福島県福島市のあづま総合運動公園内にある1986年9月完成の県営球場です。

完成当初は東北6県で最大規模の野球場であり、会場翌年の1987年5月にはブレーブス×オリオンズの対戦カードで初めてプロ野球が開催され、のちに照明設備も増設されプロ野球だけでなくアマチュア野球にも幅広く開催されるようになりました。

2017年3月には国際オリンピック委員会理事会において2020年東京オリンピックの野球・ソフトボール競技のサブ会場になることが承認され、その準備として全面人工芝化、外野フェンスの衝撃吸収材の変更など約13億円の改修工事が行われ現在の姿になりました。

コロナ禍で開催が1年延期となりましたが、2021年7月21~22日にソフトボール競技が、7月28日には野球競技が無事に開催されました。球場正面にはオリンピック開催を記念する記念碑が設置されています。

球場設備は円形のコロシアム風のもので、オリンピックに合わせて整備された全面人工芝のフィールドは公認野球規則に則った両翼100m、中堅122mの広さ。照明設備にフルカラーLED式のスコアボードを有しています。横長のスコアボードはかつての西武ライオンズ球場を思い起こすようなものです。

観客席も収容能力30,000人と立派なもので内野席はすべてセパレート型のものになっています。

ただ、この球場の難点は市街地から遠いこと。バス路線は出ていますが福島駅から約30分とかなり遠く、東北楽天イーグルスも創設当初はこの球場で公式戦を開催していましたが近年は郡山の開成山球場での開催にシフトするなどNPB公式戦からは少し遠ざかっている状況です。設備は申し分ないだけに少々もったいないですね。

それでも高校野球の公式戦に使用され、またBCリーグ福島レッドホープスの公式戦も2023年に5年ぶりに開催されるなど幅広く使用されています。また2023年には福島市出身の作曲家で、「栄冠は君に輝く」やジャイアンツの球団歌「闘魂こめて」、タイガースの球団歌「六甲おろし」を作曲した古関裕而氏が2023年に野球殿堂入りしたことを記念し、古関氏に応援歌を作曲してもらった縁のある早稲田と慶応が11月に当球場で「全早慶戦」を開催しました。古関氏と縁があるジャイアンツ×タイガースの公式戦がこの球場で行われたら大いに盛り上がりそうですね。

 

【所在地】福島県福島市佐原字神事場(福島県あづま総合運動公園内)

【球場データ】両翼:100m 中堅:122m 内外野:全面人工芝 スコアボード:電光掲示板 照明:あり 収容人員:30,000人

【アクセス】JR福島駅よりバス「佐原、佐原・四季の里」行で「あづま総合体育館前」または「あづま陸上競技場前」下車(福島駅から約30分)