NY市場サマリーのサマリー 3/21(金):ドル小幅高、利回り上昇、株反発

ダウ +32(+0.08%)、ナスダック総合 +92(+0.52%)、米10年債利回り 4.258%、VIX 19.28

 

WTI原油 日足:3/20(木)には21日移動平均を上抜けて、3/21(金)も21MAより上で引けた。

 

<為替>
ドルが対ユーロでやや上昇した。このところ上昇していたユーロに対する利益確定の動きが出たことが背景。市場ではトランプ米大統領が4月2日に導入すると表明している「相互関税」への警戒感が広がっている。 ユーロ圏ではドイツ連邦参議院(上院)がこの日、財政規律を緩和する憲法改正案を承認したものの、利益確定の動きが出たことで、ユーロは軟調。終盤の取引でユーロ/ドルは0.3%安の1.0822ドル。週間ベースでは2月28日以来、初めて下落した。

ドルはこのところ、トランプ政権の通商政策への懸念で圧迫されていたが、FRBが利下げを急がない姿勢を示したことで(???)、今週は安心感が広がった。 今週は主要中央銀行の政策決定会合が相次ぎ、FRBが18─19日に開いたFOMCで政策金利を据え置いたほか、日銀とBOEも政策据え置きを決定した。

ドル/円は0.3%高の149.21円。 英ポンド/ドル は0.3%安の1.293ドル。 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約1%安の8万3973ドル。

<債券>
米10年債利回りが上昇した。ただ、投資家が関税の影響を巡る不確実性とFRBによる当面の金利据え置きの可能性とのバランスを取る中、上げ幅は月初からのレンジに収まった。
市場では、関税措置が短期的にインフレ高進を招き、経済成長にも悪影響を及ぼすとの懸念が広がる。ただ、これまでのところ、新たな政策の影響は経済データに反映されていないことから、市場参加者もFRBも金利水準を巡って概ね様子見の姿勢を取らざるを得ない状況となっている。

トランプ米大統領は21日、中国の習近平国家主席と会談し、関税について協議することを計画していると明らかにした。これを受けて、取引序盤で低下していた利回りは上昇に転じた。 

10年国債利回りは2.1bp上昇の4.254%。同利回りは2月25日以降、4.106─4.353%の範囲で推移している。2年債利回りは0.7bp低下の3.95%。2年債と10年債の利回り格差は約3bp拡大し、30.3bpとなった。

<株式>
S&P500とダウが小反発。ナスダック総合も約0.5%高で引けた。トランプ大統領の関税に関する発言を受け、4月初めに発動が予定される相互関税の影響に対する懸念が和らいだ。
トランプ大統領は、関税について柔軟に対応するとし、グリア米通商代表部(USTR)代表が来週、中国側のカウンターパートと協議すると見通しと述べた。関税を米国の対中貿易赤字削減に活用する方針も、あらためて示した。

S&Pは一時1%強下げる場面もあったものの、切り返した。週足では、S&Pが0.5%高、ナスダック総合は0.17%高と、ともに5週間ぶりの上昇となった。ダウは週間で1.2%高と、2カ月ぶりの大幅な伸びを記録した。

物流大手フェデックスは6.45%安。2025会計年度(2024年6月―2025年5月)の1株当たり利益見通しを下方修正したことが嫌気された。 競合のUPSも1.61%下落した。
スポーツ衣料品ナイキは5.46%安。第4四半期(3─5月)売上高が10%台半ばの減少を見込むとし、市場予想を下回った。 
一方、航空機大手ボーイングは3.06%高。トランプ大統領は、米空軍の次世代戦闘機の製造契約を航空機大手ボーイングと締結したと発表した。 
受注獲得を逃したロッキード・マーティンは5.79%下落した。
この日は株式先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なる「トリプルウィッチング」に当たり、出来高とボラティリティーが高まった。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.93対1の比率で上回った。ナスダックも1.42対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は210億5000万株と、直近20営業日の平均は164億7000万株を大幅に上回り、1月7日以来最大となった。

<金先物>
金先物相場は、週末を前に利益確定の動きが台頭し、9営業日ぶりに反落した。前日比22.40ドル(0.74%)安の3021. 40ドル。ただ、週間では0.68%上昇し、3週連続のプラスとなった。

<米原油先物>
原油先物相場は、需給引き締まりが意識される中で買われ、上昇した。この日から新たに中心限月となったWTI5月物は前日比0.21ドル(0. 31%)高の68.28ドルだった。

 

 

 

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