間質性肺炎(間質性肺疾患)の分類としてガイドラインには以下のようなさまざまな病気が挙げられています。これをみてわかることは間質性肺炎には多くの病気が含まれているということです。この図は専門的な分類なのでわかりやすく分類し直すと大きく5つに分類できます。

①異物の吸入によるもの

たばこの煙、カビ、ペットの毛、羽毛布団、粉塵・アスベストなどの吸入物質に長期間さらされていると徐々に肺の線維化が起こりえます。

 

②自身の免疫細胞の異常によるもの

自己免疫性:関節リウマチや多発筋炎・皮膚筋炎、シェーグレン症候群、強皮症、血管炎などの自己免疫疾患、肺サルコイドーシス、IgG関連疾患など

 

③医療行為による副作用・合併症(医原性)

医療行為による副作用・合併症(医原性:病院で処方される薬剤(特に抗がん剤、抗菌薬、抗不整脈薬など)の他に市販薬、漢方薬でも起こり得ます。サプリメントや健康食品の長期摂取によって発症したケースもあります。また、高濃度の酸素投与や放射線治療によっても間質性肺炎を引き起こすことが知られています。

 

④感染症

一部の特殊な感染症(マイコプラズマ・サイトメガロウイルスなど)でも間質性肺炎のパターンを呈することがあります。流行中の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症でも間質性肺炎のパターンをとることが多いです。

 

⑤その他

原因を特定できない間質性肺炎として、特発性間質性肺炎、肺サルコイドーシスなどがあります。


原因をつきとめることは間質性肺炎の診療においてとても重要です。原因によって治療が大きく異なるからです。例えば、薬が原因の間質性肺炎であれば原因となっている薬をやめることが治療になります。かびが原因であればマスクを着用したり部屋の掃除をしたりすることが治療になるからです。原因を調べるために詳しい問診と血液検査によるスクリーニング検査(拾い上げるという意味)を行います。

 

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間質性肺炎|千葉大学大学院医学研究院 呼吸器内科学 (chiba-u.ac.jp)