非常に考えさせられるニュースがありました。
ウエスタンリーグに参戦しているくふうハヤテベンチャーズが元NTT東日本の野口泰司捕手と5/1付で契約したと発表がありました。
名城大時代から強打の捕手としてドラフト候補に上がりながらも指名漏れ。NTT東日本でもU-23日本代表に選ばれましたが、解禁年の昨年のドラフトで指名漏れとなっていました。
3年目を迎える今季も「GRANDSLUM」の名鑑にも掲載されていたようにNTTでプレーをするものと思われましたが、3月下旬にNTTを退社し、4月に行われたくふうハヤテのトライアウトを受けての合格、入団となったようです。
このような野口の退社、くふうハヤテへの入団の流れの背景としては、都市対抗野球、日本選手権といった社会人野球の二大大会などほとんどの大会が負けたら終わりの一発勝負のトーナメント戦であり、春先のJABA大会などでは若手を起用しながらもいざ二大大会となると、信頼と実績のあるベテランの起用が増えNPBへのアピールの場が減ってしまうことが多いこと。特に経験を有するキャッチャーというポジションではその傾向が強く見られますね。
また社会人野球(日本野球連盟登録チーム)に在籍する選手は「『技術向上と社会教育』という育成制度の理念から外れる」として明確な規定こそないものの育成ドラフトでの指名は原則行われていないということがあります。
こういった状況下である意味ロールモデルとなったのが、昨年の育成ドラフトでホークスに指名された大友宗の例。
帝京大から日本通運に進むも、正捕手にはベテランの木南(昨年限りで勇退)がいたため、なかなか捕手としての出場機会を得られず、2年目のオフに日本通運を退社。ルートインBCリーグの茨城に入団し、持ち前の強打をアピールし育成ながらドラフト指名につなげました。
この大友の成功例を受けて、昨年青学大から西濃運輸に入社したものの、正捕手に強打の捕手城野がいたため出場機会が得られなかった佐藤英雄(写真は大学時代のもの)もオフに1年で退社、今季からルートインBCリーグの埼玉武蔵に加入しています。
ただ、シーズンオフに退社した大友、佐藤に対し、3月末に退社した野口のケースはシーズンイン直後という異例のケースであり、「不義理」とも取れるタイミングだと思います。
また、3名とも入社して1~3年の期間で「戦力外」という形ではなく独立リーグなどに転籍するというのも、出身大学と企業チームのパイプ、信頼関係に影響を及ぼさないものなのかといらぬ心配もしてしまいますね。
このような状況の改善策としては、社会人チームの選手も本人が希望し、会社側が同意した場合は育成指名を認めるべきではないのかなと考えます。そろそろちゃんと明確なルール作りをしないと今回の野口のようなケースが増えていくような気がします。
とはいえ、退路を断ってNPBを目指す決断をした野口、佐藤の両選手には育成指名と言わず、支配下枠指名を受けるくらいの圧倒的な活躍を見せてほしいですね。



