4月22日に埼玉県営大宮球場で行われた高校野球春季埼玉大会、狭山清陵高×春日部共栄高の観戦記です。

県内屈指の強豪、名門である春日部共栄も昨秋は初戦で浦和学院と当たるくじ運にも恵まれず、結果もコールド負け。地区予選から臨んだこの春の大会でシード権を確保しておきたいところです。

対するは近年めきめきと力をつけてきている県立高の狭山清陵高。昨秋は16強まで進んでおり、共栄にとっては油断ならない相手になりそうです。

 

<スタメン>

【先攻:春日部共栄高】

①ファースト 小林

②センター 土屋

③ライト 平尾

④キャッチャー 伊藤

⑤レフト 吉野

⑥サード 藤崎

⑦ショート 鳥谷越

⑧セカンド 一條

⑨ピッチャー 林

【後攻:狭山清陵高】

①センター 森谷

②ライト 本多

③ピッチャー 八巻

④ショート 井上

⑤サード 鈴木(弾)

⑥キャッチャー 見方

⑦レフト 小達

⑧ファースト 肱黒

⑨セカンド 草間

 

<試合概況>

試合は春日部共栄が押し気味に進みます。

2回裏、エラーと四球で作った2死1・2塁の場面で8番一條のショートへの内野安打で2塁走者が一気に本塁を突きますが、狭山清陵守備陣が落ち着いて処理して本塁憤死となります。

春日部共栄は3回にもヒットとエラーで無死1・2塁のチャンスを作りますが、狭山清陵先発八巻のギヤが一段上がり、2番土屋、3番平尾を連続三振。4番伊藤には死球を与え満塁としますが、5番吉野を三振に斬りこの回アウトすべてを三振で奪いピンチを切り抜けます。

3回まで春日部共栄先発林に1安打に封じられていた狭山清陵打線ですが、4回裏先頭の本多がピッチャー強襲安打で出塁すると、3番八巻が犠打を決め得点圏に進めると、4番井上がレフト前に適時打を放ち先取点を奪います。

反撃したい春日部共栄は6回表、先頭の伊藤がヒットを放つと、死球とヒットで1死満塁のビッグチャンスを作ります。しかしここでも狭山清陵八巻が踏ん張り8番一條、9番林を連続三振に斬り得点を許しません。

試合は最少得点差のまま最終回へ。9回表春日部共栄は1死後8番一條がヒットで出塁、盗塁を決め得点圏に進みますが、最後はセカンド草間がファインプレーで締め、狭山清陵が完封で春日部共栄を降しました。

 

<注目選手など雑感>

なんといっても狭山清陵八巻の好投につきます。

2度の満塁のピンチをギアを切り替えて三振奪取で切り抜けるなど11個の三振を奪う完封勝利。伸びのあるストレートと、スライダー系の変化球が効果的で公立校にこんな好投手がいたんだとびっくりさせられました。

狭山清陵は八巻以外にも決勝打を放った井上や主将の本多がマルチヒットをマーク。八巻を好リードした見方はバッティングはノーヒットでしたが旧チームでは4番も打った選手でありタレント揃い。

私学優勢の埼玉に風穴を開ける存在として台風の目になっていきそうな感じがしますね。

敗れた春日部共栄は2度の満塁のチャンスを逸するなど10残塁の拙攻で完封負け。今年も夏はノーシードでの戦いとなってしまいました。

しかし先発の林は8回1失点のQS達成。

打たせて取る丁寧な投球で安定感のある投球をみせました。無四球も評価に値します。

実力はあるチームだとは思いますので、ノーシードで臨む夏の大会で組み合わせのどこに入るかで大会の行方を左右する存在になると思います。

 

春日部共栄高000000000=0

狭山清陵高 00010000X=1

(春)林-伊藤

(狭)八巻-見方

【勝利投手】八巻

【敗戦投手】林

【二塁打】

(春)土屋

(狭)本多