静岡県浜松市で新球場建設の動きが出ています。海沿いの遠州灘海浜公園にプロ野球も開催可能な収容人員22,000人の照明設備を備えた球場を建設するという計画です。

この計画自体は以前から上がっており、筆者が当ブログで2017年1月の時点で備忘録的な記事を書いたときにも記載されています。この記事で紹介しているほかの地方球場がすでにオープン、もしくは着工済みなのに対し、この浜松の球場は未だ着工に至っていません。

というのも、遠州灘が絶滅危惧種であるアカウミガメの産卵地であり、野球場の照明で砂浜が照らされると親ガメが産卵に向けた上陸を避けたり、ふ化した子ガメが海の方向を見失ったりする悪影響が出ると指摘されており、環境面での配慮が必要となっています。

この問題解決の策として、建設推進派の市長たちは「屋根を付けたら照明がもれない」とばかりに「ドーム球場案」を知事に要請しているようですが、果たして年に数回のプロ野球公式戦を行うためだけにドーム球場化させることは果たして得策なのでしょうか?採算面で疑問符が付きますよね。

 


作ったはいいものの、通常時の一般市民の使用のハードルは高くなり結果として稼働率が上がらないということは十分予想されると思うんですが、そんなに「ハコモノ」を作りたいんですかねぇ。

当然ドーム球場化に反対する市民も多く、もっと市民が気軽に使える球場が複数集まる「ベースボールパーク構想」が提案されています。元駒澤大野球部監督で現在故郷の浜松在住の太田誠さんが先頭に立って、収容能力5,000人のメイン球場に、サブ球場が2面、屋内練習場を備えた「クローバー型野球場」を提唱されています。

 


このような施設の方が確かに使い勝手がよさそうですし、複数の球場を持つことで大会開催や合宿やキャンプ地としてのニーズも出てくると思います。筆者としては後者を推したいですねぇ。

オリンピック開催後の競技場などがその後稼働率が上がらず、「負のレガシー」となった事例が多々あるにもかかわらず「ハコモノ重視」の計画はやはり見直した方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか?