも緩慢なペースで目標の2%に向け鈍化しているものの、「景気は年内に十分に減速する見通しだが、年末まで利下げに着手できる状況にはならないだろう」という見解を示した。

 

10年債利回りは5.2bp上昇の4.637%と、5カ月ぶりの高水準付近で推移した。

30年債利回りは3.6bp上昇の4.736%、2年債利回りは4.988%と、5.6bp上昇した。

 

一方、財務省がこの日実施した230億ドルの5年物価連動国債(TIPS)の入札は好調だった。最高落札利回りは2.242%と、入札締め切り時の予想を下回った。応札倍率は2.58倍だった。

 

<株式>

ほぼ横ばいで終了した。一連の企業決算が注目される中、FRB当局者の発言や経済指標で、FRBが近い将来に利下げを決定する可能性が低いことが示唆された。

労働省が発表した前週の新規失業保険申請件数は21.2万件で横ばいとなり、労働市場が引き続き堅調であることが示された。また、フィラデルフィア地区連銀が発表した4月の製造業業況指数は2年ぶりの高水準を付けた。

 

堅調な労働市場やインフレ圧力継続を示す最近の指標、パウエル議長などFRB当局者の一連の発言を受けて、市場では6月の利下げ観測が後退している。

「当面の間、空白期間が生じても驚きではない。それでも失業率が低くとどまれば消費者は支出や旅行、サービス利用を続け、それが企業業績や株価を年末にかけて押し上げることになる」と。

 

S&P500は小幅安ながら5日続落。昨年10月以来の長い続落となった。

 

動画配信大手ネットフリックスは引け後に第1四半期決算を発表。時間外取引で売りが先行している。

この日発言したFRB当局者らは利下げ実施に緊急性がないことを改めて指摘。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は米経済の好調を理由に挙げた。アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、米インフレが多くの予想よりも緩慢なペースで目標の2%に向け鈍化しているものの、忍耐強く対応することを快適に感じていると述べた。

 

メタは1.54%高の501.8ドルとなり、S&P500のプラス寄与度トップとなった。バーンスタインが目標株価を535ドルから590ドルに引き上げた。

 

自動車部品販売のジェニュイン・パーツは利益見通し引き上げを材料に11.22%急騰した。

 

<金先物>

緊迫する中東情勢への懸念を背景としたリスク回避で買いが強まり、反発した。前日比9.60ドル(0.40%)高の2398.00ドル。

 

<米原油先物>

ほぼ横ばい。小幅ながら4営業日ぶりにプラス圏に浮上した。WTIは、前日比0.04ドル(0.05%)高の82.73ドル。イスラエルがイランに反撃するタイミングを巡り、22日から約1週間続くユダヤ教の祝祭「過ぎ越しの祭り」明けになるとの観測が台頭。地政学的リスクがひとまず後退したとして売りが先行し、相場は早朝に一時81ドル台半ば付近に下落した。しかし、その後は前日引け水準近くまで戻し、上下にもみ合う展開。バイデン米政権はこの日、イランの軍事関係者を対象とした追加制裁を発表したほか、ベネズエラの石油・ ガス業界に対する制裁も復活させたことで、供給不安を意識した買いが入った。

一方、米欧の金融政策の方向性が分かれつつあることでエネルギー商品需要の先行き不透明感も強まっているほか、世界最大の石油輸入国である中国の経済指標も強弱まちまちとなっており、終盤まで売り買いが交錯した。

 

 

 

 

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