11月8日に京セラドーム大阪で行われた社会人野球日本選手権大会、NTT東日本×王子の観戦記です。

今年の社会人野球界は東海地区が席巻している感があり、JABA日本選手権大会優勝などにより出場権を得たチームも多く、32チームの出場のうち、10チームが東海地区、夜行バスを使った強行遠征を決行したこの日も3試合に出場する6チームのうち5チームが東海地区という「東海大会」かと思わせます。

そんな中で東京からも5チーム出場し、全チーム初戦を突破したものの2回戦ですでに4チームが敗退。関東最後の砦となってしまったNTT東日本。関東勢の意地を見せ、8強入りなるでしょうか?しかし相手は難敵、都市対抗王者の王子です。

<スタメン>

【先攻:NTT東日本】

①レフト 道原

②ショート 石井(巧)

③センター 直井

④DH 向山

⑤サード 中村

⑥キャッチャー 保坂

⑦ファースト 内山

⑧セカンド 伊東(光)

⑨ライト 井上

先発ピッチャー 長久保

【後攻:王子】

①セカンド 山口

②ショート 中川

③センター 柴崎

④レフト 吉岡

⑤ファースト 宝島

⑥DH 神鳥

⑦ライト 山ノ井

⑧キャッチャー 細川

⑨サード 前田

先発ピッチャー 九谷

都市対抗王者王子は矢場とんブースターズから転籍1年目で橋戸賞受賞、イーグルスから6位指名を受けた「シンデレラボーイ」九谷が先発です。

<試合概況>

先手を取ったのは王子。初回、1番山口、2番中川の連打で無死2・3塁のチャンスを作ります。ここで3番柴崎がレフトへ犠牲フライを打ち上げ先制します。

さらに追加点のチャンスが続きますが、NTT先発長久保が踏ん張り1点どまりとなります。

これで試合の流れがNTTに移ったか2回表、向山、中村の連打でチャンスを作ると、6番保坂の犠飛で追いつきます。

さらにチャンスを広げると8番伊東(光)、9番井上の適時打でこの回3点を奪い逆転します。

NTTは4回にも8番伊東(光)が2打席連続の適時打を放ち、王子先発の九谷をKO。

5回、7回にも追加点を奪ったNTTが先発長久保が6回1失点のQSを達成するなど盤石の試合運びで6-1で都市対抗王者王子を降し、8強進出を決めました。

 

<注目選手など雑感>

都市対抗の出場を逃したNTT東日本が都市対抗王者王子を圧倒し、関東最後の砦を守りました。

橋戸賞投手九谷攻略のキーマンとなったのが2本の適時打を放ったルーキーの伊東(光)。

下位打線ながらチャンスに結果を出し、大舞台での強さを見せました。来年の活躍次第ではドラフト候補に挙がってきそうです。

初戦をぎっくり腰の影響で欠場した4番の向山もマルチヒットに適時打1本とさすがの活躍。

ベテランの域に入ってきた選手ですが、すっかり東京を代表するスラッガーになっています。お父さんも熊谷組で活躍した名選手ですので親子そろって「ミスター社会人」と言える存在になりつつありますね。

王子撃破の原動力となったのは先発長久保の好投あってこそ。

直球のスピードはさほどありませんが、制球よく丁寧な投球でイニングを食える先発ピッチャーとして貴重な存在です。都市対抗出場を逃した悔しさを日本選手権優勝という形で晴らすことができるでしょうか?

王子は幸先よく先制しましたが、2回以降打線がつながらず、先発九谷も捕まり夏秋連覇の夢は潰えました。

しかし都市対抗でも活躍した大卒ルーキーは存在感を示しました。

若獅子賞を獲得した3番の柴崎は先制の犠飛に第2打席でも左中間を破る二塁打を放ち、鋭い打球を見せました。

大経大時代もプロ注目の選手でしたが指名漏れ。社会人1年目の活躍は実力を示すものになりましたが、飽和状態でもある左打の外野手ということもあり、圧倒的なパフォーマンスを見せ続けることでNPBへの扉をこじ開けてほしいです。

投手陣では5番手の左腕樋口が2回無失点の好投。

都市対抗決勝で先発を任され、実力のあるところを見せた左腕。先発左腕としてのニーズは高そうです。

また都市対抗優勝を経験したベテラン中堅もしっかりと仕事をしていました。切り込み隊長の大卒4年目の山口は3安打をマークし打線を牽引。

こういったしぶとい選手がいるチームは強いです。夏秋連覇は逃したものの、来季の王子も社会人球界の中心となっていくと思います。

 

NTT030110100=6

王子 100000000=1

(N)長久保、森、上出、石井(峻)-保坂

(王)九谷、宮崎、中島、浅井、樋口-細川

【勝利投手】長久保

【敗戦投手】九谷

【三塁打】

(N)伊東(光)

【二塁打】

(N)内山、保坂、道原

(王)中川、柴崎