NY市場サマリーのサマリー 1/12():ドル上げ幅縮小、利回り低下、株変わらず

 

<為替>

昨年12月のPPIが前月比で予想外に下落したことで早期利下げ観測が高まり、ドル指数が上げ幅を縮小した。

 

PPI発表前は、米英軍がイエメンの親イラン武装組織フーシ派の関連施設を攻撃したことを受け安全資産としてのドルに買いが入り、ドル指数は上昇していた。

 

CMEフェドウオッチによると、FF金利先物は、3月に利下げが実施される確率が79%であることを織り込む水準にある。前日は73%だった。

 

ドル指数は0.19%高。ユーロ/ドルは0.15%安。ドル/円は0.29%安の144.87円。英ポンド/ドルは0.12%安。

 

英国立統計局(ONS)発表の昨年11月のGDPは前月比0.3%増加。ただ、英経済は過去数カ月低迷しており、景気後退(リセッション)に陥る可能性が高い。

 

暗号通貨では、ビットコインが4万3643ドルと、5%を超えて下落。米証券取引委員会(SEC)がビットコインの現物に連動する上場投資信託(ETF)11本を承認したことを受け、前日の取引で4万9051ドルと、2年ぶり高値を付けていた。

 

<債券>

米債利回りが低下した。この日発表された2023年12月のPPIが前月比で予想外に下落したことを受け、FRBによる年内早期利下げ観測が高まった。

 

PPI発表を受け、2年債利回りは昨年5月以来の低水準となる4.119%まで低下。終盤は11.8bp低下の4.142%だった。週間では13.1bp低下とここ1カ月で最大の低下幅となった。

 

米10年債利回りは3.916%と1週間ぶりの低水準。終盤は1.7bp低下の3.955%だった。

 

2・10年債の利回り格差は一時マイナス18bpと、昨年11月以降で最小のマイナス幅となった。終盤はマイナス18.6bp。

 

LSEGによると、米金利先物市場ではFRBが3月に利下げを決定する確率が約80%となった。PPIを受け11日終盤の71%から上昇した。年内には0.25%ポイントの利下げが少なくとも6回実施され、年末までにFF金利が3.6%に低下するとの見方が織り込まれている。

 

このほか、30年債利回りは2.1bp低下の4.158%となった。

 

<株式>

ほぼ変わらず。米PPIの予想外の下落を受け、米利下げ期待が強まる半面、銀行の決算が強弱入り混じる内容となったことで、相場は上下に振れる展開となった。

 

週間では、主要株価3指数はそろって上昇し、ダウは0.34%高、S&P500は1.84%高、ナスダック総合は3.09%高。S&Pは昨年12月中旬以来、ナスダックは11月初旬以来の大幅な上昇率となった。

 

この日は米金融大手が軒並み昨年第4四半期の決算を発表した。

 

バンク・オブ・アメリカは1.06%安。四半期決算では、37億ドルの一時的な費用計上が響き、大幅減益となった。

 

米大手銀行ウェルズ・ファーゴも3.34%安。2024年通期の純金利収入(NII)が前年比79%減少する可能性があると警告した。

 

一方、シティグループは1.04%高。第4四半期は18億ドルの赤字となったものの、組織再編の一環で、今後2年間で2万人を削減すると発表したことが材料視された。

 

JPモルガン・チェースは0.73%安。四半期決算は減益となったものの、年間では過去最高利益を達成した。

 

S&P銀行株指数は最大1.7%下落した後、下げ幅を縮小し1.26%安で終了した。

 

テスラは3.67%安。中国での新モデルの一部値下げと、紅海の物流混乱に伴う部品不足で、独ベルリン近郊の工場で2週間、自動車生産の大半を停止すると発表したことが売り材料となった。

 

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.4対1の比率で上回った。ナスダックでは1.1対1で値下がり銘柄が多かった。

 

 

<金先物>

上昇し、1週間ぶりの高値を付けた。中東情勢の緊迫化が安全資産の金を買う動きに弾みをつけた。また、昨年12月の米PPIを受けて、FRBの早期利下げ観測が強まった。

 

<米原油先物>

中東地域の紛争拡大懸念を背景とした買いに続伸した。WTIは、前日比0.66ドル(0.92%)高の72.68ドル。週間では1.53%下落した。

 

 

 

 

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