6月11日に明治神宮球場で行われた全日本大学野球選手権大会準決勝、東日本国際大×亜細亜大の観戦記です。

戦国東都を制した亜細亜大、明大が敗退したとあっては神宮をホームとする連盟として準優勝した2013年以来の決勝進出を狙います。

対するは南東北大学野球連盟代表で2度目の準決勝進出となった東日本国際大。1回戦から3試合で6本の本塁打で勝ち上がってきました。自慢の猛打で東都の強豪に挑みます。

 

<スタメン>

【先攻:東日本国際大】

①セカンド 小林

②サード 赤平

③センター 佐々木

④ファースト 打川

⑤ライト 上崎

⑥DH 長田

⑦ショート 佐藤

⑧レフト 須貝

⑨キャッチャー 成田

先発ピッチャー 水町(写真下)

【後攻:亜細亜大】

①ショート 田中(幹)

②センター 天井

③ファースト 藤江

④レフト 山下

⑤セカンド 西脇

⑥サード 大越

⑦DH 松浦

⑧キャッチャー 草部

⑨ライト 右田

先発ピッチャー 松本(写真下)

 

<試合概況>

試合は初回から動きます。

1回裏亜細亜は2死後、3番藤江がレフトへ完璧な当たりの本塁打を放ち、1点を先制します。

しかし2回表東日本国際大は先頭のこの選手が魅せます。

1回戦から大会新の3試合連続本塁打を放っていた5番上崎がこの試合でもライトスタンドに4試合連続、1大会最多本塁打記録となる本塁打を放ち、同点に追いつきます。

しかし亜細亜は3回裏、エラーを足掛かりに2つの死球で満塁のチャンスを作ると、先制本塁打の3番藤江がレフトへ犠飛を放ち、勝ち越しに成功します。

試合は接戦のまま後半へ。

6回表東日本国際大は先頭の上崎がこの試合3本目のヒットで出塁。1死後、7番佐藤のライトへのファウルフライを亜細亜大ライトの右田がダイビングキャッチ。右田の体勢が悪いと見るやタッチアップで2塁を狙った1塁走者上崎を2塁で刺すビッグプレーを見せ、東日本国際の勢いを止めます。

7回裏亜細亜は2本の内野安打とダブルスチールでチャンスメイクすると、3番藤江がこの試合2本目の犠飛を打ち上げ、亜細亜らしい点の取り方で追加点を奪います。

8回からは1年生左腕の本田がリリーフし、最終回2死2塁の場面で東日本国際大の一番頼りになる打者上崎を迎えますが、セカンドゴロに打ち取り試合終了。亜細亜が接戦をものにして決勝進出を決めました。

 

<注目選手など雑感>

亜細亜大が「らしい」試合展開で東日本国際大の勢いを止めました。

打線の立役者は本塁打と2本の犠飛で全打点をたたき出した3番の藤江。

リーグ戦ではスタメンで出たり出なかったりで規定打席にも達しなかった選手ですが、派手さはないものの勝負強さを発揮しました。こういった選手が4年生になって活躍するのが亜細亜大の強みだと思います。

堅い守備も亜細亜の強み。その中心にいるのが主将の田中(幹)。

高校時代から「忍者」と呼ばれるほど守備範囲の広さには定評がありましたが、この試合でもその守備は健在。ショートに飛んだら望みはないと思わせる好守でした。この試合ではノーヒットで自慢の快足は披露できませんでしたが、昨秋難病に指定されている潰瘍性大腸炎のため2度の入院から見事に復活を果たしました。プロ志望を表明すれば守備と足で銭をとれる選手になると思います。

1年生左腕の本田もクローザー役を果たし、マウンド度胸の良さを見せました。東海大菅生高時代から甲子園で活躍した選手ですが、大学球界でも順調に成長していってほしいですね。

惜しくも敗れた東日本国際大ですが、やはり4試合連続本塁打を達成した上崎が印象に残りました。

この試合では3安打をマークし、大会通じても首位打者を獲得。大学日本代表合宿にも追加招集されるなどこの大会で最も評価を上げた選手ではないでしょうか?東日本国際としては上崎の前に走者を置いたシチュエーションを9回以外に作れなかったのが痛かったですね、最終回の2死2塁の場面は上崎もさすがに力んでしまった感じがありました。

しかしながら今大会できっちりと爪痕を残した東日本国際大。秋に神宮に戻ってくるには富士大や東北福祉大など強豪相手に勝ち抜かなければなりませんが、上崎らの豪打を秋にも神宮で見たいですね。

 

東日国大010000000=1

亜細亜大10100010X=3

(東)水町、永井、竹田、阿字-成田

(亜)松本、遠藤、本田-草部

【勝利投手】遠藤

【敗戦投手】水町

【本塁打】

(東)上崎

(亜)藤江

【二塁打】

(東)佐々木

(亜)大越