NY市場サマリーのサマリー 7/25():円が一時2カ月半ぶり高値、長期債利回り低下、株まちまち

ダウ +81(+0.20%)、ナスダック総合 -160(-0.93%)、米10年債利回り 4.247%VIX 18.46   

 

<為替>

円が一時2カ月半ぶりの高値を付けた後、伸び悩んだ。日銀が来週開く金融政策決定会合が注目されている。会合では追加利上げの要否について議論する見通しという。

終盤の取引でドル/円は153.84円。円は週初から2.4%値上がりしており、週足で4月下旬以来最大の上げを記録する勢い。円キャリートレードの巻き戻しに加え、このところの世界株安を受けて安全資産とされる円やスイスフランへの投資妙味が増していた。

 

「安全資産としての需要が後退し、円は横ばいで推移した。日本経済のファンダメンタルズは日銀の急速な引き締めサイクルを裏付けておらず、米FRBが今後数カ月中に利下げを開始したとしても、金利差は開いたままとなる見通しで、市場は幾分行き過ぎだったのではないか」と。

 

主要通貨に対するドル指数は横ばいの104.36。第2四半期の米GDP発表前は104.21を付けていた。

第2四半期の米GDP速報値は前期比2.8%増となった。個人消費と設備投資の堅調な伸びを背景に伸びが加速すると同時にインフレ圧力の緩和も示された。

 

ユーロ/ドルは小幅高の1.0846ドル。

ドルはGDPを受け、対円とユーロで下げ幅を縮小した。

対スイスフランでは、ドルは0.5%安の0.8806フラン。

日銀会合およびFOMCは来週30─31日に開催される。

「FRBの利下げを巡り、市場はやや先走りしていた感がある。GDP発表、9月に0.50%ポイント利下げが実施される可能性を織り込んでいた。GDPの数字は、FRBがそれほどの緊急性を感じていないことを示している」と。

 

金融市場では、9月利下げの可能性が引き続き織り込まれ、LSEGの計算に基づくと、年内計0.68%ポイントの利下げが実施されると予想されている。

 

<債券>

長期債利回りが低下した。24日の株価急落を受けて質への逃避先として債券が大きく買われた。

この日発表された米経済成長指標では、成長率は前四半期から加速したことが示された一方、インフレ圧力は和らぎつつあり、FRBによる9月の利下げ観測は揺らがなかった。

第2四半期のGDP速報値は年率換算で前期比2.8%増と、ロイターのまとめた市場予想平均の2.0%増を上回った。

週次の新規失業保険申請件数は前週比1万件減の23万5000件と、市場予想(23万8000件)以上に減少。ただ、労働市場は依然として堅調であることが示された。

「好調なGDPにも関わらず債券市場はかなり底堅く推移している。経済成長が堅調でインフレ圧力が緩和されつつあるゴルディロックス的な状況で、FRBは最終的に遅ればせながらも利下げに踏み切るだろう」と。

 

10年債利回りは2.8bp低下の4.258%。短期ゾーン金利は前日の低下から上昇に転じ、2年債利回りは2.5bp上昇の4.441%となった。2・10年債の利回り格差は、マイナス18.5bp。一時、マイナス11.3と10月23日以来の最小の逆転幅を記録した。

 

CMEのフェドウォッチツールによると、市場はFRBが7月30─31日のFOMCで少なくとも25bpの利下げを行う公算は低いとの見方を織り込んでいるが、9月の利下げは完全に織り込んでいる。

 

この日行われた440億ドルの7年債入札は、応札倍率が2.64倍と、堅調な結果に終わった。最高落札利回りは4.162%だった。

 

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.17%、10年物が2.265%だった。

 

<株式>

S&P500とナスダック総合が不安定な取引の中、下落して終了した。ダウは米国の第2四半期GDPの伸びが予想を上回ったことが支援要因となり、プラス圏で引けた。

大型株からのシフトを背景に小型株も上昇。ラッセル2000指数は1.3%高と前日の下げの一部を取り戻した。S&P小型株600指数は1.4%高。

大型株は序盤の不安定な値動きから持ち直し、午後中盤には上昇したが、その後は多くの銘柄が下落。メタ、マイクロソフト、エヌビディアは1.72.4%安で終了した。

アルファベットは3.1%下落して5月6日以来の安値で終了。2日続落した。一方、テスラは反発した。

超大型ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」の中で最初となった両社の決算がさえず、前日はこれらの株が軒並み下落し、ナスダックとS&Pは2022年以降で最悪のパフォーマンスを記録していた。

第2四半期のGDP速報値は年率換算で前期比2.8%増と市場予想の2.0%増を上回った。インフレが鈍化しており、FRBが9月に利下げを実施するという観測に変化はなかった。

IBMは4.3%上昇し、ダウの上げに寄与した。第2四半期売上高が市場予想を上回ったほか、ソフトウエア事業について通年の増収率見通しを引き上げた。

サウスウエスト航空は5.5%高。オープンシート廃止や足元に余裕のある座席提供などの変更を実施すると発表した。

第2四半期の調整後利益が予想を大幅に下回った自動車大手フォード・モーターは18.4%の大幅安となった。

 

<金先物>

利益確定の売りが台頭し、3営業日ぶりに反落した。前日比62.20ドル(2.57%)安の2353.50ドルと、今月2日以来約3週間ぶりの安値に沈んだ。

 

<米原油先物>

エネルギー需要への期待が高まる中を買われ、続伸した。WTIは前日比0.69ドル(0.89%)高の78.28ドルだった。

 

 

 

 

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