7月7日に府中市民球場で行われた全国高等学校野球選手権大会西東京大会、日大櫻丘高×都立石神井高の観戦記です。

1972年のセンバツ高校野球で「ジャンボ」仲根正広投手を擁し優勝した実績のある日大櫻丘。近年は1勝できるかできないかという状況のようですが、現役日大生の出口監督の下で夏の大会に挑みます。

対するは都立の石神井。秋春ともにブロック予選で敗退していますが、夏にどんな結果を残すでしょうか?

 

<スタメン>

【先攻:都石神井高】

①ライト 志藤

②ショート 小玉

③サード 丸谷

④センター 矢作

⑤ファースト 十河

⑥レフト 増田

⑦キャッチャー 大和田

⑧ピッチャー 古作

⑨セカンド 糸久

 

【後攻:日大櫻丘高】

①ライト 小嶋

②ショート 河部

③セカンド 戸村

④キャッチャー 並木

⑤センター 今井

⑥レフト 小住

⑦ファースト 畑山

⑧ピッチャー 鈴木

⑨サード 藤田

<試合概況>

先制したのは石神井、初回から積極的な攻撃を見せます。

1死後2番小玉が死球で出塁すると、3番丸谷のヒットで小玉が3塁を狙いますが、櫻丘ライト小嶋の好返球で憤死。しかしその後満塁とすると6番増田のピッチャーゴロを弾く間に1点先制。2塁走者も果敢に本塁を突きますが、ピッチャーが弾いた打球を落ち着いて処理したサードの送球で本塁タッチアウトとなります。

先制された櫻丘は3回にチャンスを作ると、2番河部の犠飛で同点に追いつきます。

試合は同点のまま前半を終了。グラウンド整備、クーリングタイムを挟んで迎えた6回に大きく試合が動きます。

日大櫻丘は6回のマウンドに背番号1の田中を送りますがヒットと2つの四球で無死満塁のピンチを作ってしまいます。ここでファーストに回っていた先発の鈴木を再登板させますが、内野ゴロと8番古作のスクイズで2点の勝ち越しを許してしまいます。

しかしその裏日大櫻丘は先頭の小嶋がセフティーバントを決めると、内野安打と敵失で同じく無死満塁のチャンスを作ります。ここで4番の並木が走者一掃となるレフトオーバーの適時二塁打を放ち試合をひっくり返します。

試合はその後両校投手の踏ん張りで日大櫻丘1点のリードのまま9回を迎えます。

7回途中から登板の日大櫻丘4番手渡口は簡単に2死を取りますが、石神井も粘りを見せヒットと四球でこの試合3安打をマークしている4番の矢作に繋ぎます。長打が出れば逆転の場面でしたが矢作の打球はライトフライとなり試合終了。日大櫻丘が接戦をものにしました。

 

<注目選手など雑感>

1点を争う締まった試合となりました。

勝った日大櫻丘では何といっても逆転打の4番並木が最大の殊勲者。

リードを許した直後のチャンスの場面できっちり仕事を果たし、守ってもキャッチャーとして3人の投手をリードし勝利に貢献しました。

また1番の小嶋は3安打で打線を牽引。6回の先頭打者として相手にボディーブローのように効いたセフティーバントはお見事でした。

守っては3人の投手継投でリードを守り切りましたが、先発の鈴木は途中ファーストに回りましたが都合6回1/3を投げて自責点0の好投。

ゲームメイク力はありそうで、学生監督である出口監督の継投策が次戦以降の勝利のカギになりそうですね。

敗れた石神井ですが、2度リードを奪うなど互角の戦いを見せました。

4番で主将の矢作は9回のチャンスで凡退し、悔しさをにじませていましたがそこまでの3安打の猛打は立派なもの。最終回の粘りもチーム全体で矢作に繋ごうという意思が感じられ、チームワークの良さが伝わってきました。

そんなチームワークの良さを象徴していたのが試合前にノックを行った助監督としてベンチ入りした女子部員の3年生木村さん。

さすがに緊張したか、一球目はやや打ち損じてしまいましたがその後は堂々たるノックを披露。

試合中も木村さんのノックに応えるかのように、パンフレットにも掲げる「攻める守備」で好ゲームに持ち込みました。先発の古作と捕手の大和田など2年生も多く残りますので、新チームでの活躍に期待したいですね。

 

都石神井高100002000=3

日大櫻丘高00100300X=4

(石)古作、徳山-大和田

(櫻)鈴木、田中、鈴木、渡口-並木

【勝利投手】渡口

【敗戦投手】古作

【二塁打】

(櫻)並木