7月8日に横浜スタジアムで行われた都市対抗野球大会西関東予選、日産自動車×東芝の観戦記です。
対抗予選に、横浜スタジアムに「NISSAN」が帰ってきました。今季16年ぶりに活動を再開した日産自動車野球部。会社の経営状況が思わしくない中、明るい話題を届けることができるか?スタンドには野球部の活動再開に合わせて復活した応援団を中心に背番号「23」のレプリカユニフォームを着た社員さんたちも詰め掛けました。
対するは東芝。復活したかつての同地区のライバル相手に負けられない一戦になりますね。
<スタメン>
【先攻:東芝】
①ショート 山田
②サード 大庭
③ファースト 下山
④セカンド 齊藤
⑤センター 光本
⑥キャッチャー 萩原
⑦DH 金井
⑧ライト 太田
⑨レフト 長沢
先発ピッチャー 松山
【後攻:日産自動車】
①センター 宮川
②レフト 朝岡
③セカンド 角田
④ライト 石飛
⑤ファースト 鍛治園
⑥サード 宮原
⑦キャッチャー 比嘉
⑧DH 山本
⑨ショート 梅澤
先発ピッチャー 島
<試合概況>
試合は点の奪い合いになります。
先手を取ったのは東芝。2回表四球の走者を置いて8番太田が右中間スタンドに先制の2ラン本塁打を叩き込みます。
しかし日産もその裏、2死走者なしから6番宮原がヒットを放つと、7番比嘉がライトスタンドに2ラン本塁打を叩き込み、同点に追いつきます。
ところが東芝は2回表、敵失を足掛かりにチャンスを作ると5番光本の2点適時打、7番金井の適時打で再度リードを奪い、4回にも2番大庭の適時打でリードを広げていきます。
このまま東芝の一方的な展開になるかと思われた5回裏、日産はこの回からリリーフの東芝2番手の笹森相手に簡単に2死を取られ1番宮川の打球もセカンドへのボテボテのゴロになります。しかし、打球の緩さが功を奏し敵失を誘うと、2番朝岡がピッチャーのグラブを弾く内野安打、3番角田もショート前のボテボテの内野安打で、まるでドラクエの「パルプンテ」の呪文が唱えられたようなチャンスメイクとなります。
スタンドの日産応援団が盛り上がる中、4番石飛が振り抜いた打球はぐんぐん伸びてライトスタンドへ!
起死回生の満塁本塁打となり、日産が同点に追いつき、日産応援席のボルテージは最高潮に達します。
直後の6回表の日産の守備では、四球とヒットで無死1・3塁のピンチを背負いますが、2者連続ショートゴロで三本間挟殺で2死までこぎつけ、5番光本のセンター後方への大きな打球も日産センター宮川が追いついて好捕。同点のまま終盤に入ります。
しかし地力、経験の面ではやはり東芝の方が上手。7回表、日産3番手の領家からこの試合先制本塁打を放っている太田がこの試合2本目となる2ラン本塁打を放ち勝ち越し。
8回にも3番下山のソロ本塁打でダメ押しした東芝が9-6で日産を振り切り、第1代表決定戦進出を決めました。
<注目選手など雑感>
東芝が打撃戦を制し、日産を振り切りました。
殊勲のヒーローは先制&勝ち越しの2本の2ラン本塁打を放った8番の太田。
智弁学園高から立大を経て入社した4年目の選手が勝負強さを発揮しました。この選手が8番にいるというのも打線の厚みを感じますね。
その太田に繋ぐ役目を果たしたのが7番の高卒4年目の金井。
2安打1打点2得点と勝利に貢献。横浜高から投手として入社しましたが、昨年から野手に転向。背番号も野手らしい「7」を背負いまだまだ伸びしろを感じさせてくれる打者です。
東芝は2番の大庭も3安打をマークし好調を維持しており、中軸の大卒3年目トリオの打棒に火がつけば第1代表の座も狙えるのではないかと思います。
敗れた日産ですが予想以上に善戦したという印象です。茨城日産から転籍した大卒2年目の石毛を除いてはオールルーキーで初めての都市対抗予選というチーム構成。
しかしながら2度同点に追いつくなど力のあるところを見せました。
同点の満塁本塁打を放った4番の石飛はマルチヒットをマーク。ライトの守備でも好守を見せ、チームの中心選手として存在感を示しています。
投手陣では4番手で登板した横浜市立大出身の友野が1回2/3を投げて無失点の好投。
球速はないものの打者のタイミングを外すような投球術を持つ技巧派左腕。投手陣の重要なピースになりそうです。
そしてこの選手たちを後押ししたのは間違いなくスタンドの大応援団。応援リーダーたちの主力は16年前の休部以前にも応援団を務めていた方たちが中心に復活したようです。
会社の経営状態が苦しく、復活した野球部を維持できるのかなど先行きは決して楽観できるものではない状況ですが、野球部の存在・活躍が社員の方々に明るい話題をもたらせてくれるのではないかと思います。池井戸潤さんの社会人野球を題材にした小説「ルーズヴェルト・ゲーム」の「青島製作所」を思い起こさせるような光景でした。
新生日産自動車は翌日の敗者復活トーナメント初戦を制し、次戦クラブチームの全川崎クラブとの第2代表決定戦進出をかけた試合に臨みます。ルーキー軍団の旋風に期待をしたいです。
東芝023100210=9
日産020040000=6
(東)松山、笹森-萩原、中村
(日)島、安藤、領家、友野-比嘉
【勝利投手】笹森
【敗戦投手】領家
【本塁打】
(東)太田、太田、下山
(日)比嘉、石飛


















