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山口県岩国市由宇町にある広島東洋カープの二軍の本拠地および練習施設で単に「由宇球場」という通称で呼ばれています。
カープのファームは1992年まで広島県福山市のみろくの里神勝寺球場(現ツネイシスタジアムhttp://blogs.yahoo.co.jp/igechan22/14044647.html)でウエスタンリーグの公式戦を開催していました。これはツネイシスタジアムの記事でも書きましたが、当時ウエスタンリーグの最西端に位置し、在阪球団の移動の負荷軽減を目的とした措置でしたが、1989年に南海ホークスが身売りし、福岡にフランチャイズを移したことで必ずしも在阪球団の移動の便を考慮しなくてよくなったこと、また当時のカープの練習施設が不足しており、とりわけ他球団と比較して、ファーム施設に対する設備投資が遅れていることが問題視されていたため、一時はファームの拠点を広島以外の関東や東北に移すことも検討されたようですが実現には至らず、自前の練習設備を設けることとなり、広島県呉市、山口県柳井市などの候補地の中から土地取得費が安く練習場が広く取れること、気候が温暖なことから由宇町が選ばれ、1993年に開場し以降カープファームの本拠地として使用されています。
球場設備は両翼100m、中堅122mという広いフィールドは「練習場」と名がつけられるだけあり、グラウンド面積は16,010m²と野球専用球場とし手は千葉マリンスタジアムや札幌ドームより10%も広大であるのみならず、メジャーリーグ一広いクアーズフィールドよりも15%上回る広さを誇ります。これは二軍選手を鍛えるため、バッティングゲージを同時に3つ並べて打撃練習が行えることを大前提とし、かつキャッチャーフライの捕球練習等を重視したため、ファウルエリアを可能な限り広げたことに由来しています。
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また、練習施設としての設計のため観客設備も芝生席のみで、バックネット裏はカープのクラブハウスがあるため観客席はなく、観戦環境はあまりいいとは言えません。内野の芝生席からも先述の通りファウルグラウンドが広大なうえに傾斜も少ないため、プレーする選手が遠く感じられます。
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このあまりに広すぎるファウルエリアは(練習場としての設計なので仕方ない面はあるが)観戦環境としては失敗だったとカープの松田元オーナーも認めており、これを教訓にマツダスタジアム(http://blogs.yahoo.co.jp/igechan22/13619848.html)の基本設計に反映させたそうです。
近年施設の老朽化が問題となっており、カープ選手が契約更改の場で改善を要求することも多かったようですが、2015年にはそれまでパネル式だったスコアボードを電光掲示板に改修するなど、設備の改善も進められています。
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今後も施設改修については順次実施していく予定となっており、2016年4月16日の地元ケーブルテレビでの「ウエスタン・リーグ中継」にゲスト出演した川端順編成部長が、2016年のシーズンオフにファウルエリアを縮小し、内野スタンドをせり出させる計画があることを明らかにしたそうです。
しかし、球場設備の充実も必要ですが、この球場で最大のネックともいえるのが「球界の秘境」ともいえるアクセスの悪さ。最寄り駅からのバスは1日6便しかなく、ダイヤについてもカープ二軍戦の試合観戦向けの配慮も特になされていないため、実質的には自家用車およびタクシーしかアクセス方法がないが、用意されている駐車場の収容規模は120台であり充分とは言えない。それに加えて、飲食についても球場内には常設の売店がなく、飲料の自動販売機が設置されているのみで、さらに球場周辺にはコンビニやスーパー等がないため、由宇駅周辺等で事前に購入する必要があり不便が生じていました。それでも入場料無料(練習ではお金を取らないという方針のため)であること、近年は飲食のワゴン販売(移動式)を行うようになったことから、2010年は15,278人、2011年は26,648人、2012年は26,615人、2013年は25,659人と、年間20,000人程度の観客を集めているだけに、球団主導のシャトルバスや常設の売店設置などにも力を入れてほしいところです。
敷地内には選手が早く立派になってほしいという願いを込めて、「『あす』はヒノキに『なろう』」という意味を持つアスナロの木が植樹されているなど、緑に囲まれた開放的な雰囲気の球場です。ライト後方には広場もあり、キャッチボールをする親子の姿がみられるなど「ボールパーク」の雰囲気を醸し出しています。
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25年ぶりの優勝をめざし、2016年シーズンを快調に首位を走るカープの若手の鍛錬の場として、今後も重要な役割を果たしていくことと思います。
 
【所在地】山口県岩国市由宇町笠塚72-2
【球場データ】両翼:100m 中堅:122m 内野:土 外野:天然芝 スコアボード:電光掲示板 照明:なし 収容人員:3500人
【アクセス】JR西日本山陽本線由宇駅から岩国市営由宇バス「笠塚カープ練習場前」行きで終点下車(ただし1日6便のみ)、またはタクシー。
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