NY市場サマリーのサマリー 3/22():ドル上昇、利回り低下、S&P横這い

 

<為替>

ニューヨーク外為市場では、ドルが2週連続で上昇する勢い。今週は日銀のマイナス金利解除が円相場をやや下支えした。スイス国立銀行(中央銀行)の予想外の利下げを受け、FRBや他の中銀との金利政策のギャップが強調された。

今週はスイス中銀や発展途上国の中銀が利下げを決定、または利下げの意向を示唆。これは世界的な金融政策の転換を示すもので、ECBは6月の利下げが見込まれている。

 

ドルは円を除く主要10カ国(G10)通貨に対して上昇。米経済が比較的堅調なほか、高金利を背景にキャリー・トレードが続いているという。一方、欧州の主要中銀として初となるスイス中銀による利下げが決定的な変化を示したとみられている。

 

ポンド/ドルは0.5%下落し、1.258ドルと1カ月ぶり安値を付けた。BOEは21日、政策金利を約16年ぶりの高水準である5.25%に据え置いた。前回会合まで利上げを主張していた2人の委員が据え置きに転じ、ベイリー総裁は英国経済が利下げを開始する「正しい方向に動いている」と指摘した。

 

2023年のG10通貨で最もパフォーマンスが良かったスイスフランは今週、対ドルで約1.7%下落。年初来では約6.8%下落している。

ドル指数は0.45%上昇した。

 

一方、ドル/円は0.12%安の151.44円。週間では約1.5%上昇した。

ユーロ/円は今週、165.37円と08年以来の高値を記録。豪ドル/円は2014年以降で初めて100円を突破した。

 

ドル高を受けてユーロ/ドルは3週間ぶり安値を付けた。終盤は0.5%安の1.0806ドル。

スポットの元は1ドル=7.229元。一方、オフショア元に対するドルの上昇は1年ぶりの大きさとなる見込みで、0.77%高の7.2769元となった。

 

暗号資産のビットコインは週間で約6.7%安と昨年8月以降で最大の下げとなる見込み。ただ取引は24日まで行われる。

この日の終盤は2.74%安の6万3674.36ドル。先週付けた終値ベースの過去最高値7万4000ドルからは約13%下落した。

 

<債券>

米金融・債券市場では、米債利回りが低下した。予想を上回るインフレ統計が直近で発表されたにもかかわらず、FRBが6月に利下げを開始するとの見方が再び強まった。

米10年債利回りは5.6bp低下し4.215%。2年債利回りは3.7bp低下の4.595%となった。

2・10年債の利回り格差は3.3bp拡大のマイナス38.2bp。

今週発表された企業決算を受け、市場の一部ではFRBの利下げに対する確信が強まったという。

 

カナダのスポーツ衣料品大手ルルレモン・アスレティカや米外食チェーン大手ダーデン・レストランツ傘下のオリーブ・ガーデンは21日、第4四半期の北米売上高の伸びが鈍化したと発表した。

CMEグループのフェドウオッチによると、FRBが6月に利下げする確率は74.5%に上昇した。

 

<株式>

S&P500がほぼ横這いで終了した。ただ、FRBが年内に3回の利下げが実施されるとの予測を維持したことを受け、週間ベースの上昇率は年初来最大となった。

ナスダック総合は小幅高で終了。フィラデルフィア半導体指数もこの日は小幅高。ただ週間ベースでは、人工知能(AI)関連銘柄に買いが入ったことで大幅な上昇となった。

 

週間ベースでS&P500は2.3%、ダウ30は2%、ナスダック総合は2.9%、それぞれ上昇。個別銘柄では、スポーツ用品大手のナイキが6.9%安。前日、コスト削減を進める中、2025年度上期の売上高は1桁台前半の減少率になるとの見通しを示した。

スポーツ衣料品大手ルルレモン・アスレティカは15.8%安。通年の業績見通しが市場予測を下回ったことが嫌気された。

 

物流大手フェデックスは7.4%高。前日発表の四半期決算は李劇が市場予想を上回った。

デジタル・ワールド・アクイジション・コープは13.7%安。DWACの株主は前日、トランプ前米大統領のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)との合併を承認した。

 

<金先物>

週末を前に持ち高調整の売りが台頭し、3営業日ぶりに反落した。前日比24.70ドル(1.13%)安の216 0.00ドル。週間では0.07%安とほぼ横這い。

 

<米原油先物>

地政学リスクを巡る先行き不透明感がくすぶったものの、供給不安が若干後退したことで続落した。WTIは前日比0.44ドル(0.54%)安の80.63ドルだった。

 

 

 

 

『イギリスの古いもの』は、無料 ダウンロード サービス中