4月27日に明治神宮球場で行われた東京六大学野球連盟春季リーグ戦、明治大×早稲田大の観戦記です。

主将でドラフト候補の宗山が2月のオープン戦で死球を受け右肩甲骨骨折で全治3か月、春季リーグ戦の出場は絶望的と言われていましたが、驚異の回復力で開幕に間に合わせてきました。開幕カードとなった東大戦では2試合で34得点という無慈悲な猛攻で連勝してきました。宗山の復帰で打線に心配はなさそうですが、東大2回戦で8失点した投手陣に不安があるか?

対するは立教相手に3回戦までもつれ込みながらも勝ち点を奪ってきた早稲田。リリーフの1年生安田に2勝がついており、ラッキーボーイの誕生でしょうか?この試合でも出番がありそうです。

 

<スタメン>

【先攻:早稲田大】

①センター 尾瀬

②ショート 山縣

③ライト 吉納

④キャッチャー 印出

⑤ファースト 前田(健)

⑥サード 田村

⑦セカンド 中村(敢)

⑧レフト 寺尾

⑨ピッチャー 伊藤(樹)

【後攻:明治大】

①センター 直井

②レフト 飯森

③ショート 宗山

④ライト 横山

⑤ファースト 加藤

⑥セカンド 木本

⑦キャッチャー 小島(大河)

⑧サード 友納

⑨ピッチャー 浅利

<試合概況>

先制したのは早稲田。2回先頭の印出がショート宗山の送球エラーで出塁すると、暴投などで得点圏に進み、7番中村(敢)の適時打で先制します。

早稲田は3回にも無死1・2塁で2番山縣の送りバントを処理したピッチャー浅利が3塁へ悪送球。1塁走者まで生還し、2点を追加、リードを3点に広げます。

嫌な形で失点を重ねた明治ですが5回に反撃開始。直井、飯森の連打でチャンスを作ると、3番宗山の適時打で1点を返し、さらに4番横山が左中間を破る適時二塁打を放ち、4連打で同点に追いつきます。

明治は続く6回にも四球を足掛かりに、1番直井の適時打で勝ち越しに成功し、序盤の嫌なムードを断ち切り、継投で逃げ切りを図ります。

しかし8回表4番手山田が2つの四死球でピンチを作ると、早稲田は代打攻勢に出ます。代打吉田のサードゴロがエラーとなり満塁とすると、代打2番手の梅村がライト前へ同点適時打を放ち試合を振り出しに戻します。

早稲田は9回にも明大5番手千葉から四球とヒットでチャンスを作ると、代打松江がライト前に勝ち越しの適時打を放ち土壇場でリードを奪います。

9回裏、明治は2つの四球とヒットで1死満塁と早稲田2番手の香西を攻め立てます。ここで早稲田ベンチが動き、リリーフに1年生の安田を投入。

一打逆転サヨナラのしびれる場面でしたが、安田は落ち着いて4番横山を浅いレフトフライ、5番加藤をセンターフライに討ち取りピンチを切り抜け試合終了。早稲田が逆転で明治を降し先勝しました。

 

<注目選手など雑感>

観てる側としては面白いシーソーゲームでしたが、両校の監督としてはイライラ、胃の痛い試合展開だったと思います。

勝った早稲田は後半のベンチワークが冴え、同点打の梅村、勝ち越し打の松江と控え選手がきっちり結果を出しました。

昨秋あたりから早稲田の代打陣が少ないチャンスを活かす場面に出くわすことが多いのですが、小宮山マジックとでもいうべきものなのでしょうか?

そして9回裏の大ピンチにリリーフに立った安田の好投につきます。

プロ野球であれば見事な火消しで「セーブ」獲得といったところですが、立教戦での2勝と合わせ勢いに乗ってますね。今後もリリーフの切り札としていくのか?先発で起用するのか?動向にも注目です。

しかし、小宮山監督としてはエースとして期待を寄せている伊藤(樹)の投球内容にはお怒りが増しているのではないでしょうか?イマイチピリッとしない投球内容は気がかりです。

敗れた明治は投手陣の不安が的中。3失策がことごとく点に絡み「負けに不思議の負けなし」の試合展開でした。投手陣も先発の4年生浅利が自滅のような展開で、終盤の継投もバタつく感じでした。投手陣に大きな柱がいないのが今後の不安材料になりそうです。

一方の打線は東大戦の好調は維持しており、1・2番コンビの直井、飯森が3安打づつをマークし攻撃の起点として機能しました。

しぶとい打撃に俊足も備えている五月蠅いコンビが塁上を賑わせば一挙に大量得点のパターンとなりそうで、戦力的にはやはり優勝争いの中心になりそうです。

この記事を書いている段階で2回戦は明治が雪辱で決着は3回戦へ。勝ち点を奪った方が優勝へ大きく前進しそうですね。

 

早大012000011=5

明大000031000=4

(早)伊藤(樹)、香西、安田-印出

(明)浅利、松本(直)、毛利、山田、千葉-小島(大河)

【勝利投手】香西

【敗戦投手】千葉

【二塁打】

(明)木本、横山