NY市場サマリーのサマリー 1/30():ナスダックが下落、ドルまちまち、利回り低下

 

<為替>

ドルは対ユーロで値を下げ、対円では値を上げるなど、まちまちの展開となった。

FOMCの政策発表を31日に控え、強い方向性を見出すには至らなかった。

市場では、FRBが金利を据え置くとみられており、パウエル議長が3月に利下げを実施する可能性を巡りどのような発言を行うかに注目が集まっている。

CMEグループのフェドウオッチによると、3月利下げの可能性は42%に低下している。1カ月前には約89%だった。

「FRBは、金利がインフレ低下に向けて十分に抑制的であることに12月時点よりも自信を持っているのかもしれない。ただ、FRBは市場が期待するほど利下げを急いでいないことを示す可能性もある」と。

ドル指数は0.07%安。

 

<債券>

米10年債利回りが約2週間ぶり低水準にとどまった。市場では予想外に力強かった雇用動態調査と、財務省が前日に発表した第1四半期の借り入れ予定額を消化する動きが続いている。

FRBはこの日から2日間の日程で開始したFOMCで金利を据え置くとの見方が大勢。FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長が年内に実施される利下げの回数について何らかの手がかりを示すか注目されている。

 

市場は、FRBは5月に0.25%ポイントの利下げを決定し、金融緩和に着手すると予想。年初の時点では3月の利下げ開始が予想されていた。市場が予想する2024年の合計の利下げ幅は1.3%ポイント。昨年末時点の予想は1.6%ポイントを超えていた。

 

「債券市場は嵐の前の静けさ。3月利下げを実現するにはFRBは今回の会合でなり明確なコミュニケーションを取らなければならないが、経済指標や労働市場の現状を見る限り、FRBが利下げの必要性を感じていると確信するのは難しい」と。

 

労働省が朝方発表した2023年12月の雇用動態調査(JOLTS)の求人件数は前月比10万1000件増の902万6000件と、ロイターがまとめた予想(875万件)に反して増加。第1四半期にFRBが利下げを開始するには、労働市場が引き続き活発すぎる可能性が高いことが示唆された。

 

<株式>

米国株式市場は主要企業の決算発表を控え、ナスダック総合が下落して取引を終えた。市場はFOMCの結果にも注目している。

S&P500は、ほぼ横這いで前日に付けた終値での最高値近辺を維持。ダウは小幅に値を上げた。

この日は引け後にアルファベットとマイクロソフトが四半期決算を発表した。

「マグニフィセント・セブンの決算発表を控え、警戒感が強まっている。株価は信じられないほど好調で、やや慎重姿勢が見られている。おそらく当然のことだ」と。

 

この日はダウ輸送株20種、フィラデルフィア半導体指数、小型株で構成するラッセル2000指数といった景気動向に敏感なセクターがアンダーパフォームした。

 

<金先物>

対ユーロでのドル安を背景に買われ、上伸した。

外国為替市場では対ユーロでドル売りが優勢。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、金塊が買われた。また、ヨルダンで28日、駐留米軍に対する無人機攻撃で米兵3人が死亡した。バイデン政権に軍事行動を求める圧力が強まる中、安全資産としての金の魅力が高まったとの見方もあった。

 

<米原油先物>

原油先物相場は、需要減退観測が後退し、反発した。

香港の高等法院(高裁)が29日、中国不動産開発大手、中国恒大集団に対し清算命令を出したことをきっかけに、同国の不動産業界における経営不安が改めて台頭。エネルギー消費大国である中国の景気減速を懸念した売りが先行した。

しかし、国際通貨基金(IMF)が30日朝に公表した最新の世界経済見通しで、2024年の世界全体の成長率を昨年10月の前回予測から上方修正。これがエネルギー需要鈍化への警戒感を和らげ、相場は一気にプラス圏に切り返した。

 

 

 

 

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