6月10日に明治神宮球場で行われた全日本大学野球選手権大会準決勝、青山学院大×富士大の観戦記です。

二部に降格していた時期が長かったとはいえ、実に17年ぶりの大学野球選手権出場となった青山学院大。ドラフト候補に挙がる4年生投手陣と、下級生の野手陣の活躍で東都王者らしく危なげなく4強に進んできました。

対するは東北の雄、富士大。準々決勝では青学同様にドラフト候補の投手陣をそろえる大商大を降しての準決勝進出。青学の距離売力投手陣も餌食にできるでしょうか?

 

<スタメン>

【先攻:青山学院大】

①センター 中島

②サード 佐々木

③ファースト 小田

④レフト 西川

⑤DH 松本

⑥セカンド 藤原

⑦キャッチャー 渡部

⑧ショート 初谷

⑨ライト 中野

先発ピッチャー 下村

【後攻:富士大】

①センター 麦谷

②サード 山澤

③DH 山内

④ファースト 渡邉(悠)

⑤ショート 佐々木

⑥キャッチャー 坂本

⑦セカンド 松尾

⑧ライト 赤瀬

⑨レフト 渡辺(陸)

先発ピッチャー 中岡

<試合概況>

試合開始早々に青学大の先制パンチが入ります。

1回表2番の佐々木がライトスタンドへ本塁打を叩き込み、1点を先制します。

しかし富士大もその裏、2死走者なしから3番山内が二塁打を放つと4番渡邉(悠)が適時打を放ち同点に追いつきます。

追いつかれた青学大ですが、2回表7番渡部の内野安打、8番初谷の二塁打と下位打線でチャンスを作ると、9番の4年生中野が左中間を破る適時二塁打を放ち勝ち越しに成功。3回にも7番渡部の適時打でリードを広げます。

食らいつきたい富士大も3回裏、1番麦谷がレフトスタンドに本塁打を放ち、2点差に追い上げます。

しかし5回にも7番渡部の犠飛で1点を追加した青学大は先発下村、2番手松井の継投で富士大打線を2点に抑え、5-2で勝利し決勝進出を決めました。

 

<注目選手など雑感>

青学大が東都王者の力を見せつけ勝利しました。

4年生の継投となった投手陣は先発下村、2番手松井ともに持ち味を発揮。

どちらも投手としては小柄ですが、投げっぷりがよく力強いボールを投げ込んでいました。決勝で明治を完封した常廣に注目が集まりますが、この両投手も実力は十分だと思います。

この4年生投手をリードしたのが1年生捕手の渡部。

智辯和歌山で全国制覇を経験しているとはいえ、ドラフト候補の4年生たちをリードし優勝に導いたというのはこの先の成長が楽しみです。この試合ではバッターとしても2安打2打点とラッキーボーイ的な役割を果たしました。

強烈な先制本塁打を放った佐々木もマルチヒットをマーク。

1年春からレギュラーとしてプレーして早くも3年生。貴重な右のスラッガーとしてさらなる成長が期待できそうですね。

敗れた富士大は先発の中岡が踏ん張れず快進撃が止まりました。

しかし3年生の麦谷が逆方向への本塁打を放ったり、3番手で登板した2年生の新川が4回1/3を被安打1の無失点に抑えるなど敗れた試合の中にも光明は見られました。

秋以降も東北の強豪として全国大会を賑わす存在であり続けそうですね。

 

青学大121010000=5

富士大101000000=2

(青)下村、松井-渡部

(富)中岡、安徳、新川-坂本

【勝利投手】下村

【敗戦投手】中岡

【本塁打】

(青)佐々木

(富)麦谷

【二塁打】

(青)初谷、中野

(富)山内