5月11日に越谷市民球場で行われた首都大学野球連盟春季リーグ戦、城西大×筑波大の観戦記です。
優勝候補日体大のまさかの不調で最下位争いも大混戦の首都大学野球連盟。最終週を残して日体大、筑波大、城西大の3校が勝ち点1の状況。この試合を制して勝ち点を2に伸ばせれば最下位と入替戦回避が濃厚となる両校負けられない戦いとなりそうです。
<スタメン>
【先攻:城西大】
①ショート 松川
②セカンド 勝田
③ライト 恋田
④サード 坂口
⑤DH 鈴木(壮)
⑥ファースト 近藤
⑦センター 保田
⑧レフト 武井
⑨キャッチャー 秋山
先発ピッチャー 長(琉)
【後攻:筑波大】
①セカンド 永戸
②レフト 川上
③ショート 宮澤
④ライト 松永
⑤ファースト 米田
⑥サード 長田
⑦キャッチャー 西川
⑧DH 塩
⑨センター 岡城
先発ピッチャー 一井
<試合概況>
先手を取ったのは城西。3回表、8番武井が二塁打を放つと、1番松川がレフトへ適時二塁打を放ち先取点を奪います。
さらに筑波のバッテリーエラーで3塁に進むと、スクイズで1点を追加しこの回2点を奪います。
対する筑波は5回裏、7番の西川がレフトスタンドにソロ本塁打を叩き込み、1点を返します。
さらに続く6回裏、筑波は先頭の3番宮澤がヒットで出塁すると、4番松永が右中間を破る二塁打を放ち、同点に追いつくと、5番米田の犠打が城西守備陣の乱れを誘い、2塁走者が生還し逆転に成功します。
ところが城西も負けておらず直後の7回、9番秋山がレフトスタンドへ本塁打をはなち同点に追いつきます。
試合はこのまま両校譲らず、延長10回からタイ・ブレークに突入します。
10回表城西は無死1・2塁のタイ・ブレークの場面で試みた送りバントが1-5-3の併殺となる最悪のパターンに。しかし、代打菅原が嫌なムードを断ち切るように適時打を放ち、1点のリードを奪います。
その裏筑波は無死1・2塁で犠打をきっちり決め、1死2・3塁とすると城西ベンチは4番松永を申告敬遠で歩かせ満塁に。しかし、続く代打小田切に痛恨の押し出し四球を与えてしまい同点に。
そして続く6番1年生の長田がレフトへ犠飛を打ち上げ、3塁走者が生還。
筑波が土壇場の粘り腰でサヨナラ勝ちを収め、勝ち点を2に伸ばしました。
<注目選手など雑感>
両校の負けられない思いがぶつかったシーソーゲームとなりましたが筑波が競り勝ちました。
殊勲のサヨナラ打の長田は國學院栃木出身の1年生。
スタメン起用が続いている期待の1年生が上級生でもしびれるような場面で殊勲のサヨナラ打を放ちました。この経験がこの先大きな自信になりそうです。
2年生ながら4番を務める日大三島出身の松永は鋭い打球を飛ばし、中軸の役目を果たしました。
3番の花巻東出身の2年生宮澤を含め、甲子園経験がある下級生がチームの中心に座ることで、公立校出身者の多い国立大のチームにいい影響を及ぼしていると思います。
投手陣では先発の一井が7回3失点と先発の役目を果たしました。
驚くような球速はありませんが丁寧な投球で試合を作った4年生左腕は都立の武蔵野北高出身。この日の筑波は2番手長曽我部は大阪・北野高、3番手平井(俊)は木更津高という公立進学校出身者のリレーでした。こういったところは筑波らしいですね。
敗れた城西はこれで3勝6敗。入替戦回避には最終週での勝ち点奪取は必須となりそうです。
しかし他校との実力はこの試合の通り紙一重。選手たちもタレント豊富で4カード終え勝ち点が1というのもやはり「首都劇場」の厳しさを物語っていますね。
そんな中で1番の松川は適時打を含むマルチヒットをマーク。
昨年秋の大学代表候補合宿にも召集された3年生は、その際に参加者トップの50m走のタイムをたたき出したように俊足も魅力。この試合は3番恋田、4番坂口に当たりがなかったため得点につながりませんでしたが、松川がこの調子を維持し恋田、坂口のバットが火を噴けば、最終カードが優勝を決めた帝京大とはいえ、勝ち点奪取も決して夢物語ではないと思います。
城西大0020001001=4
筑波大0000120002X=5
<延長10回からタイ・ブレーク、サヨナラ>
(城)長(琉)、阿部-秋山
(筑)一井、長曽我部、平井(俊)-西川
【勝利投手】平井(俊)
【敗戦投手】阿部
【本塁打】
(城)秋山
(筑)西川
【二塁打】
(城)武井、松川
(筑)松永