NY市場サマリーのサマリー 1/18():ドル5日続伸、利回り上昇、半導体株買われ株反発

 

<為替>

ドルが5営業日続伸。朝方発表された週間の米新規失業保険申請件数が良好な内容となったことを受け、早期利下げ観測が後退した。

週次の新規失業保険申請件数は1万6000件減の18万7000件。2022年9月以来の低水準となり、1月も雇用の伸びが堅調なことを示唆した。

「年初以降、状況は反転しつつある。総じて経済指標は予想を上回る内容となっており、FRB当局者は市場の利下げ観測を押し戻そうとしている」と。

ドル指数は0.14%高。5営業日続伸し、昨年8月以降最長となる勢い。

CMEフェドウオッチによると、FRBが3月に少なくとも0.25%ポイントの利下げを実施する確率は57.1%。1週間前は73.2%だった。

 

アトランタ地区連銀のボスティック総裁は18日、インフレ率が予想よりも迅速に低下しているという「説得力のある」証拠が今後数カ月で得られれば、自身の従来想定より早期の利下げに前向きだと述べた。

 

ドル/円は148.14円でほぼ変わらず。日銀が来週開催する金融政策決定会合では金融緩和の現状維持が決定されるとみられている。

ユーロ/ドルは0.14%安。ECBが18日公表した昨年12月13─14日の理事会の議事要旨によると、理事会メンバーはインフレ率が目標に向けて低下しつつあると確信する一方で、金利を高水準に維持することを正当化する多くのリスクがあると認識していた。

 

ポンド/ドルは0.17%高。前日発表された昨年12月の英CPI上昇率が10カ月ぶりに加速したことを受け、BOEが他の主要中銀に遅れて利下げに着手するという観測が強まった。

 

<債券>

米債利回りが上昇した。堅調な雇用関連指標を受け、早期の米利下げ観測が後退した。

パキスタンがイランに報復攻撃を実施したことで中東での紛争が激化するとの懸念から、質への逃避が一部強まり、オーバーナイトでは米債利回りが低下。

ただ、週次の新規失業保険申請件数1万6000件減の18万7000件と2022年9月以来の低水準となったことを受け、今週の米債市場の弱気バイアスが再び優勢となった。

 

「利下げ開始時期が3月ではなく、6月になるかもしれないという見方を裏付ける。ただ大局的に見ればインフレ率は低下しており、利下げは年内に実施されるだろう。問題はその回数だ」と。

 

18日の短期金利先物市場では、3月に利下げが開始される確率が55%となった。先週は70%だった。CMEグループによると、5月に利下げが開始される確率は46%と先週の30%から上昇した。

 

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は18日、インフレ率が予想よりも迅速に低下しているという「説得力のある」証拠が今後数カ月で得られれば、自身の従来想定より早期の利下げに前向きだと述べた。

 

指標10年債利回りは4bp上昇の4.144%。2年債利回りは4.356%で横這い。

2・10年債の利回り格差はマイナス21.7bpとなった。

 

米財務省が実施した180億ドルの10年物価連動国債(TIPS)入札に対する需要は堅調。最高落札利回りは1.81%と入札締め切り時の予想利回りを2bp超下回った。

応札倍率は2.62倍と1年平均の2.44倍を上回った。間接入札による落札比率も79%と1年平均の76%を上回った。

入札結果を受け、10年TIPS利回りは1.804%まで低下。TIPSと通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は10年物が2.34%。昨年末は2.174%だった。

 

<株式>

反発して取引を終えた。AI向け需要への拡大期待から、エヌビディアなど半導体関連株が買われた。S&P500は2022年1月に付けた終値での過去最高値まで0.3%に迫った。

半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の米上場株は約10%急伸。18日の決算発表で、2024年はAI向け半導体が好調に推移すると予想し、20%超の増収を確保するとの見通しを示したことが好感された。

 

エヌビディアは1.9%上昇し、過去最高値を更新。売買代金は280億ドル近くに膨らみ、ニューヨーク市場のトップとなった。競合するAMDも1.6%高で最高値を付けた。

アップルは3.3%急騰。バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバル・リサーチが投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に引き上げたことが買い材料。これが寄与し、S&P500は過去最高値を更新した。

半導体メーカーのブロードコム、クアルコム、マーベル・テクノロジーがそろって3%超上昇。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は3.4%高となり、昨年12月に付けた過去最高値に接近した。

米株はFRBによる利下げへの期待が後退し、下げる展開が続いていた。

医療保険大手ヒューマナは8%下落。2023年第4四半期の医療保険コストが従来見通しを上回る見込みだと発表した。

地銀キーコープは4.6安。第4・四半期の減益を嫌気した。

 

<金先物>

安全資産としての金需要などに支えられ、3営業日ぶりに反発した。前日比15.10ドル(0.75%)高の2021.60ドル。

 

<米原油先物>

原油在庫の減少幅が市場予想を大きく上回ったことで需給が引き締まるとの思惑から買いが広がり、続伸した。WTIは前日比1.52ドル(2.09%)高の74.08ドルだった。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で、原油在庫は前週比250万バレル減と、市場予想の30万バレル減を大きく上回る取り崩し幅となった。発表を受けて需給引き締まり観測が強まり、買いが膨らんだ。

これに先立ち、国際エネルギー機関(IEA)は18日発表の月報で、2024年の石油需要が日量124万バレル増となるとの見通しを示し、当初予想から日量18万バレル上方修正した。

OPECは前日公表の月報で、2024年の石油需要見通しの伸びを据え置く一方、2025年については中国などの需要増加を背景に前年比で日量185万バレル増加すると予想していた。消費国側と産油国側がそろって見通しを上方修正したことで、世界のエネルギー需要の先行きに楽観的な見方が広がった。

 

 

 

 

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