6月14日に明治神宮球場で行われた全日本大学野球選手権大会決勝戦、慶応大×関西大の観戦記です。
準決勝で連覇を狙う東北福祉大相手にエース渡辺の8連続を含む15奪三振の快投で勝利し決勝に進んできた慶大。5年ぶりの優勝を狙います。
対するは準決勝で東都王者國學院を下し、強力投手陣で勝ち上がってきた関西大。勝てば1972年以来54年ぶりの優勝となります。その時の決勝の相手はくしくも慶応。大学選手権を制するのは「陸の王者」慶応か?「カイザー(皇帝)」関大か?
<スタメン>
【先攻:関西大】
①センター 余河
②セカンド 金森
③ライト 中村
④レフト 山本
⑤ショート 宮本
⑥DH 澤村
⑦キャッチャー 笠井
⑧サード 森内
⑨ファースト 加藤
先発ピッチャー 米沢
【後攻:慶応大】
①センター 丸田
②ショート 林
③DH 小原
④セカンド 今津
⑤レフト 一宮
⑥ファースト 吉野
⑦ライト 横地
⑧キャッチャー 吉開
⑨サード 上田
先発ピッチャー 水野
慶応は報道にもありましたが前日107球を投じた渡辺をこの日は登板させず、3年生右腕の水野を先発に起用。対する関大は前日5回1失点で降板後、発熱で病院に向かったと報じられた米沢が連日の先発と好対照の投手起用となりました。
<試合概況>
序盤は両校走者を出しますが先発投手が踏ん張りを見せスコアレスで終わります。
試合が動いたのは4回表、関大は1死1・2塁のチャンスを作ると8番の主将森内がレフトへ適時打を放ち、1点を先制します。
関大は続く5回にも慶応2番手の広池から4番山本が右中間スタンドに運ぶソロ本塁打を放ち、リードを2点に広げます。
慶応は5回裏、先頭の横地がヒットで出塁すると犠打で得点圏に進めチャンスを作ります。しかし関大先発米沢がギアを一段上げ、連続三振で得点を許しません。
関大は6回から3年生の大型左腕百合澤に継投し、逃げ切りを図ります。
7回まで無得点の慶応は8回表、先頭の丸田が四球を選び出塁し、続く2番林のショートゴロの間に一気に3塁を陥れる好走塁を見せます。
続く3番小原の内野ゴロの間に生還し、ノーヒットで1点差に詰め寄ります。
試合はこのまま9回裏へ。関大は4年生右腕の中原をマウンドに送ります。
しかし慶応もただでは終わりません。先頭の一宮が左中間を破る二塁打で出塁すると、続く吉野が死球で出塁。ここで「ピンチバンター」に起用された村岡に対し中原は3ボールと制球が定まりません。しかしここで開き直ったか村岡にバントをさせず三振を奪うと、慶応の代打攻勢も何のその、代打渡辺(憩)、代打藤田と三振と三者連続三振締めで試合終了。
関大が1点のリードを守り切り、54年ぶりの優勝を果たしました。
<注目選手など雑感>
関西大が協力投手陣の継投で54年ぶりの優勝をつかみ取りました。
先発の米沢は体調がよくない中で5回無失点としっかりと試合を作りました。1回戦で見せた奪三振ショーとはいきませんでしたが、コンディションがよくない中で打たせて取るような省エネ投球を見せ、大会MVP獲得となりました。
ケガなどもありましたが昨秋までリーグ戦未勝利だった投手が一気に日本一まで駆け上がった形になりました。
米沢の後を継いだ投手陣もしっかり持ち味を発揮。
2番手の3年生百合澤は3回1失点3つの三振を奪う好投。190センチ近い長身から筆者が確認したところではMAX151キロのストレートを投げ込みリードを守りました。まだまだ伸びしろがたっぷりありそうで、この先の成長も楽しみな投手です。
最終回のピンチを締めくくった中原は「中原の20球」と名付けてもいいような劇場ぶり。しかしラストの三連続三振はお見事の一言。力のあるストレートはリリーバーとしての適性十分ですね。
強力投手陣にどうしても目が行きがちですが、野手陣もしっかり自分たちの仕事を果たしているのが関大の強さ。決勝打を放った主将の森内のキャプテンシーの高さを感じさせられ、大学選手権優勝校にふさわしいチームだと感じました。
秋の連覇にも期待ですが、関西学生連盟も立命館、近大など強敵が多く一筋縄ではいかない戦いになりそうです、強力投手陣とチーム力で再び神宮に戻ってきてほしいです。
敗れた慶応は負けて強しの印象は残しました。エース渡辺が登板できない中、投手陣は5投手の継投で関大打線を2点に抑えました。秋は渡辺の負荷をいかに減らせるかがカギになりそうです。
野手陣は慶應義塾高全国制覇メンバーの丸田が試合概況に記した通り8回の得点につなげた好走塁を見せ隙の無さを見せました。
また5番の二年生一宮は2安打にレフト守備でも攻守を見せ存在感を発揮。
下級生もしっかり結果を残していますので、秋の東京六大学リーグも慶応が中心になっていきそうですね。
関西大000110000=2
慶応大000000010=1
(関)米沢、百合澤、中原ー笠井
(慶)水野、広池、竹内、鈴木、熊ノ郷-吉開、加藤
【勝利投手】米沢
【敗戦投手】水野
【本塁打】
(関)山本
【二塁打】
(関)宮本
(慶)一宮


















