5月18日に八戸市長根公園野球場で行われた高校野球春季青森大会3回戦、八戸高×八戸工大一高の観戦記です。

東北遠征2日目は青森八戸へ。強豪校と評判の好投手が揃うカードとあってワクワクで球場へ向かいました。

1試合目のカードは昨年秋の大会のベスト8同士の対戦で勝てば夏のシード権が得られる一戦です。

公立の八戸高は青森勢で初めて甲子園に出場した古豪で春1回夏6回の甲子園出場経験あり。対する八戸工大一高も春1回、夏5回の甲子園出場経験のある強豪。近年は青森山田、八戸学院光星の2強の前に甲子園から遠ざかっており、八戸工大一高は2010年夏、八戸高は1994年夏が最後の出場になっています。今年の青森も山田、光星の2強状態ですが、まずは夏のシードを確保して久しぶりの甲子園につなげたいところです。

 

<スタメン>

【先攻:八戸工大一高】

①センター 今野

②ショート 山田(皇)

③ファースト 田口

④レフト 吉田(幸)

⑤ライト 石戸

⑥セカンド 坂上

⑦ピッチャー 杉村

⑧キャッチャー 山田(颯)

⑨サード 小島

 

【後攻:八戸高】

①サード 尾形

②センター 池田

③キャッチャー 川田

④ファースト 工藤

⑤ピッチャー 上寺

⑥ライト 三浦(侑)

⑦セカンド 佐々木

⑧レフト 横山

⑨ショート 長谷川

 

お目当てだった高校日本代表候補の八戸工大一・金渕は温存。勝てば翌日に八戸学院光星との準々決勝の可能性が高いため致し方なしか。八戸高には金渕を引きずり出す試合展開に持ち込んでほしいところです。

 

<試合概況>

初回八戸工大一高が大技小技で先制パンチを入れます。

1番の今野がショートへの内野安打とエラーで2塁へ。2番山田(皇)の犠打がバントヒットになりチャンスを広げると、3番田口がスクイズを決め先制します。

さらに4番吉田(幸)がレフトスタンドに2ラン本塁打を叩き込み、この回3点を奪い試合の主導権を握ります。

試合の主導権を握った八戸工大一は、3回4回にも加点しリードを広げます。先発の杉村も八戸打線を散発の4安打に封じ付け入るスキを与えません。

迎えた7回表、八戸工大一は6回からリリーフに立った八戸2番手の工藤に襲い掛かります。

3番田口の二塁打を足掛かりに、代打米谷の適時二塁打、6番坂上の2点適時打、8番山田(颯)の適時打などでこの回5点のビッグイニングを作ります。

その裏、八戸工大一は2番手の上小路が八戸高打線を三者凡退に斬り、コールド成立。八戸工大一が10-0で快勝しました。

 

<注目選手など雑感>

高校日本代表候補の金渕を温存しながらも八戸工大一が地力の差を見せる試合となりました。

先発の杉村は6回無失点4つの三振を奪う好投。

上背はありませんが丁寧な投球をみせ、ゲームメイク力の高さをうかがわせました。高校日本代表候補の金渕がいながらも背番号1を背負うことから安定感では杉村の方があるんではないでしょうか?

打線では4番の吉田(幸)が八戸高の出鼻をくじくような見事な一発を放つなどマルチヒットをマーク。

好投手の多い今年の青森の高校野球ですが、4番バッターとして投手陣を援護していくことが2010年以来の甲子園に近づくことになりそうです。

3番の田口は2年生ですが、初回のスクイズに犠飛でも打点を稼ぎ、最終打席ではコールド勝ちを決めるビッグイニングの口火を切る二塁打を放ち、チャンスメーカーの役割も果たしました。

翌日の準々決勝では八戸学院光星相手に田口の適時打などで得点を奪い、満を持して登板の金渕が8安打を浴びながらも完封勝利で4強進出を決め、夏の大会での山田、光星の2強突破にも期待が持てそうですね。

敗れた八戸は投手陣が踏ん張れず、秋に続いての8強入りはなりませんでした。夏に向けて課題は残りましたが、県立の古豪らしくよくまとまったチームという印象を受けました。

2番の池田はマルチヒットと気を吐きました。

手堅い野球で強豪私学と渡り合って、古豪復活を果たしてほしいなと思います。

 

工大一高3011005=10

八戸高 0000000=0

<7回コールド>

(工)杉村、上小路-山田(颯)

(八)上寺、工藤-川田

【本塁打】

(工)吉田(幸)

【二塁打】

(工)山田(皇)、田口、米谷