7月9日に鶴岡ドリームスタジアムで行われた全国高等学校野球選手権山形大会、米沢興譲館高×4校連合の観戦記です。

高校野球の序盤戦はいろいろな野球場を使うので、未訪問球場訪問をかねて勇んで東北遠征に出ましたが、天候に恵まれず…。2日目に何とか訪問したかった鶴岡ドリームスタジアムで試合を観戦することができました。

この試合に登場するのは米沢興譲館高。米沢藩校の流れをくむ伝統校で、野球界では2023年現在最後のシーズン30勝投手となっている皆川睦雄氏を輩出しています。偉大な野球人の後輩たちの実力はいかに?

対するは北村山高、新庄南高、天童高、谷地高の4校の連合チーム。スタンドにはトップ写真のように4校分の横断幕が掲げられました。

 

<スタメン>

【先攻:4校連合】※【】は所属校

①ショート 渡邉【谷地】

②ライト 小笠原【新庄南】

③センター 佐藤(慎)【谷地】

④ピッチャー 高橋【北村山】

⑤キャッチャー 岸【北村山】

⑥レフト 佐藤(颯)【北村山】

⑦サード 佐藤(希)【北村山】

⑧ファースト 加藤【北村山】

⑨セカンド 瀬野【北村山】

 

【後攻:米沢興譲館高】

①ライト 三浦

②セカンド 吉田

③ピッチャー 鈴木

④サード 五賀

⑤キャッチャー 青木

⑥ショート 髙橋

⑦ファースト 片桐

⑧レフト 安原

⑨センター 竹田

 

<試合概況>

プレイボール直後、心配していていた雨が強くなり、試合は一時中断。雨脚が一時的に強まり、20分ほどで雨は上がったもののグラウンドはこんな状態に。

ここから大会補助員の鶴岡東高の野球部員や両チームのマネージャーたちの必死のグラウンド整備で試合再開となりました。

再開直後の1回裏、4校連合先発高橋の制球が乱れ、米沢興譲館が2つの押し出しで2点を先制します。

2回にも米沢興譲館はバッテリーエラーで1点を追加しますが、4校連合も3回表、敵失が絡んで1点を返します。

しかし、米沢興譲館は3回裏2つの押し出しとバッテリーエラーで3点を追加、5回には3番鈴木の犠飛で1点を加えリードを6点に広げます。

コールド負け寸前となった4校連合ですが、ここから粘りを見せます。

6回表、4校連合は4番高橋の二塁打を足掛かりに、代打秋場の適時打と押し出しで2点を返します。

続く7回にも4番高橋の適時三塁打と犠飛で2点を追加し、2点差まで詰め寄ります。

4校連合は守備でも好プレーが続き、試合の流れは完全に4校連合へ。大逆転なるかとスタンドも期待が高まります。

しかし8回裏、3回途中から好リリーフを見せてきた2番手渡邉が力尽き、7番片桐、9番竹田の適時打などで米沢興譲館が4点を追加し、試合を決定づけます。

9回表、4校連合最後の攻撃も無得点に終わり、米沢興譲館が11-5で勝利し2回戦進出を決めました。

 

<注目選手など雑感>

米沢興譲館にしてみれば「勝ちに不思議の勝ちあり」な試合展開でした。11点のうち押し出しが4つ、バッテリーエラーが2つと相手に助けられた印象です。

そんな中で1番で主将の三浦は4安打をマークし攻撃の起点になりました。

投手陣では先発の鈴木が4回1失点(自責0)で7つの三振を奪う好投。最後にマウンドに上がった1年生左腕の後藤もアウトをすべて三振を奪う好投を見せ、2回戦以降に期待を持たせました。

しかしグラウンドコンディションが悪かったとはいえ、5失策はいただけません。投手陣を援護するためにも守備の立て直しを図ってほしいですね。

敗れた4校連合ですが、大健闘と言っていいのではないでしょうか?

一番距離のある新庄南と天童は約50キロ離れており、合同練習もなかなかままなかったと思いますが3年生を中心に懸命のプレーを見せてくれました。

エースで4番、主将を務める北村山高の高橋はピッチングでは持ち味を発揮できませんでしたが、バッティングでは2本の長打を放つ活躍。

7回の適時三塁打のあとは浅い外野フライでタッチアップして生還するなど気迫のこもったプレーを見せました。

2番の小笠原は新庄南高唯一で他校との統合を控えているため「最後」の選手。

小笠原と女子マネージャーの2人だけの部員で合同練習以外での練習も大変だったと思いますが、ヒットを1本放ち、守備でも好プレーを見せしっかりと爪痕を残しました。

少子化が進み今後、このような連合チームが増えていくと思います。特に地方では近隣校と連合を組むにしても遠距離になりがちで苦労は絶えないと思います。しかし、野球をプレーしたい、試合をしたいと願う選手たちを大人たちがフォローして環境づくりを行っていってほしいなと思います・

 

4校連合  001002200=5

米沢興譲館高21301004X=11

(4)高橋、渡邉、高橋ー岸

(米)鈴木、加藤、酒井、後藤-青木

【勝利投手】酒井

【敗戦投手】高橋

【三塁打】

(4)高橋

【二塁打】

(4)高橋

(米)三浦、髙橋、片桐