5月6日に俣野公園野球場で行われたルートインBCリーグ公式戦、神奈川フューチャードリームス×茨城アストロプラネッツの観戦記です。
近年育成枠のみならず、支配下枠での指名も増えてきている独立リーグ。企業チーム所属選手もNPBへのチャンスを広げるため、トップ写真の選手のように企業チームから転籍する選手も目立つようになりました。
<スタメン>
【先攻:茨城AP】
①ライト 土田
②セカンド 米倉
③レフト ジョ
④サード ラブラダ
⑤DH 大友
⑥キャッチャー 佐藤
⑦センター 瀧上
⑧ファースト 北原
⑨ショート 陽
先発ピッチャー 根岸
【後攻:神奈川FD】
①センター 齋藤
②セカンド 粟飯原
③レフト カレオン
④ショート 桂川
⑤DH 藤田
⑥サード 蓮
⑦ファースト 熊谷
⑧キャッチャー 井上
⑨ライト 山口
先発ピッチャー 安里
両チームの先発ピッチャーは奇しくも企業チームからの転籍者同士。茨城の根岸はJFE西日本から、神奈川の安里は日立製作所からBCリーグに転じてきた投手です。野手でも茨城の大友は日本通運から、神奈川の齋藤は西濃運輸からの転籍です。
その他のスタメン選手も経歴は様々。神奈川の粟飯原、蓮はベイスターズから派遣の育成選手。国籍も様々で茨城のジョは韓国、ラブラダはキューバ、陽は台湾、神奈川ではカレオンが出身は神奈川ですが、ルーツはフィリピンでフィリピン代表歴あり。スタメンは外れていますがWBCチェコ代表のプロコップも控えており、控え選手を含めると日本以外に7か国の選手が在籍している国際色豊かなカードになりました。
<試合概況>
先制したのは神奈川。2回裏4番桂川の三塁打で出塁すると、6番蓮の振り逃げの間に生還し1点を奪います。
茨城は4回に反撃。この回先頭の米倉がヒットで出塁すると、3番ジョがライト前ヒットでチャンスを広げます。この打球を神奈川ライトがエラーする間に米倉が生還し同点に追いつきます。
さらに4番ラブラダがライトに適時二塁打を放ち逆転に成功します。
しかし神奈川はその裏、3番カレオンが内野安打で出塁すると、4番桂川がレフトスタンドに運ぶ2ラン本塁打を放ち再度リードを奪います。
しかししかし、茨城も直後の5回表、8番北原がライトスタンドへ同点本塁打を叩き込み試合を振り出しに戻します。
しかし首位を走る神奈川は地力の差を見せつけます。その裏、1番齋藤の適時打で勝ち越すと、押し出しや敵失なども重なり6点を奪うビッグイニングを作り試合を決定づけます。
神奈川は以降6投手の継投で茨城の反撃を許さず,9-3で勝利しました。
<注目選手など雑感>
神奈川が首位争いをしている実力を見せ、中盤に突き放し快勝しました。
打線では4番の桂川が2ラン本塁打を含む長打2本を放ち強打を見せました。
チームのキャプテンも務める中心選手。打線の中心としてチームを勝利に導くことでNPBへの道を拓きたいところですね。パンチ力は魅力だと思います。
さすがNPBという実力を見せたのはベイスターズから派遣されている2番の粟飯原。
3本のヒットをマークしチャンスメイク。支配下枠で入団も2年で育成契約となっただけに、神奈川で圧倒的なパフォーマンスを見せて支配下枠復帰を目指してほしいです。まだ高卒3年目と若いので実戦経験を積むことでレベルアップにつながると思います。
先発の安里は5回3失点で降板も打線の援護もあり無傷の4勝目をマークし、勝利数でトップに立ちました。
東海大相模高→東海大→日立製作所というエリートコースともいえる経歴を積んできた25歳はNPBへのラストチャンスをつかむべく、BCリーグに転じてきました。この日も初回に三者三振を奪うなどイニング数を上回る三振を奪っており、変則気味の左腕という武器をアピールできればNPBへの道も見えてくるのではないでしょうか?
また神奈川では途中出場のプロコップは先述の通りWBCチェコ代表。
まだまだ出場機会も少なく結果を残せていませんが、ここでの経験を母国に還元していってほしいですね。
敗れた茨城は最下位と苦しいチーム状況ですが中盤まではよく善戦しました。
4番のラブラダは適時打を含むマルチヒットをマーク。
粗削りな感じはありますが、パワーはあり日本でチャンスをつかみに来たというハングリーさを感じさせられました。
様々な経歴を持つ両チームの選手たち、今季の活躍で次のステージに進む選手が一人でも多く出ることを願いたいですね。
茨城AP 000210000=3
神奈川FD 01026000X=9
(茨)根岸、塚田、福田、阿曽、浅野―佐藤
(神)安里、増子、マルティネス、池内、重吉、関野―井上
【勝利投手】安里
【敗戦投手】根岸
【本塁打】
(茨)北原
(神)桂川
【三塁打】
(神)桂川
【二塁打】
(茨)ラブラダ
(神)井上