NY市場サマリーのサマリー 4/9():ドル横ばい、利回り低下、株小動き、CPI注目

 ダウ -9 (-0.02%)、米10年債利回り 4.369%、VIX 14.98

 

<為替>

ドルがほぼ変わらず。3月の米CPIの発表を10日に控え、慎重な取引となった。一方、円は数十年ぶりの安値付近で推移し、日本当局による介入への警戒感が高まった。

CMEのフェドウオッチによると、CPIの発表を前に、米金利先物市場では6月の利下げ確率が58%と、8日終盤の52%から上昇した。また、年内の利下げ幅予想は計約74bpとなっており、これは0.25%ポイント利下げ3回程度が見込まれていることを意味する。

 

「年初以降、米10年債利回りが約47bp上昇する半面、ドルが2.5%の上昇にとどまっている。短期的にはドルが米債利回りに追いつくために上昇する、もしくは米債利回りが再び低下するかのどちらかが起こる可能性がある」と。

 

また、一部アナリストの間からは、地政学的リスクによりドルを含む安全資産への需要が高まる可能性があるとの指摘が聞かれた。

 

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は横ばいの104.12。

 

ドル/円は横ばいから小幅安の151.755円。先月記録した34年ぶりの高値である151.975円からさほど遠くない水準にある。

 

「岸田文雄首相の訪米中は、介入リスクは非常に低い」と。

10日には米首脳会談、11日には日米フィリピン首脳会談が予定されている。

また、日銀の植田和男総裁は9日、今後、基調的な物価上昇率が日銀の見通し通りに少しずつ上がっていけば「緩和の度合いの縮小を考えていかないといけない」と述べた。

 

ユーロ/ドルは0.1%安。

11日の欧州中央銀行(ECB)理事会が注目されている。アナリストは金利据え置きを予想している。

 

<債券>

米債利回りが低下した。10日に米インフレ統計の発表を控える中、押し目買いが優勢だった。

米債利回りは前日、様々な年限で昨年11月以来の高水準に達した。

一方、この日は米債利回りの直近の上昇を受けて押し目買いが先行。欧州債利回りの低下にも追随した。欧州市場ではECBが今週予定している理事会で6月の利下げ開始を示唆する可能性があるとみられている。

指標10年債利回りは終盤で4.365%と、8日に付けた約5カ月ぶりの高水準である4.464%から低下した。2年債利回りは前日の4.789%から4.747%に低下。米財務省は10日と11日にそれぞれ10年債と30年債の入札を実施する。

 

<株式>

ダウがほぼ横ばいで取引を終えた。10日に発表される3月のCPIのほか、12日に始まる一連の銀行決算発表が注目されている。

ナスダック総合は半導体銘柄への買いを受けて上昇、S&P500は小幅高となった。

3月の雇用統計など堅調な経済指標を受けて市場がFRBによる利下げの時期や程度に関する予想を修正する中、10日発表のCPIに関心が集まっている。

また、12日にはJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループが決算を発表する。これら3行を構成銘柄に含むS&P銀行指数はマイナス圏で取引を終えた。

 

「金融機関が第1四半期決算発表シーズンをスタートさせ、しばしばトーンを設定する。米企業の健全性を示すものとしてシクリカル(景気循環)な分野に注目している」と。

 

この日はS&P500の主要11セクターのうち9セクターが上昇。不動産が上昇率トップだった一方、金融は下落率が最大となった。

モデルナは6.2%高。メルクと開発する個別化がんワクチンの早期臨床試験で前向きな反応が見られたことを好感した。

アルファベットも1.1%上昇し、時価総額が2兆ドルに近づいた。

 

<金先物>

前日までの買いの流れが継続する中、中東情勢など地政学リスクの高まりが相場を押し上 げ、3営業日続伸した。前日比11.40ドル(0.48%)高の2362.40ドルと、3営業日連続で史上最高値を更新した。

イスラム組織ハマスは9日未明、声明を出し、パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止と人質解放に向けた交渉について、仲介役のエジプトとカタールから新たに提示された休戦案について精査するとの意向を示した。ただ、イスラエルのネタニヤフ首相は8日、ガザ南部ラファへの地上侵攻を遂行すると宣言しており、休戦の実現はいまだに不透明。緊迫した情勢が続く中東の動向をにらみ、この日も「安全資産」としての金の買いが入りやすかった。

各国中央銀行が金を買い増しているほか、宝飾品や地金への底堅い需要も金の買いを促した。

 

<米原油先物>

中東情勢の先行きに不透明感が漂う中、続落した。WTIは前日比1.20ドル(1.39%)安の85.2 3ドルだった。イスラエルとハマスの戦闘休止を巡る交渉の行方が注視される中、午前の相場は一時売り買いが交錯。供給不安が根強いものの、前日に続き、前週の連騰を受けた利食い売りが出やすく、その後マイナス圏に沈んだ。 一方、イランの精鋭組織「革命防衛隊」海軍の司令官は9日、アラブ首長国連邦(UAE)におけるイスラエルの存在はイランによって脅威と見なされており、必要であればペルシャ湾のホルムズ海峡を遮断することも可能だと述べた。同海峡は原油輸送の要衝で 世界の原油供給の約2割が通過する。

関係筋によると、メキシコ国営石油会社ペメックスは5月の原油輸出について少なくとも日量33万バレル分を削減する計画。

 

 

 

 

 

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