NY市場サマリーのサマリー 1/26():S&P小反落、ドル軟調、利回り上昇

 

<為替>

ドルがおおむね軟調に推移した。米商務省発表の個人消費支出統計を受け、FRBは年央までに利下げを行う軌道から外れないとみられている。

 

ただ来週に重要なイベントを控え、午後に入ってから商いが細った。来週は30─31日にFOMCが開かれるほか、1月の雇用統計などの主要な米経済指標の発表が控えている。

 

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.1%安。ただ、週間ベースでは4週間連続で上昇する見通し。

商務省が朝方発表した2023年12月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.6%上昇。伸びは前月から横這いで、3カ月連続で3%を下回った。

 

「インフレ上昇を懸念する必要はないことを示す経済指標がこのところ続いている。インフレが低下する中で政策金利が維持されれば、金融政策の引き締めの度合いは強まっていくとの認識をFRBはこれまでも繰り返し示してきた。このため、一段の引き締めの可能性はさらに低くなる」と。

 

金利先物市場では、4月30日─5月1日のFOMCで最初の利下げが決定されるとの見方がなお大勢。市場が織り込む5月1日までに利下げが実施される確率は約90%であるのに対し、3月利下げの確率は約48%となっている。

 

FRBもECBと同様に、市場で出ていた早期利下げ観測をけん制。

「こうした背景を踏まえると、向こう数四半期でドルが大幅に上昇する余地はあまりない」と。

ドル/円は0.3%高。ユーロ/ドルは0.1%高。BOEは2月1日に金融政策委員会を開く。

 

<債券>

国債利回りが上昇した。来週に予定されるFOMCが注目される中、国債の供給拡大に対する懸念が重しとなった。序盤ではソフトランディング(軟着陸)を示唆する経済指標を受けて利回りが低下していた。

 

米財務省は来週、四半期定例入札の詳細を発表するとみられている。社会保障費や金利負担が増加しているため、入札規模の一段の拡大を発表する可能性が高い。

 

「24日実施の5年債の入札が不調だったことから、今後も懸念が続く」と。

5年債入札の最高落札利回りは4.055%と高水準となった。

 

2年債利回りは4.361%と4.7bp上昇。指標である10年債利回りは4.159%と2.7bp上昇した。2年債と10年債の利回り格差はマイナス20.7bpだった。

来週のFOMCでは、FRBは政策金利を5.25─5.50%で据え置くと予想されている。

 

「パウエルFRB議長は、バランスシート縮小の継続がどのように進展すると見ているのか、近日中に計画を発表する必要がある。バランスシートの縮小が早すぎたり多すぎたりすれば、市場機能に衝撃を与え、短期ゾーンの金利急上昇につながる可能性がある」と。

 

米商務省が26日発表した2023年12月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.6%上昇した。伸びは前月から横這いで、3カ月連続で3%を下回った。

 

これを受けて当初、FRBの利下げに向けた動きは軌道から外れないとの見方が強まり、利回りは低下した。その後、利益確定とみられる売りが出て、上昇に転じた。

 

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.298%だった。

 

<株式>

S&P500が小反落し、前日までの5営業日連続での最高値更新に終止符と打った。低調な売上高見通しが嫌気されたインテルが売られた。朝方発表された米個人消費支出(PCE)価格指数はインフレの鈍化を示した。

 

ナスダック総合も反落。しかし、週足では主要3指数はそろって3週連続で値上がりし、S&P500は1.06%高、ダウは0.65%高、ナスダックは0.94%高。3指数の上昇は過去13週中12週目となる。

 

2023年12月のPCE価格指数は前年同月比2.6%上昇した。伸びは前月から横這いで、3カ月連続で3%を下回った。物価上昇が鈍化していることで、FRBの利下げに向けた動きは軌道から外れない公算が大きい。

 

「25日に発表された第4四半期の米GDP速報値が堅調な内容となったこともあり、PCE統計を受け、ソフトランディング(軟着陸)の可能性が高まった」と。

 

インテルは11.9%下落し、6週間ぶりの安値を付けた。第1四半期の調整後売上高見通しは約122億─132億ドルと、LSEGがまとめたアナリスト予想平均の145億ドルに届かなかった。

 

フィラデルフィア半導体指数は2.9%安。24日の取引では最高値を更新していた。

テスラは0.3%高。イーロン・マスクCEOが今年の売上高が伸び悩むとの見方を示したことを受け、前日は12%の大幅安となっていた。

アメリカン・エキスプレスは7.1%上昇し、最高値を更新した。通期利益見通しが市場予想を上回ったことが好感された。競合のビザは1.7%安。第2四半期(13月)の増収率見通しが市場予想を下回ったことが売り材料となった。

 

来週に四半期決算の発表を控えるアップルは1%安だった。

 

<金先物>

ほぼ変わらず。投資家の注目は米政策金利見通しについてさ らなる手掛かりを得ようと、来週開かれるFRBのFOMCに移っている。

 

<米原油先物>3営業日続伸し、約2カ月ぶりの高値で清算された。米国の経済成長率の伸びや、中国の景気刺激策による需要増加の観測が買い材料になり、中東情勢による供給不安が一段と支援した。 英国産標準油種ブレントは、1.12ドル (1.36%)高の83.55ドルと、昨年11月30日以来の高値。WTIは0.65ドル(0.84%)高の78.01ドルで、 同じく11月以来の高値を付けた。

 

 

 

 

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