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4月8日に津田恒実メモリアルスタジアムで行われた中国大学野球連盟春季リーグ戦、東亜大×環太平洋大の観戦記です。
2015年秋に2度目の優勝を飾ると、その後4シーズンで3度の優勝。秋の明治神宮大会にも3年連続で出場し、昨秋は東京六大学王者慶大を破り2年連続で4強入り。リーグの盟主の地位を確立するとともに全国の野球ファンにも認知されるようになってきた環太平洋大。今季も開幕から3連勝と順調なスタートです。
対するは明治神宮大会3度の優勝を誇り、かつてはリーグの盟主の座にいた東亜大。近年は優勝争いから遠ざかり、おととし春には入替戦も経験するなどすっかり環太平洋大にリーグの盟主の座を奪われた感じです。今季も1週目の徳山大戦で第3戦までもつれこみながら4年生エース藤本が第1戦・第3戦に初回に失点し敗れるなど苦しいシーズンになりそうです。前日の環太平洋大1回戦では第1戦の先発を2年生の中内に譲りリリーフでの登板とコンディションが気がかりです。

<スタメン>
【先攻:環太平洋大】
①DH    松岡
②センター  祝出
③セカンド  岡田
④サード   仲村
⑤キャッチャー志賀
⑥ファースト 杤谷
⑦レフト   押部
⑧ライト   三木
⑨ショート  松本
先発ピッチャー大原(写真下)
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【後攻:東亜大】
①サード   長谷川
②センター  神田
③ショート  徳嶺
④ファースト 横石
⑤レフト   谷本
⑥ライト   大田
⑦DH    寺元
⑧セカンド  坪井
⑨キャッチャー木村
先発ピッチャー中内(写真下)
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注目の東亜大の先発は前日に続いて2年生の中内。藤本のコンディションはそれほどよくないのでしょうか?対する環太平洋大は3年生右腕の大原を先発に立てます。

<試合概況>
先手を取ったのは環太平洋大。初回、1番松岡がエラーで出塁すると3番岡田のヒットでチャンスを広げ、4番仲村の適時打で1点を先取します。
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リードを許した東亜大は5回裏、先頭の6番大田がしぶとくセンター前に運び出塁すると犠打で2塁に進みます。2死後9番木村の打席で2塁走者大田が三盗を企画、この時送球を焦った環太平洋大捕手志賀が捕逸。大田は一気に本塁に突入し見事に生還。
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東亜大が機動力で同点に追いつきます。
両校は6回から継投策に出て東亜大は4年生左腕の福岡、環太平洋大は3年生右腕小谷が走者を背負いながら後続を断ち、試合は9回の攻防を迎えます。
9回表、環太平洋大は先頭の押部がヒットで出塁しますが、続く代打見村が併殺に倒れチャンスを潰します。
その裏、東亜大は先頭の徳嶺が右中間に運び俊足を飛ばして三塁打とし、無死3塁のサヨナラのチャンスを迎えます。
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ここで環太平洋大はリリーフに3番手佐々木を送り延長突入を狙います。佐々木は4番横石を内野ゴロに仕留めますが、続く5番谷本がレフト前に弾き返し3塁走者を迎え入れサヨナラ勝ち。東亜大が王者環太平洋大を降し1勝1敗のタイに持ち込みました。
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<注目選手など雑感>
東亜大が王者環太平洋大に勝つにはこういう展開しかないという接戦を制し、タイに持ち込みました。
小柄な選手が多い東亜大の攻撃のキモとなるのは何と言っても機動力。5回の同点の場面は機動力野球そのものであり、サヨナラの場面も俊足徳嶺の三塁打がきっかけでした。犠打も3つ決めており手堅い野球に機動力を絡める攻撃パターンを確立したいですね。
サヨナラ打の谷本は小兵軍団を象徴する160cm、60kgという体格ながら5番を務める思い切りのいいスイングが絶好のチャンスで活きました。
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投手陣では2日連続先発の中内もよく投げましたが、中内の後を受けた4年生左腕福岡もまっすぐの球速は120キロ台ながら腕の出所をスリークォーターや上からなど変えるなど工夫をしつつ、牽制で走者を刺すなど好投しました。
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この福岡も163cmと小柄。小兵軍団を象徴するような選手ですね。王者環太平洋大相手に勝ち点を奪うようであればリーグ戦の行方が面白くなりそうです。
敗れた環太平洋大は打線が振るわず不覚を取った形ですが、投手陣は負けてなお強しといった印象を強くしました。
3番手で登板した2年生の佐々木はサヨナラ打は許しましたが力強いストレートは144キロを計測。
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第1戦で完投勝利をマークした西山も健在で、この試合で先発した大原、2番手の小谷も140キロ前後の球速を計測しており力のある投手が揃っています。「ストップ・ザ・環太平洋大」を他大学が目指すにはいかにロースコアに持ち込み、強力投手陣を攻略するかがカギになりそうです。

環太大100000000=1
東亜大000010001x=2
【9回サヨナラ】
(環)大原、●小谷、佐々木―志賀
(東)中内、○福岡―木村
【三塁打】(東)徳嶺
【二塁打】(環)松岡、志賀

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