NY市場サマリーのサマリー 2/21():エヌビディア株が引け後に大幅上昇、ドル下落、利回り上昇

 

<為替>

ニューヨーク外為市場では、ドル指数が下落した。FRBが公表した議事要旨では、予想されていた通りに、尚早な利下げに対する懸念が示されていたことが分かった。

1月30日─31日のFOMC議事要旨によると、政策担当者はインフレ率を目標とする2%に戻すために制約的な金融政策スタンスを維持しなくてはならない期間を巡る不確実性を強調。大半の参加者が政策スタンスを緩和する動きが速すぎることのリスクを指摘した。

短期金融市場では、FRBは6月に利下げに着手すると予想されている。

「FRB当局者は進展を注視しているものの、まだ結論に至っていないというのが全体的なメッセージだった」と。

このところの米経済指標を巡っては、1月のCPIとPPIが予想を上回って伸びたことを受け、FRBはより長期にわたり金利を高水準にとどめるとの見方が台頭。一方、1月の小売売上高などが軟調だったことで、ドルが下落するなどの動きも出た。

 

<債券>

国債利回りが上昇した。財務省が実施した20年債入札が振るわなかったうえ、FRBが公表した1月30日─31日のFOMC議事要旨で、政策担当者の大半が尚早な利下げに対する懸念を示していたことが分かった。

午後の市場では、米10年債利回りが4.8bp上昇し4.322%となった。2年債利回りは4.1bp上昇し4.653%となった。

 

投資家は20年債入札にほとんど食指を動かさず、国債発行に対する懸念が高まった。

20債入札の応札倍率は2.39倍で、前月の2.53倍、平均の2.62倍を下回り、2022年8月以来の低水準となった。入札後、20年債利回りは4.662%と12月1日以来の高水準を記録。終盤は4.3bp上昇の4.609%となった。

 

<株式>

米国株式市場は、ダウとS&P500が小反発して引けた。ナスダックは続落した。エヌビディアが取引終了後に発表する決算に注目が集まった。

エヌビディアは通常取引で2.85%下落したが、決算発表後に時間外取引で一時10%高となった。第1四半期(24月)の売上高見通しは市場予想を上回った。人工知能(AI)向け半導体への需要拡大を見込んだ。

 

この日公表された1月30日─31日のFOMC議事要旨では、金利をいつまで現行水準に維持すべきかに不透明感が存在する中、政策担当者の大半が尚早な利下げに対する懸念を示していたことが分かった。

議事要旨を受け、短期金融市場でFRBは6月に利下げに着手するとの見通しが維持された。

米株価は年初から上昇基調にあったが、根強いインフレを示す統計を受けてFRBが早期の利下げに慎重との見方が広がり、先週不安定になった。

 

リッチモンド地区連銀のバーキン総裁はこの日、予想以上の伸びとなった1月の米CPIと米PPIは今後のFRBの金利決定を複雑なものにしていると述べた。

 

<金先物>

COMEXの金先物相場は、引け後に発表されるFOMC議事要旨が注目される中、利益確定の売りが優勢となり、4営業日ぶりに反落した。

FOMC議事要旨の発表を控えて内容を見極めたいとの見方が広がる中、前日までの3連騰の後を受けた反動から利益確定の売りが優勢となった。前日の金相場は1週間半ぶりの高値水準を付けていた。

 

イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海周辺で商船への攻撃を続ける中、イスラエルとイスラム組織ハマスが休戦に至る兆しは見えず、緊迫化する中東情勢が引き続き金相場の下支えとなっている。

 

清算値算出後に発表されたFOMC議事要旨では、インフレ上振れリスクは減退しているとの見方が示された。その上で大半の会合参加者は、性急すぎる利下げに踏み切るリスクに警戒感を示したが、発表直後はやや買いが強まる場面もあった。

 

<米原油先物> 

NYMEXの原油先物相場は、中東情勢の緊迫化を手掛かりとした買いが入り、上伸した。

需給の先行きを巡る不透明感を背景に、朝方までは売り買いが交錯。米金融引き締め政策の長期化が景気を冷やし、エネルギー需要に影響が及ぶとの懸念が根強い一方、パレスチナ自治区ガザではイスラエルとイスラム組織ハマスとの停戦合意が見通せない状況が続き、供給混乱拡大への不安がくすぶっている。

ただ、もみ合い後は徐々に買いが優勢となり、ジリ高で推移した。地政学的リスクの高まりをにらみ、欧州や中東のオイルハブでは原油・石油製品の在庫が減少。また、米製油所のメンテナンス期間が明け、原油の処理が加速するとの見方も相場を支えた。米国では、21日夕と22日午前に、官民の週間石油在庫統計が発表される。

このほか、取引終盤には、1月30─31日に開催されたFOMCの議事要旨が公表されたが、金融政策の方向性に関する明確な示唆は得られず、相場の反応は限られた。

 

 

 

 

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